安倍首相の靖国参拝で、日中韓の関係が険悪になっている、という話ではありません。
三国(サンゴク)ではなく三国(サンコク)、三省堂国語辞典の話です。
1月10日、三省堂国語辞典(通称三国)の第7版が出たので、早速買いました。
三国は「辞書は鏡」を標榜する辞書(→リンク)で、新しい語・用法を逸早く辞書の項目に立てることに命をかけています。編集主幹見坊豪紀は故人ですが、その編集方針は、第6版、第7版と版を改めても、なお受け継がれています。
第7版は、帯の文句によれば、最新の日本語が4000語追加されたとのことです。
たとえば、2008年発行の第6版にはスマートフォンが載っていませんが、第7版にはスマートフォンもスマホもある。
自炊は、6版では「自分で自分の食事を作ること」という普通の意味しかありませんでしたが、7版では
[俗]出版された本を、自分で電子化すること
という現代的な意味が載るようになり、私の予言が当たりました(→リンク)。
最近の若者がよく使う「普通に」という表現は、すでに第6版に立項されていましたが、第7版ではさらに用例が豊富になっています。
第6版
ふつう⑤[俗](「-に」の形で)aごく自然に考えて。わりあいに。「-においしい」 b当然(であるかのように)「ぼくも-に独身です」
第7版
ふつう⑤[俗](「-に」の形で)aべつに変なところがなく。とても。「あの人、-に歌うまいよね」「このアイス、わたし的には-においしい」 b当然(であるかのように)。「あんなこと言われたら-におこる」「おれが言ったことを、なに-に忘れてるんだ?」
さらに7版ではごていねいに[⑤は、二十一世紀になって広まった言い方]と、いつから使われているかまで明記されています。
「やばい」については、すでに第六版で肯定的用法が載っていました(→リンク)が、さらに用例が追加され、使い始めの時期も明示されました。
やばい ③すばらしい。むちゅうになりそうであぶない。「今度の新車は-」 ④[程度が]大きい。「教科書の量が-」「-[=すごく]おいしい」[③は1980年代から例があり、二十一世紀になって広まった言い方。④はそのあとに広まった]
三国の第7版、しばらくのあいだ、むちゅうになりそうであぶないです。
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