韓国で日本酒ブームが起こっているそうです。中央日報2月6日記事
(前略)
数年前はワインブームが起きたが、今は日本酒ブームが広がる雰囲気だ。「サケ」と呼ばれる清酒の人気は相当なものだ。焼酎よりも飲みやすく味と香りが多彩な日本酒が韓国の若者層に浸透した。
清酒市場は緊張しなければならない。日本酒の販売量はずっと増え続けている。こういう酒は流行で終わらず、終生楽しむ酒にもなるという点で問題だ。「雪花(ソルファ)」という韓国の清酒があるが、高級日本料理店専用の酒になってしまった感じだ。おでん・焼き鳥など日本料理店が増えている最近の雰囲気の中で、斗山(トゥサン)の「多味サケ」のように「サケ」という商標を付けた製品が出てきたのもこうした理由からだ。
最近は日本酒のソムリエも登場した。種類が非常に多いからだ。過去の軍事政権時代に出された「コメで酒を作るな」という厳命で韓国の清酒づくりの技術は途絶えた。
日本の場合、各地域で高齢者が独自の秘法で作った酒を大きな会社が買い取って販売したりするが、販売量が少ないため、定価8万円の酒にプレミアムがついて30万円で取引されたりもする。日本酒・日本焼酎の種類は非常に多い。
抱川(ポチョン)マッコリ、高敞(コチャン)覆盆子酒の善戦が目につくが、清酒はまだ祭事用の酒というイメージが残っている。祭事にいつも韓国の清酒「白花寿福」を使っている家庭では、「自分が死んだら純米大吟醸に変えてくれ」という遺言を残す人が出てくるかもしれない。酒を世界で2番目に多く飲む大韓民国としては日本酒の勢いに緊張しなければならない。
服にサムギョプサル(豚バラ肉)のにおいが染みつくのを嫌い、居酒屋で会食をする会社が増えている。ワインは一杯で何度も乾杯するが、「ワンショット(一気飲み)」が大勢の韓国で日本酒は男女ともに負担がない。
自分も日本酒が好きだが、心の片隅で申し訳なく感じる愛国心。かつて市場を号令した「清河」のように「救世酒」が現れることを期待したい。
「定価8万円の酒にプレミアムがついて30万円で取引されたりもする」
???
きっとウォンの間違いだろうと思って,韓国語原文を探してみました。
すると誤訳ではなかった。原文も円表示です。
そもそもこの記事,中央日報系のスポーツ新聞「日刊スポーツ」のもので,原文はかなりくだけた内容。翻訳もかなりカットされています。その前後を訳すと,
(軍事政権が米で作る酒を禁じたあとも,韓国のおばあさんたちは酒を作り続け,警察にしょっぴかれるなどして酒の技術が衰退していったという話に続いて)
日本の場合,各地でおばあさんたちが独自の秘法で作った酒を大会社が仕入れ,立派なブランドに仕立てて売るのだが,販売量が少ないため,定価は8万円の酒がプレミアがついて30万円で取引されている。サケや日本の焼酎の種類が多いのはこういうわけだ。…
ワインならともかく,日本酒で定価8万円なんてありえないでしょう。30万円というのは特別なオークションかな? そもそも杜氏は男の仕事であって,おばあさんの杜氏なんているわけない。
韓国で農家のハルモニ(おばあさん)たちがマッコルリを密造してきたことから出てきた「想像」なんでしょうね。
ところで,私が韓国に駐在を始めた90年代半ば,韓国では日本酒の輸入が制限されていた。月桂冠しかありませんでした。
飲み屋の話では,月桂冠だけが政府にコネをもっていて,特別に輸入を許可されていたとのこと。各種の「月桂冠」が,日本の数倍の価格で売られていました。
高い金を出して大量生産品を飲む気はしませんから,日本酒が飲みたいときは韓国産の清酒を飲みました。
熱燗はなぜかチョンジョン(正宗)と呼びますが,銘柄としては「スボク(寿福)」。冷酒のときは,「かつて市場を号令した」という「チョンハ(清河)」。
どちらも日本の清酒に比べると酸っぱいような気がするけれど安くてありがたかった。
その後,クッキャン(菊香)というやや高い冷酒用の銘柄が出たものの,いつのまにかなくなりました。今は,ソルファ(雪花)が高級酒とみなされているようですね。
よく贈りものとしてもらったのが「キョンジュポプチュ(慶州法酒)」。立派な瓶に入っていたけれど,味は大したことない。まだあるんだろうか。
その後,2000年頃に日本酒の輸入が解禁され,さまざまな地酒が入ってきました。ばか高い税金がかけられていたのでしょう。あるとき,高級寿司屋で久保田万寿の一升瓶があったので値段を聞くと,
100万ウォン!(当時のレートで12万円)とのことでした。
「そんな高い酒,頼む人いるんですか」
「いえ,飾りです」
こういう歴史を見てきたので,「定価8万円が30万円で取引」などという妄想をしてしまう記者が出てくるのでしょう。
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検索したらありました。相当話題になったようですね。
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000119999990580
http://blog.livedoor.jp/jizake_com/archives/18867422.html
「30万円」の出所はこのお酒かもしれません。
でも,
「各地でおばあさんたちが独自の秘法で作った酒を大会社が仕入れ,立派なブランドに仕立てて売るのだが,販売量が少ないため,定価は8万円の酒がプレミアがついて30万円で取引されている。」
は,相当創作が入っているような。
でも超プレミアムが付いている日本酒は有ります
須藤本家の花薫光です
因みに、花薫光【1993年】の720ml1本の販売価格は、アメリカのホテルのレストランでUS$13,000.(1,560,000円)です。
ワイン評論家のパーカー氏が91点付けたお酒です
多分このお酒の話だと思います。 こんなお酒もあるのですよ
居酒屋に行けばあることはあるが、好みのブランドは少なかった。
そこで同好会を作って帰国した時に買って来た酒を持ち寄って飲んでました。
今はブームなのでもっと銘柄は増えたかな?
でも飾っておいたら不味くなるのでもったいないですね。(もしかして瓶だけ?)