一般に,酒好きの人と酒の味がわかる人は違うようですね。
私は家系的にも「酒好き」なのですが,「酒の味がわかるか」と問われれば自信がない。というか,酒の味にあまりこだわらない。韓国で嬉々として「チャミスル」を飲んでいることがその証拠でしょう。
特に,焼酎,ワインについてはからっきしわからない。
日本には数多の焼酎がありますが,日本にいたときから焼酎は飲まなかったので,今でも原料が麦なのか蕎麦なのか芋なのかもよくわからない。
ワインも,値段と聞かないとおいしいかまずいか自信をもって言えない。さすがに1000円のワインと3000円のワインはだいたいわかりますが,3000円と3万円の違いはこころもとない。
じゃ日本酒はわかるのか?と言われると,こっちも怪しい。樽酒や吟醸酒はさすがにわかります。しかし,銘柄による微妙な違いはよくわからない。
15年ほど前,越乃寒梅がプレミアつきで1万円していたとき,人からもらったといってふるまってもらいましたが,まったくおいしいと思わなかった。これなら3000円クラスの吟醸酒のほうがよっぽどましだと思ったものです。
というわけで,酒の中で唯一味について自信があるのはウイスキーぐらいのものです。特に,タイでマッカランカスクストレングスに出会ってからは,スコッチに関心をもつようになりました。
さて,大阪で以前バーを開いていた知り合いと,あるスコッチの店を訪れました。場所は十三(じゅうそう)。ネットで見つけた店で,ご主人は相当にこだわりがあるらしい。
「こんばんは」
ドアを開けると,それほど広くないカウンターに客はいない。
「いらっしゃい」
中年のご主人が,こちらを探るような目で迎えます。
後ろの棚にはずらりとスコッチらしき瓶が並んでいます。しかし,ラベルの貼っていない瓶も多い。左のほうに目を走らせると,マッカランやグレンフィディックなどの見慣れたシングルモルトがあります。
「あ,ラフロイグとかボウモアもありますね」
「アイラ系がお好みですか?」とご主人。
「いや,知ってるのを言ってみただけです。好きといえば,マッカランかな」
「ありますよ」
左の棚から12年と18年を取り出してわれわれの目の前に並べます。
「ま,どんなにまずいか知ってもらうっていう意味で,お出しすることはありますが…」
(!!!)
どうも,左の棚にあるのは参考に置いている酒で,お勧めのものは正面の棚にあるものらしい。
「マッカランなら,こっちをお勧めしたいですね。ぜんぜん違いますから」
と正面の棚から一本取り出す。
「いくらなんですか」
「一杯3500円です」
(…)
値段に当惑しているわれわれを見て
「ハーフもできますよ」
「じゃ,ハーフで」
脚のついたグラスは,ワイングラスより小振りで上のほうが少しすぼんだチューリップグラス。スコッチを楽しむための専用のグラスだそうです。
これに半分ほどつがれた,やや色の薄い液体を口に含むと,芳醇な香が口に広がります。私のお気に入りの樽だしカスクストレングスと同じか,それ以上の芳香です。
「瓶が変わってますね」
「ああ,これは品評会用なんです。瓶は同じですが中身は全部違います」
素人に対して,親切に説明してくれます。どうやら,品評会やオークションで特別に仕入れた酒を中心に出しているらしい。ご主人も,店の左側に備えられた小樽から直接注いだスコッチを飲むうち,ご主人の舌も滑らかに。
もともと釣りのライターだったこと。専属の雑誌がつぶれて,好きだったスコッチ専門のバーを開いたのが6年前であること。品評会で,今の奥さんに出会ったこと…。
ご主人の数奇な半生がしだいに明らかになります。
「ここはスコッチの香りを楽しむ店なので,香水をつけた方はお断りなんです」
つまみも塩豆だけしかなく,お腹が空いている人は持ち込み可。
そして飲み方はストレートか水割りのみ。オンザロックは禁止。
「水割りはいいんですか」
「ええ,二倍までなら香が失われませんから。ただ,氷を入れちゃうと香が死んじゃいますからね」
これまで,オンザロックまでは許せるけど,水割りはダメなのだとばかり思っていました。
「ところでここで一番高い酒は何なんですか?」
「こちらです。グレンリベットの35年。一杯,3万円です」
「へえ,よっぽど旨いんでしょうね」
「まあまあですね。世界で14本しか瓶詰めされなかったので,一本21万円の値がつきましたが,正直言うとこれより安くて味は上の酒もあります」
「どんな人が飲むんですか?」
「某一部上場企業の社長さんが召し上がりました」
どの酒も一杯の値段がかなり高いので,そう無闇に飲むわけに行きませんが,ご主人の話も面白いし,大阪出張の楽しみがこれで一つ増えました。
私は家系的にも「酒好き」なのですが,「酒の味がわかるか」と問われれば自信がない。というか,酒の味にあまりこだわらない。韓国で嬉々として「チャミスル」を飲んでいることがその証拠でしょう。
特に,焼酎,ワインについてはからっきしわからない。
日本には数多の焼酎がありますが,日本にいたときから焼酎は飲まなかったので,今でも原料が麦なのか蕎麦なのか芋なのかもよくわからない。
ワインも,値段と聞かないとおいしいかまずいか自信をもって言えない。さすがに1000円のワインと3000円のワインはだいたいわかりますが,3000円と3万円の違いはこころもとない。
じゃ日本酒はわかるのか?と言われると,こっちも怪しい。樽酒や吟醸酒はさすがにわかります。しかし,銘柄による微妙な違いはよくわからない。
15年ほど前,越乃寒梅がプレミアつきで1万円していたとき,人からもらったといってふるまってもらいましたが,まったくおいしいと思わなかった。これなら3000円クラスの吟醸酒のほうがよっぽどましだと思ったものです。
というわけで,酒の中で唯一味について自信があるのはウイスキーぐらいのものです。特に,タイでマッカランカスクストレングスに出会ってからは,スコッチに関心をもつようになりました。
さて,大阪で以前バーを開いていた知り合いと,あるスコッチの店を訪れました。場所は十三(じゅうそう)。ネットで見つけた店で,ご主人は相当にこだわりがあるらしい。
「こんばんは」
ドアを開けると,それほど広くないカウンターに客はいない。
「いらっしゃい」
中年のご主人が,こちらを探るような目で迎えます。
後ろの棚にはずらりとスコッチらしき瓶が並んでいます。しかし,ラベルの貼っていない瓶も多い。左のほうに目を走らせると,マッカランやグレンフィディックなどの見慣れたシングルモルトがあります。
「あ,ラフロイグとかボウモアもありますね」
「アイラ系がお好みですか?」とご主人。
「いや,知ってるのを言ってみただけです。好きといえば,マッカランかな」
「ありますよ」
左の棚から12年と18年を取り出してわれわれの目の前に並べます。
「ま,どんなにまずいか知ってもらうっていう意味で,お出しすることはありますが…」
(!!!)
どうも,左の棚にあるのは参考に置いている酒で,お勧めのものは正面の棚にあるものらしい。
「マッカランなら,こっちをお勧めしたいですね。ぜんぜん違いますから」
と正面の棚から一本取り出す。
「いくらなんですか」
「一杯3500円です」
(…)
値段に当惑しているわれわれを見て
「ハーフもできますよ」
「じゃ,ハーフで」
脚のついたグラスは,ワイングラスより小振りで上のほうが少しすぼんだチューリップグラス。スコッチを楽しむための専用のグラスだそうです。
これに半分ほどつがれた,やや色の薄い液体を口に含むと,芳醇な香が口に広がります。私のお気に入りの樽だしカスクストレングスと同じか,それ以上の芳香です。
「瓶が変わってますね」
「ああ,これは品評会用なんです。瓶は同じですが中身は全部違います」
素人に対して,親切に説明してくれます。どうやら,品評会やオークションで特別に仕入れた酒を中心に出しているらしい。ご主人も,店の左側に備えられた小樽から直接注いだスコッチを飲むうち,ご主人の舌も滑らかに。
もともと釣りのライターだったこと。専属の雑誌がつぶれて,好きだったスコッチ専門のバーを開いたのが6年前であること。品評会で,今の奥さんに出会ったこと…。
ご主人の数奇な半生がしだいに明らかになります。
「ここはスコッチの香りを楽しむ店なので,香水をつけた方はお断りなんです」
つまみも塩豆だけしかなく,お腹が空いている人は持ち込み可。
そして飲み方はストレートか水割りのみ。オンザロックは禁止。
「水割りはいいんですか」
「ええ,二倍までなら香が失われませんから。ただ,氷を入れちゃうと香が死んじゃいますからね」
これまで,オンザロックまでは許せるけど,水割りはダメなのだとばかり思っていました。
「ところでここで一番高い酒は何なんですか?」
「こちらです。グレンリベットの35年。一杯,3万円です」
「へえ,よっぽど旨いんでしょうね」
「まあまあですね。世界で14本しか瓶詰めされなかったので,一本21万円の値がつきましたが,正直言うとこれより安くて味は上の酒もあります」
「どんな人が飲むんですか?」
「某一部上場企業の社長さんが召し上がりました」
どの酒も一杯の値段がかなり高いので,そう無闇に飲むわけに行きませんが,ご主人の話も面白いし,大阪出張の楽しみがこれで一つ増えました。
今はゆっくり飲むことを心がけています。すると味の違いがなんとなくわかるようになった気がします。
韓国に行って,はやいだけじゃなく大量に飲むようになった気がします。
少量をゆっくり,が味わうこつかも。
自分もスコッチでオンザロックしたが、今回の話は
些か驚きをもって読みました。
もっぱら激安品ばかり飲んでいましたから、ロックでも
変わらないのでしょうけど、、w
今度は是非、免税店でお勧めのカスクストレングスを探してみます。
これまで私はネットで2回,台湾の免税店で一回買いました。
そのほかの国の免税店でもいつも探しますが,ありません(台湾も二回目に行ったときはありませんでした)。
ロンドンならいつもあるのかもしれません。
ネットでは,最初に買ったときは4500円,次は5000円を越えていたと思います。
今探すと,1万円以上の値がついていますね。
最安値はコチラ↓
http://www.sake-kawachi.com/item/275.html
1リットル瓶ですからお買い得だと思います。
有難う御座います
最近日本のチェーン店で初めてチャミスル飲みました
真露だったのですね 真露チャミスルというネーミングという事を知りました。以前から不思議に思っていたのは、韓国に旅行に行ったとき飲んだ韓国焼酎は甘みがあって結構いけたのですが、日本で飲むと無味無臭なのです。 調べてヤット判りました
韓国焼酎は甲類でしかも木炭で何度も濾過してあるので無味無臭の純粋なアルコールなんですね。 これでは味が無いので糖を添加してある。それもかなり
で、日本にそのまま輸入すると、酒税法の区分でリキュールとなってしまい、焼酎と表示できなくなるので
糖を抜いてあるようですね。 どっちにせよチャミスルって合成酒と同じですね。
でも、甘くて個性が無いので辛い韓国料理とは相性が良さそうです。
安い居酒屋の飲み放題コースは韓国焼酎が出てくるので私はやはり芋焼酎がいいな・・・・・
コメントありがとうございます。
>日本にそのまま輸入すると、酒税法の区分でリキュールとなってしまい、焼酎と表示できなくなるので糖を抜いてある
私は「日本で輸入禁止の合成甘味料(チクロとかサッカリンとか)が入っているから」という噂を信じていました。
これで,輸入物の味の違いの謎が解けました。
焼肉店に行くとジンロとはなっていますが、普段呑んでいるJINROとは、味が違って・・甘い!
鏡月も甘いですよね~
彼の国では糖分が添加されていたのですね~
謎が解けました。
★訂正のよぅな~おことわりのような~★
「さるp」と「ちゃこp」は同一人物ですw
今後は「さるp」で投稿させていただきます~
食と酒は,このブログの永遠のテーマです。
これからもコメントをお願いします。