犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

インドネシア人とリアル飲み会

2020-05-07 23:07:56 | 飲む
 LINE飲み会で、韓国料理の食材をたくさん買い込み、一人では消費しきれないので、私の家に知り合いを招いて、家飲みすることにしました。

 インドネシア人(元、私のインドネシア語のR先生)と日本人に声を掛けましたが、日本人のほうは体調不良ということで、R先生が別の友人を誘うことに。

「犬鍋さん、Nさんが来られるそうですよ」

「Nさん?」

「犬鍋さんの友だちじゃないですか」

「ああ、Nさんか。でもインドネシアに帰ったんじゃないの」


 Nさんというのは、以前インドネシア料理屋さんで知り合って、その後1回食事をしたことがあるインドネシア人の男性です(リンク)。

「今、日本にいるそうです」

「そうなんだ」

「あと、もう一人、私の友だちを連れてってもいいですか?」


(全部で4人か、密集になっちゃうな。ま、窓を開けとけばいいか)

「いいよ。でも、椅子が足りないから、1人はアイロン台に座ることになる」

「ハハハ。いちばん体重の軽い人にしましょう」


 全員インドネシア人で、Nさんはムスリム、Mさん(女性)はカトリック、R先生は元ムスリムだけど今は無宗教。

 ムスリムは、戒律で、豚肉と酒が禁じられています。

 その日、私が用意した韓国料理は、サムギョプサルとプデチゲ(部隊鍋)とチャプチェ(春雨のいためもの)。サムギョプサルは豚肉だし、プデチゲにもSPAMが入っていますから、Nさんは食べられない。それで、彼のためには別に鶏の手羽先を用意しました。

 集まったのは5時過ぎ。

犬「まだ明るいから、始められないね。今、ラマダン(断食の期間)でしょう?」

 ラマダンの期間は、日の出から日没まで、食べ物も飲み物も摂取しない、断食をおこないます。ラマダンは太陰暦にしたがい、毎年少しずつ時期がずれていきます。赤道付近のインドネシアは、一年のどの時期でも昼と夜の時間があまり変わりませんが、日本のような高緯度地域(?)では、昼が長い季節にラマダンがぶつかると、断食の時間も長くなり、辛い、という話を聞いたことがあります。

R「Nさんは、断食してないんですよ」

N「コロナだから、断食しなくていいって、国から正式に発表があったんです」

犬「レバラン休暇も延期になったんだよね」


 レバランというのは、ラマダンの後のイスラム教のお祭りで、連休になり、多くの人が帰省します。

N「たしか9月だったかな」

M「7月じゃない?」

R「ハハハ、みんな日本にいるからわからないんだ」


 Nさんは、アルコールは一切ダメなので、持参したオレンジジュースを飲んでいます。

 カトリックのMさんと、ムスリムをやめたR先生は、酒も豚もOK。ビール、ワイン、チャミスル(韓国焼酎)などを次々に空けます。

犬「Nさんは、インドネシアに帰ったと思ってた」

N「はい、一度帰りました。でも、今年の2月にまた来たんです」

R「特別技能実習生だって」


 R先生は、技能実習生の日本側の受け入れ期間で働いているので、このあたりの事情には詳しい。

犬「前と同じ職種?」

N「会社も同じです」


 大阪にある、自動車の部品工場だそうです。

犬「まじめだから、気に入られたんだね」


 料理もあらかたなくなり、そろそろお開きに。

R「韓国料理、おいしかったです!」

犬「今度はハラル料理に挑戦してみようかな」

N「よろしくお願いします!」


 緊急事態宣言下、やや不安もありましたが、とても楽しい家飲みでした。
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