犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

金正日の死

2011-12-21 22:55:49 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)

 金正日総書記が亡くなりました。

 これを伝える韓国のマスコミは、「金正日死亡」という表現で伝えていました。そりゃ死んだんだから「死亡」にちがいないんだけれど、死んだことを表現するにはいろいろな言い方があります。死亡とか死去とか逝去とか別世とか…。日本では天皇陛下専用の「崩御」という言葉もありますね。

 2009年に
盧武鉉元大統領が自殺したときは「逝去」という言葉が使われていました。

 いかにも不健康だった金正日は、そう長くはないと思われていたのでしょう。おそらくは「Xデー」に備えて、その日が来たときどういう表現にするか、マスコミ各社で申し合わせがあったんでしょう。もっとも、テレビ局の中には「死亡」ではなく「逝去」という言葉を使って、ネットで叩かれていました。


 韓国では、金総書記の死に対して弔意をどう示すかで、左右の意見が割れたようです。

 親北の政党や団体、マスコミは弔問団を送れと主張し、右派はとんでもないと言う。哨戒艇天安撃沈事件(46人死亡)や、
延坪島砲撃事件(4人死亡)の記憶が生々しいこの時期に、とても弔意など示せないというのが常識的な国民感情でしょう。

 しかし、今は次期指導者の金正恩氏がどういう人物かを知ることが重要。ともかく弔問団を送って探りをいれるべき、という手もありだと思います。

 振り返ると、金日成が死んだとき、金正日政権がこれほど長く続くと予想した人は少数派だったと思います。前に書いたことがありますが、大前研一は「早ければ3週間、長くても3年」などと言っていた一方で、当時韓国駐在中の某特派員は、「30年続く」と予想していました。金正日が死ぬまで、という意味だったので、この特派員は炯眼の持ち主だったというべきでしょう。

 今後の北を巡る情勢は、あまりにも不透明で、不安でもありますが、不幸中の幸いは、これによって再燃しそうだった「慰安婦問題」がふっとんだことです。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アガシ復活 | トップ | 新大久保の反応 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
目をそらす… (犬鍋)
2011-12-24 22:31:26
親族の不正事件もあったようですね。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/12/17/2011121700569.html
返信する
Unknown (某延世大留学生)
2011-12-22 05:26:09
慰安婦であれ金正日であれ、国民の関心がFTAからそれたので、李明博は今頃ほっと胸をなでおろしていることでしょう。
返信する

コメントを投稿

日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)」カテゴリの最新記事