写真:三一節に合わせてオープンした大韓民国臨時政府記念館
大統領選挙を一週間後に控え、ウクライナでは戦争が勃発し、韓国ではコロナの感染爆発が収まらない中、三一節の記念式典で、文在寅大統領が演説しました。
三・一節記念式典 文大統領演説全文
こんな状況ですから、一国の大統領が演説なんかしている場合じゃない。文大統領も本当ならキャンセルしたかったんじゃないでしょうか。
でも、反日大統領として、反日記念日の重要演説をキャンセルするわけにないきませんね。
今年の三一節記念式典は、ソウル西大門区にまさにこの日オープンした、大韓民国臨時政府記念館で行われました。
この記念館は、文大統領が就任した2017年の光復節(8月15日)に建設を約束したものだそうです。場所は西大門独立公園の向かい。
当ブログでたびたび指摘しているように、独立公園やそこにある独立門は、韓国の日本からの独立とは関係ありません。日清戦争後に清から独立したことを意味しています。(リンク)
昨年末、独立公園に独立運動のデモに参加した柳寛順烈士の銅像が建立されました(リンク)。実はこの銅像は、柳寛順烈士記念事業会が西大門刑務所と独立門の間に設置しようとしていたものでしたが、文化財庁が「独立門と柳寛順の独立運動は、独立の意味が違うから」というまっとうな理由で、設置を不許可。事業会はそれを不服として行政裁判を起こしましたが、今年の1月、敗訴しました。しかし事業会は、不許可決定を無視して、独立公園の別の場所に柳寛順像の設置を強行したんですね。
法治国家と思えない所業ですが、「反日無罪」なんでしょう。
文大統領は、演説の最初に、臨時政府記念館建立に尽力した人たちに謝辞を述べます。臨時政府記念事業会、記念館建立委員会については、会長の個人名を挙げて謝意を表しました。ところが、光復会に関しては団体名のみで会長名がない。
実は、光復会の金元雄(キム・ウォンウン) 会長は、光復会が国会で運営するカフェの収益金を私的用途(風俗営業への支払いを含む)に使ったと告発されて、つい最近(2月16日)に会長を辞任したからです(リンク)。
演説の中で文大統領は、任期中の五年間に2,243人の独立有功者を発掘し、褒賞したと自慢気に述べていますが、光復会は、独立有功者とその子孫の団体。独立有功者の発掘だけでなく、「親日派」も精力的に摘発してきた反日団体でした。
文大統領は、韓国がこの100年間、いかに発展してきたかを述べますが、開発独裁で韓国近代化を推し進めた朴正煕大統領の功績にはまったく触れず、逆に朴政権下で起きた、釜山・馬山の民主化抗争、全斗煥政権下の光州事件、朴槿恵を追い落としたろうそく革命だけをつなげて100年を回顧します。そして韓国最初の民主政権は、盧泰愚でもなく、金泳三でもなく、金大中なんだというから驚きです。
一年前の三一節演説は、コロナに打ち勝ったK防疫の自慢一色でした(リンク)が、今年は、
「国民の成熟した市民意識は、コロナのトンネルを抜け出すための一等功臣でした。防疫の成果をもとに、昨年、わが国の経済は4%の成長率を達成し、…」
と、これだけです。それもそのはず、文大統領が演説を行ったその日、韓国のコロナ新規感染者数は21万9241人を記録し、一日の新規感染者数で世界最多となりました。ところが、演説にはK防疫失敗についての反省はどこにもありません。
今最大の世界的ニュースがロシアによるウクライナ侵攻ですが、これについても、「力で覇権を握ろうとする自国中心主義もまた首をもたげています。新冷戦の懸念も大きくなっています」とほのめかすのみ。ロシア制裁に加わろうかどうしようかと日和見をしている韓国の立場がよく表れています。
文大統領が最も力を入れ、何の成果も出せなかったのが、南北関係改善。
わが政府は、発足当時の北核危機の中で劇的な対話を通じて平和を成し遂げることができました。しかし、われわれの平和は脆弱です。対話が途絶えたからです。平和を持続させるための対話の努力を、続けなければなりません。戦争の暗雲の中で、平昌冬季オリンピックを平和オリンピックにすることを夢見たように、私たちが意志を失わなければ、対話と外交を通じて韓半島の非核化と恒久平和を必ず成し遂げることができます。
北朝鮮は、最近、ミサイルを撃ちまくっていて、三一節の2日前にも弾道ミサイルを発射しました。文大統領が熱心だった「終戦宣言」にもそっぽを向いています。
文政権が一貫していたのが反日政策でした。この演説でも、最後のほうで簡単に「日本は歴史を直視し、歴史の前で謙虚でなければなりません」と述べました。対日姿勢の変化はまったく見られません。
文政権の目下最大の関心事は、対日改善でも、コロナ収束でも、ロシアの侵略でもなく、退任後、自分が収監されないことです。
大統領選挙は、李在明が勝つか、尹錫悦が勝つか、まったく読めませんが、最新の世論調査では、就任後に文政権に対する追及を明言している尹錫悦がややリードしているという報道もあります。
文大統領は、眠れない夜が続きそうです。
大統領選挙を一週間後に控え、ウクライナでは戦争が勃発し、韓国ではコロナの感染爆発が収まらない中、三一節の記念式典で、文在寅大統領が演説しました。
三・一節記念式典 文大統領演説全文
こんな状況ですから、一国の大統領が演説なんかしている場合じゃない。文大統領も本当ならキャンセルしたかったんじゃないでしょうか。
でも、反日大統領として、反日記念日の重要演説をキャンセルするわけにないきませんね。
今年の三一節記念式典は、ソウル西大門区にまさにこの日オープンした、大韓民国臨時政府記念館で行われました。
この記念館は、文大統領が就任した2017年の光復節(8月15日)に建設を約束したものだそうです。場所は西大門独立公園の向かい。
当ブログでたびたび指摘しているように、独立公園やそこにある独立門は、韓国の日本からの独立とは関係ありません。日清戦争後に清から独立したことを意味しています。(リンク)
昨年末、独立公園に独立運動のデモに参加した柳寛順烈士の銅像が建立されました(リンク)。実はこの銅像は、柳寛順烈士記念事業会が西大門刑務所と独立門の間に設置しようとしていたものでしたが、文化財庁が「独立門と柳寛順の独立運動は、独立の意味が違うから」というまっとうな理由で、設置を不許可。事業会はそれを不服として行政裁判を起こしましたが、今年の1月、敗訴しました。しかし事業会は、不許可決定を無視して、独立公園の別の場所に柳寛順像の設置を強行したんですね。
法治国家と思えない所業ですが、「反日無罪」なんでしょう。
文大統領は、演説の最初に、臨時政府記念館建立に尽力した人たちに謝辞を述べます。臨時政府記念事業会、記念館建立委員会については、会長の個人名を挙げて謝意を表しました。ところが、光復会に関しては団体名のみで会長名がない。
実は、光復会の金元雄(キム・ウォンウン) 会長は、光復会が国会で運営するカフェの収益金を私的用途(風俗営業への支払いを含む)に使ったと告発されて、つい最近(2月16日)に会長を辞任したからです(リンク)。
演説の中で文大統領は、任期中の五年間に2,243人の独立有功者を発掘し、褒賞したと自慢気に述べていますが、光復会は、独立有功者とその子孫の団体。独立有功者の発掘だけでなく、「親日派」も精力的に摘発してきた反日団体でした。
文大統領は、韓国がこの100年間、いかに発展してきたかを述べますが、開発独裁で韓国近代化を推し進めた朴正煕大統領の功績にはまったく触れず、逆に朴政権下で起きた、釜山・馬山の民主化抗争、全斗煥政権下の光州事件、朴槿恵を追い落としたろうそく革命だけをつなげて100年を回顧します。そして韓国最初の民主政権は、盧泰愚でもなく、金泳三でもなく、金大中なんだというから驚きです。
一年前の三一節演説は、コロナに打ち勝ったK防疫の自慢一色でした(リンク)が、今年は、
「国民の成熟した市民意識は、コロナのトンネルを抜け出すための一等功臣でした。防疫の成果をもとに、昨年、わが国の経済は4%の成長率を達成し、…」
と、これだけです。それもそのはず、文大統領が演説を行ったその日、韓国のコロナ新規感染者数は21万9241人を記録し、一日の新規感染者数で世界最多となりました。ところが、演説にはK防疫失敗についての反省はどこにもありません。
今最大の世界的ニュースがロシアによるウクライナ侵攻ですが、これについても、「力で覇権を握ろうとする自国中心主義もまた首をもたげています。新冷戦の懸念も大きくなっています」とほのめかすのみ。ロシア制裁に加わろうかどうしようかと日和見をしている韓国の立場がよく表れています。
文大統領が最も力を入れ、何の成果も出せなかったのが、南北関係改善。
わが政府は、発足当時の北核危機の中で劇的な対話を通じて平和を成し遂げることができました。しかし、われわれの平和は脆弱です。対話が途絶えたからです。平和を持続させるための対話の努力を、続けなければなりません。戦争の暗雲の中で、平昌冬季オリンピックを平和オリンピックにすることを夢見たように、私たちが意志を失わなければ、対話と外交を通じて韓半島の非核化と恒久平和を必ず成し遂げることができます。
北朝鮮は、最近、ミサイルを撃ちまくっていて、三一節の2日前にも弾道ミサイルを発射しました。文大統領が熱心だった「終戦宣言」にもそっぽを向いています。
文政権が一貫していたのが反日政策でした。この演説でも、最後のほうで簡単に「日本は歴史を直視し、歴史の前で謙虚でなければなりません」と述べました。対日姿勢の変化はまったく見られません。
文政権の目下最大の関心事は、対日改善でも、コロナ収束でも、ロシアの侵略でもなく、退任後、自分が収監されないことです。
大統領選挙は、李在明が勝つか、尹錫悦が勝つか、まったく読めませんが、最新の世論調査では、就任後に文政権に対する追及を明言している尹錫悦がややリードしているという報道もあります。
文大統領は、眠れない夜が続きそうです。
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