滞韓１０年

ついに１０年が経ってしまいました。

喜ぶべきか，悲しむべきか。
「こんなはずじゃなかった」と書けば後悔しているようですが，けっして後悔はしていません。
でもやっぱり，こんなはずじゃなかったんですね。

赴任命令が出たとき，「まあ，３年ぐらいと思っておいてください」と言われました。

「あと３年」

この言葉を何度聞いたことか。

ある商社の石油担当の人が言っていましたが，石油の埋蔵量は３０年前から「あと３０年」だった。今も「あと３０年」だそうですね。
私の場合も，１０年前から毎年毎年「あと３年」でした。さすがにここ１，２年は，「あと２年」，「あと１年」などと言われてますが，いまだ具体的な帰国日程は決まっていない。「あと１年」があと１０年ぐらい続いたりしてね。

じゃ日本帰国を心待ちにしていたかというと，そんなことはぜんぜんない。失われた１０年の日本よりは韓国がましだったし，言葉もできるようになったからそれなりに韓国ライフをエンジョイできたし。

「ま，当分は韓国でいいか」と思ううち，気がついたら１０年だったわけです。

思いがけずに人生の４分の１近くを異国で過ごすことになりました。韓国のこの１０年は，べつに激動の１０年というほどのこともありませんが，ＩＭＦ危機だとかワールドカップだとか，それなりにいろいろありました。
今となっては霞がかかっている記憶もありますが，ちょっとした懐古趣味にふける瞬間も増えてきて，このささやかな異国体験を記録に残しておこうかと，このたびこのブログを立ち上げることにあいなりました。

さていつまで続くことやら。