犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

独島~日本人は乗車拒否

2006-12-09 07:52:13 | 思い出

 わが家の家族はほとんど動物愛護団体会員みたいに,犬食を目の仇にしているのですが,次女のみ進取の気性を持ち合わせています。

 昨年の春,家族が私を残して帰国したあと,春休みに次女が一人で韓国に遊びに来た。受験で先行帰国していたため,ゆっくり友だちに惜別のあいさつができなかったからだと。

 そのとき,
「韓国に9年も住んでいて犬を食べなかったのは心残りだ」
と殊勝なことを言うものだから,連れていってやることにしたんですね。

 折しも,竹島について,日本の高官が妄言を吐いたとかで,反日機運が高まっていた。

 家からタクシーに乗って,行き先を告げ,まあ,父娘,話すこともあまりないので,かなり経ってから二言三言,日本語で会話した。それを聞きつけたタクシーの運転手。

「日本人だと知っていたら,乗せなかったものを」

 私はムカッとして,その場で降りようかとも思ったのですが,もうすぐ着きそうだったこともあり,我慢しました。

 竹島問題だったか,歴史教科書問題のときのことだったか,産経の黒田さんが,「日本人客お断り」のステッカーを貼っているタクシーのことを記事にしていたのを思い出しました。

「確かにそういうタクシーはいるが,たいてい日本人が訪れるはずもない片田舎のタクシーだ」

というような内容。

 今回のソウルのタクシーも言ってみただけで,実際にはたぶん拒否はしないんですよ。背に腹は換えられないから。

 でも,その日は胸くそ悪くて,せっかくの補身湯が台無しでした。10年間で唯一,日本人であるが故に不快な思いをした体験でした。


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