韓国の事務所に勤務している韓国人男性職員のお母さんが、東京・浅草で居酒屋をやっています。
韓国にゆかりの深い友人2人を誘って、ささやかな忘年会をしました。
お母さんは、韓国・大邱(テグ)出身。
35年以上前にご主人を交通事故で亡くし、東京にいる親戚を頼り、二人の子どもを連れて日本に移住。以来、ずっと浅草で居酒屋をやっているとのことです。
最初は「韓国居酒屋」として、韓国料理を売り物にしていたそうですが、最近は韓国人のお客さんも少なくなり、普通の日本の居酒屋になっています。
2週間ほど前、下見がてら一人で来たとき、
「事前に言ってくれれば韓国料理も出すよ」
と言われていたので、チャプチェとチヂミを頼んでおきました。当日は、それ以外にタクトリタン(鶏の辛い煮込み料理)も出してくれました。
息子さんは、東京韓国学校に通い、日本の大学に入ったのですが、「韓国人なんだから軍隊に行くべきだ」といって、単身帰国。
普通の韓国人は兵役を逃れるためにあの手この手を使うのに、わざわざ軍隊に入りに帰国するというのは稀有なことです。
ところが身体検査のとき、視力が悪すぎて軍隊に入れなかった。それでわが社の入社試験を受けたのです。
私が採用面接をし、入社後はソウルでよく飲み歩いたものでした。
私の帰国後に韓国で結婚。
お店で結婚式のアルバムを見せてもらったら、私のソウル時代の上司や私の後任が写っていて、懐かしく思いました。
「ご主人、確か俳優でしたよね?」
「そうよ」
といって取り出したのが、昔の週刊誌や新聞の記事の切り抜きが入っているファイル。
一緒に行った韓国人女性(50代)は、
「見たことがある!」
と言っていました。
もう一人、韓国在住26年の日本人も、けっこう韓国映画やドラマに詳しく、俳優本人は知らないながら共演していた女優などを知っているとのことで、大いに盛り上がりました。
「娘さんのほうは、今どちらに?」
「娘は結婚して、旦那の仕事でカナダに行っているの。だから日本には私一人」
「それは寂しいですね。韓国に帰らないんですか」
「いや、もう韓国に友だちもいないし。日本のほうがいいよ。息子が日本に来てくれればいちばんいいんだけど…」
お母さんは、今年喜寿(77歳)を迎えるとのこと。年のわりに若く見え、お元気そうなのは何よりです。
帰るときには、私たちそれぞれに韓国のりなどの「お土産」まで持たせてくれました。
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