写真:前日の結婚式場の準備風景
結婚式は1月4日です。
その前日、結婚式場の様子を見に行きました。
キアンガンには結婚式場というようなものはありません。また、今回の結婚式は、この地方の伝統的な結婚式なので、教会を使うわけでもない。
D(三女の夫)の母方のお祖母さんの家の隣にある、小学校のバスケットボール場(屋根付きだが、吹き抜け)を借りたそうです。
年末から現地入りしている娘夫婦は、数日前から、式場の準備の様子を見守っていました。
「昨日は、会場設営の職人たちがみなお酒を飲んでいて、作業がぜんぜん進んでいなかったよ」
「間に合うの?」
「わからない」
準備を取り仕切るのは、Dのお母さんとお祖母さん。二人も気を揉んでいる様子です。
実際、式場に行ってみると、装飾はおろか、舞台の設営も行われておらず、芝居の大道具のようなものを、数人の職人がトンカントンカン、釘を打ちつけながら作っていました。
「今まで、何してたんだろう」
「料理場を作ってたんだよ」
「料理場?」
牛や豚を解体し、それをいくつもの大鍋で煮るためには、そのための料理場が必要。式場の裏側にある掘っ立て小屋のようなものが、料理場だということです。
「3週間ぐらい前から、料理のための薪を作ってたらしい。木を伐って、薪の大きさに割って、それを乾かすの。乾かさないと、燃えないでしょう?」
この時期の気候は、午前中は晴れて、午後は雨。それが毎日続くそうですから、生木を乾かすのに時間がかかるのでしょう。
「これから牛を解体するんだって。見る?」
実は、伝統的な結婚式というのは、ここ数十年、行われたことがなくて、物珍しさもあって、村人たちのほとんどが見物に来るらしい。その人たちに食事をふるまうために、牛1頭、豚7頭をつぶすんだそうです。
牛は1頭15万円、豚は6万円で、計約60万円。これが結婚式の費用の半分以上を占めるということです。
食器もすべて手作り。コップは竹で、皿はバナナの木の茎(?)で作ります。
※ 少し下に、牛・豚の死体写真があるので注意!
私たちが行ったとき、牛はすでに殺されていて、頸動脈を切って血を取り出し、皮を剝ぐために体全体をバーナーで焼いているところでした。
豚が到着するのは午後。
これを解体し、夜通し、大鍋で煮るんだそうです。
肉だけでなく、野菜料理も、スープも用意するというから大変です。
ほんとうに間に合うのかどうか、心配。
「明日の結婚式は、何時に始まるの?」
「9時からの予定だけど、たぶん遅れると思う。フィリピンだから」
「…」
Dとお母さん、お祖母さんは、徹夜するということです。
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