犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

親切なタクシー運転手さん

2007-05-14 00:07:00 | 日々の暮らし(韓国~2007.7)
 先週、ちょっと気分のいいことがありました。

 夜,すでに私が会社を出たあと,あるタクシー運転手から会社に電話が入ったそうです。車内で会社のカードキーを拾ったのだが,カードに社名と電話番号があったので電話してみたと。

 実は私,その日自分のキーが見当たらなかった。てっきり家に置き忘れたんだろうと思って,家に帰ってから探したがない。

 犯人は私でした。

 前日,新世界デパートまで歩いて行き買い物をしたあと,行きつけの明洞のバーで軽くビールを飲んで帰ろうと思ったのですが,結局そのまま漢南洞のダーツバーに行ってしまった。そのときに乗ったタクシーか,最後に家に帰るときに乗ったタクシーか,どちらかで財布を出すひょうしにカードキーを落としてしまったらしい。

 親切にもタクシーの運転手さんが保管して,連絡してくれたわけです。

 しかし,どうやって受け取ったらいいのか。カードキーの登録を変更すれば回収しなくてもいいんですが,そのためには社員全員のカードキーを登録し直さなければならないので面倒くさい。タクシーにわざわざ来てもらうのも申し訳ない。高額なものじゃないのでたくさん謝礼を払うわけにもいかないし。

 結局,会社付近を通りかかることがあったら,そのときに届けてもらうことにして,近くの薬局で栄養ドリンクを一箱買いお礼のかわりにすることにしました。

 10年ほど前,私はタクシーの中で財布を拾ったことがあります。中身も見ずに運転手に預けて降りました。当然の行動だと思ったのですが,その話を韓国人職員にすると,

「ああ,かわいそうに。財布は間違いなく運転手が着服する。そういうときは持ち帰って警察に届けなくちゃ。タクシーやバスの運転手はどろぼうと同じだからね」

と言われ,愕然としました。タクシー運転手,バスの運転手はまったく信用されていませんでした。

 そういうことがあったので,その後,バスの中で携帯電話を拾ったときは,運転手には預けずに会社に持ち帰りました。携帯がまだ高額だった時代です。
 しばらくすると持ち主からその携帯に電話がかかり,菓子折りをもってとりに来た。無事に持ち主の手元に戻りました。

 でも,バスの運転手にしろ,タクシーの運転手にしろ,そんな悪人ばかりじゃあるまいに,と思ったものです。

 はからずも今回,韓国にも親切な運転手さんがいるのだということが確認できました。

「ノム コマウォヨ(どうもありがとう)。これ,おいしいかどうかわかりませんけど,体にはいいと思います。疲れたときに召し上がってください」
(紅人参エキス入り栄養ドリンクを差し出す)

「いや~,そんなことしてくれなくてもいいのに」

 乗ったときは後ろ姿しか見ていないし,酒に酔っていたので顔を覚えていませんでしたが,あらためて見ると,とても人の良さそうな若いアジョシ。笑顔が印象的でした。

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