犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

運転手さんいろいろ~革命公約

2007-07-11 07:05:14 | 韓国雑学

 今朝乗った模範タクシーの運転手さん,とても政治好き。ウリ党の悪口から始まって,ハンナラ党の李明博も糞味噌。どうも朴槿恵支持らしい。

「私は全羅道出身だけどね,朴正煕はよくやったよ」

(全羅道の人が朴統をほめるなんて珍しい)

「われわれが食うのにも困っていたとき,なんとか暮らせるようにしてくれたし,汚かった清渓川(チョンゲチョン)に蓋をして,道路にして,さらに高架道路も作った。それを李明博の奴がまた掘り返したりして…」

(清渓川の悪口も初めて聞いた)

 そのうち,なんか大声で唱え始めた。

「それなんですか」

「これね,朴統が政権を握ったときの革命公約だよ。」

(すごい! 教育勅語のように暗誦してる!!)

 帰ってからインターネットで検索してみました。

1 反共を国是の第一義とし,今まで形式的な掛け声に終わっていた反共態勢を再整備,強化して,外侵の危機に備え,

2 国連憲章を忠実に遵守し,国際協約を履行し,米国をはじめとした自由友邦との紐帯を強化して,国際的孤立から抜け出さなければならず,

3 旧政権下にあったすべての社会的腐敗と政治的旧悪を一掃し,清新な気風を振興し,頽廃した国民道義,民族精気を建て直して,民族,民主精神を涵養し,

4 国家自立経済の再建に総力を傾注し,飢餓線上に彷徨する民生苦を解決して,国民の希望を堤高させ,

5 北韓共産勢力を覆すことのできる国家の実力を培養して,民族的宿願の国土統一を成し遂げる。


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2 コメント

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朴正煕と北一輝 (馬齢)
2007-07-11 20:31:15
犬鍋どの

タクシー運転手のお話、大変面白く拝読しました。

30年位以前に、全10巻位の「朴正煕大統領演説集(タイトル不確か)」邦訳を斜め読みしたことがあります。
立派な装丁の大作でした。
そのなかで、大韓民国の歴史について陳べたとこでの記憶に残る断片。

◎我々は、度々外国の侵略にあったことを以って、外 国の不実を論い、非難するが、ナンセンスだ。
◎外国の不実・不義を非難する我々の先祖は一度たり とも外征したこともない。
◎我々の祖先は、檀君以来内訌・党争に明け暮れ眼を 外国に向けたことが無い。
◎日本の明治維新を見習うべき。

演説原稿は朴正煕と歴史観を同じにする学者・官僚が起稿したと思いますが、読後これは【北一輝著作集】ではないか、錯覚に襲われました。
敗戦後日本では長らく封印された<明治維新→昭和維新>が、韓国で国家指導原理として現存していることに妙な感を受けました。

然し、この歴史観は【朝鮮史への自省】であることは紛れもない。
なのに、
IMF管理時代もありながら、金泳三大統領の頃から、政府のみならずオピニオンリーダーの言説が、【世界一のコリア】一色に変貌したように見受けます。

この変貌のイデオローグとは一体何なのでしょうか?
経済成長の実績?
然し、それは見方を変えれば、【タカリ・オネダリ経済成長】でしかない。

韓国国内での多様な視点からの【実のある論争】は期待できるものなのでしょうか?

愚見ですが、【自省→世界一の誇り】こうした国民感情の変化の構図は、日本では明治以降二度経験していると思います。

明治維新から日露戦争までの自省の時代、それ以降大東亜戦争までの【大日本帝国】時代と、二度目は、敗戦から昭和46年の変動相場制移行までの自省の時代、円高・石油危機を乗り越えてからの今日までの【意識せざる、或は無自覚の驕慢】の時代です。
日本は、やがていや既に、無自覚の自信が韓国・中国という【自信過剰国】に触発されて、韓国並みに【意識する自信】に変化するのでしょうか。

それでも、大韓民国と日本の違いは、日本には多様な意見・見解が併存していることが幸いなのかと愚考しています。
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よくやった史観 (犬鍋)
2007-07-11 22:55:56
朴・全軍事政権は,韓国の現状と歴史を非常に冷徹に見ていたと思います。

http://blog.goo.ne.jp/bosintang/e/6a7364eab4da695d5b65d8665f4751a3

金泳三は,結局民主化運動の闘士以上でも以下でもなかった。ほとんどすべての政治活動は,軍事政権の否定に向けられました。
歴史の書き換えは,その一環だと思います。
光州事態の見直し,軍事政権の正統性の否定もそうですが,韓国の歴史を「ふがいない歴史」と見ていた史観の見直しも,その一つだと思います。
産経の黒田記者は,これを「よくやった史観」と名付けています。
北一輝との類似については,不勉強でよくわかりません。
ただ,韓国の「自民族至上主義」が,戦前の日本に似ているというのは何となくわかります。

歴史認識について,多様な見解の併存を許さない雰囲気には非常に危険なものを感じます。

現在,私が最も危惧しているのは,近い将来,南北統一の混乱の中で,唯一,民族が一つにまとまることができるのが「反日」であるということです。
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