忘年会のシーズンを迎え、コメンテイターのスンドゥブさんから、珍しい肉料理を食べさせる渋谷のお店にお誘いいただきました。
事前にネットでチェックすると、鰐、駱駝、胡獱(トド)などという超弩級の獣肉がメニューに並んでいる。期待はいや増しに高まります。
渋谷は、中学・高校時代の通学路だったので、庭みたいなものでしたが、それは30年前の話。最近は仕事上の縁がないので滅多に行きません。久しぶりの道玄坂は、昔とは様変わりしていました。
朝はみぞれまじりでしたが、雨は夜には上がりました。店は、道玄坂をずっと上がっていった、円山町にあります。
ドアを押して中に入ると、カウンター中心の小ぎれいなお店。思い出横町のゲテモノ屋の雰囲気を予想していた私としては意外でした。カウンターの奥にはテーブル席もありましたが、われわれは二人だったのでカウンターに座りました。
厨房では男性と女性が一人ずつ。
「駱駝とトドを食べにきたんですよ」
「そうなんですか。残念ですけれど、今はやってないんですよ」
「えっ!!!」
聞けば、何カ月か前にリューアルして、獣の肉の種類を減らしたらしい。ネットでみた記事(コメント)は少し前のものだったようです。
とりあえずビールを飲みながら、メニューを検討する。
まずは、アリゲーターのアヒージョ。マッシュルームやタマネギ、ピーマンなどの野菜とワニ肉の煮込み料理。
ワニは昔、西新宿の「ローズドサハラ」で食べたことがありますが、白っぽくて癖のない肉です。爬虫類なのに、ちょっと歯ごたえのある鶏肉の感じ。美味です。
次に頼んだのがダチョウのバルサミコ酢のソース。
ダチョウは初体験です。ソウルで事務所の近くにダチョウ料理の店があったのですが、高額コース料理しかなかったので敬遠していました。今回の料理はダチョウの肉塊をローストして、真ん中がレア状態でいただくもの。肉を噛みしめると独特の香りがある。今までに経験したことのない味わいです。
ビールがなくなったので、赤ワインのボトルを注文。
もう一品、店でいちばん人気という鶏レバーの燻製をたのむ。これはチーズのような濃厚な味わいで、個人的にはいちばんおいしかった。ワインにも合います。
最後はカンガルーのミートソースパスタでしめます。オーストラリアで食べたカンガルーのカルパッチョは、野趣あふれるゲーミーな味でしたが、ミートソースにしちゃうとカンガルー臭さが飛んで、食べやすい、というか平凡ですね。
話を聞くと、トドは相当に臭くて、頼む人が少ないので最近は仕入れていないとのこと。ラクダのほうは、予約すれば賞味可能だということです。
今回食べたのは、結局、鰐、駝鳥、鶏肝、カンガルー。
今の店の方針は、「ゲテモノ」で売るというより、珍しい素材を使った創作料理という路線のようです。
ワインのボトルを注文して、一人4000円以下というのはリーズナブルといえるでしょう。
ボーナスも出たことだし、渋谷からタクシーで新大久保に向かい、つい最近発見した韓国カウンターバーで二次会。陽気なアガシとマッカラン12年で、心地よく盛り上がりました。
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私の知らない店の情報を二つ仕入れたので、年内に行ってみようと思います。