犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

奇遇の連続

2020-08-27 23:50:18 | 飲む
 ある飲み屋で、となりにいたお客さんと意気投合しました。

 この方は、今は、日本国内の出張が多いらしいのですが、以前は東アジア、東南アジアに頻繁に海外出張していたらしいのです。韓国やベトナムにも行ったそうですが、いちばん好きなのがタイ。バンコクにしばらく住んでいたんだそうです。

犬鍋「スクンビットですか?」

客「よくご存じですね!」


犬「住んだことはありませんが、今まで、30回ぐらい出張に行ったんです。よく、ソイ24(24番通り)にあるホテルに泊まりました」


客「私はもっと若い番号の地区を徘徊してました」


犬「タイ料理は好きですか」


客「大好きです。特にイサーン料理が。イサーンにも何回か行きました」


 
イサーンというのは、タイの東北部です。

犬「うらやましいな。ぼくはバンコクばっかりです。ミャンマーに足を伸ばしたことはありますが」


客「ミャンマー! 私も行きましたよ。シュエタゴンパヤー(シュエタゴン寺院)とか」


犬「奇遇ですね!」


 さらに奇遇なことに、出身が東京の大田区で私といっしょ。よく多摩川の巨人軍グラウンドに行ったということまで同じでした。

犬「大阪にはよくいらっしゃるんですか」


客「実は3日後も大阪に1泊します」


犬「そうですか。じゃあ、タイ料理をご一緒しませんか? この近くにイサーン料理のおいしい店があるんです」


客「喜んで!」

 3日後、私は夜8時からロシア語のレッスンがあったのですが、それが終わったあと、9時過ぎにイサーン料理の店で再会しました。

 ビヤシン(シンハービール)にヤムウンセン(春雨の激辛サラダ)、イサーン風スペアリブの煮込みを注文。


客「あっ、これおいしいんですよ。イサーンのネーム(ソーセージ)です」


犬「じゃあ、それも注文しましょう」


客「久しぶりに食べます」


犬「この店、本場の味に近いでしょう」


客「いいお店を紹介してくれてありがとうございます」


 コロナの影響で早仕舞いするというので、二次会にやはり行きつけのカウンターバーに誘いました。

客「この前お会いしたバーは、高かったですね」


犬「あそこはママが飲むからね。私は8000円とられました」


客「私は1万円以上でした!」


犬「この店はリーズナブルですよ。チャージもないし」


 入って数分後、

客「ビアリッツって、もしかして…」


 
ビアリッツというのは、このカウンタ―バーの名前です。

客「スペインの、あの街ですか?」


犬「いや、フランスだと思います」


客「そうそう、フランスだ。スペインの国境近くですよね。私はスペインから行ったものですから」


犬「行ったことあるんですか!」


 
アジア専門と思っていたら、ヨーロッパもいろいろ行っているようです。

客「前の会社を辞めた後、2か月ぐらい世界を放浪していたんです」

犬「この店のママ、いつか行きたいと言って、店の名前につけたんだけど、まだ行けてないって」


 
ママに聞くと、ビアリッツに行ったことのあるお客さんは2人目だそうです。

客「かさねがさね奇遇ですね」


 話していると、もっと奇遇なことが続出しそうで、怖いぐらいです。

 日付が変わるころ、次の再会を期してお開きに。またの大阪出張時、お声がけいただくことになりました。
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