以前、韓国のりは韓国土産の定番でした。最近は日本のスーパーで売ってるらしい。それで、一時帰国の土産に苦労する。
「何か買ってくもんある?」
「そうねえ。じゃ,イカの塩辛。あの辛いやつ」
「ああ、あれ。空港にあるよね」
「免税店じゃなくて,外の店のほうが安いよ。5000ウォンぐらいで売ってるはず。新世界があるでしょ」
「わかった」
インチョン空港で搭乗手続を終えたあと,お店があるほうへ歩いていくと,新世界百貨店の隣にも別の店があった。エギョン 애경 百貨店。
「エギョン? 愛敬? 聞いたことないな。新世界より安そうだな。愛敬がいいかもしれないし,こっちにしよう」
エギョン百貨店の中の宗家(チョンガ)チプの売り場で塩辛を聞くと,
「こちらです」と,明太子をさす。
「いや,ミョンテ 명태 じゃなくて,オジンオ 오징어 です」
「ミョンテのほうがおいしいですよ。」
「オジンオが欲しいんです。」(キッパリ)
「オジンオはうちでは扱ってないので,そちらへ行ってください」
といって隣の「一億兆」をさす。(なら最初からそう言えよ)
「イカの塩辛ですね。こちらです」
1万200ウォン…。高いかも……。
「ちょっと高くないですか。値上がりしました?」
「いえ,うちは2年前からこの値段です」
(ま,いいか。一億兆といえば聞いたことのあるブランドだし。しかし,一億兆って数学的におかしいな)
計算(=お勘定)をすませ,何気なく見ると向かいに「農協」の文字が。
(もしや…)
アイゴー!(あ~あ!)。こっちは7000ウォンだ。しかも250グラム(一億兆は200グラム)。どうせ子どもが食べるんだから,こっちでよかったのに……。
出国手続きの前に,いちおう新世界も見るかと,よせばいいのに,寄ってみました。
アイゴー,ネッパルチャ(八字)ヤ!!
(ああ,私の運命っていったい=何ということだ!!)
300グラム6000ウォン!! やっぱり妻は正しかった。
未練がましく塩辛パックを矯めつ眇めつ眺めていると,決して愛敬の悪くはないお店のアジュンマが話しかけてくる。
「塩辛ですか」
「いや,もう買っちゃったんですよ,あっちで。一億兆のやつ…。」
「ああ,そうですか……。でも,一億兆さんのは高いぶんだけおいしいでょう。市内では売っていないし」
(そうなんだ,一億兆は空港専門なんだ。)
「でも,ずいぶん値段が違うなあ」
「まあ,空港は空港税がかかるから,市内より20%ほど高いですけれど」
(えっ,市内はこれより安いの!!)
というわけで,一万二百ウォンの一億兆を手に,肩を落として韓国を出国したのでした。
教訓
その一。唐辛子入りイカの塩辛は市内で買うべし。
その二。愛敬に騙されてはいけない。
その三。妻には無条件に従うべし。
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