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イタリア・ルネサンスの古都とバレエ「ロメオとジュリエット」




夫はこの週末までコモ湖に滞在したかったのだが、わたしはロイヤル・バレエの「ロメオとジュリエット」(Romeo and Juliet)、ジュリエット役Marianela Nunezの回を見るために飛んで帰ってきた。

先週末は現在ダンサーとしての一つのピークを迎えているであろうVadim Muntagirovがロメオ役の回を断腸の思いであきらめた。イタリアに残るか英国に帰ってバレエを見るか...結局はいい席を取ってあったにもかかわらずイタリアに残ることにしてあきらめた。
彼のロメオ、叙情的だろうなあ...Sarah Lambのジュリエットも見たかったなあ... と翌日までくよくよと引きずったのには我ながら驚いたほど。
イタリアの古都を、ロメオの面影を求めて彷徨いましたよ! (それは言い過ぎ)


さて、昨夜は当初のロメオ役だったReece Clarkeが負傷し、代役が...

Jacobo Tissi。

ボリショイのイタリア人ファースト・ソリストで、また美形を引っ張ってきたなあ! と感嘆した。

まだ23歳かそこらで、とても美しい姿形をしている。絵に描いたようなイタリア・ルネサンスの貴公子。
踊っていない時の動作が多少バタバタしていて、また剣舞の剣の使い方が「これじゃ一発で倒されるだろう」というくらい弱々しかったのが残念な印象はあったが、グラン・ジュテの美しさには驚愕した。

彼はミラノ・スカラ座でトレーニングを受けた後ボリショイに入団しており、わたしが先週イタリアの古都で追いかけたロメオの面影は彼だったのか! と(笑)。


それはそうと、Marianela Nunezのジュリエット、ほんとうにすばらしかった。
あの嫌味にならない愛らしいあどけなさ、照れてもじもじ、ヘラヘラする少女の仕草。なぜ愚かにも仮死状態を招く薬を飲んでしまったのかという説得力。完璧な技術。
マリアネラ、内面から光り輝き、周囲のものをも照らす、バレエの女王なのである。

ロメオのモンタギュー家と対立するキャピュレット家の甥、ティボルト役の平野亮一さんがすばらしかった!
平野さん、実際の人柄がとても良さそうなのだが、舞台の上では悪そうな役をやるとものすごく映える。 あのプロコフィエフの有名な「騎士の踊り」の時の凛々しさといったら! 美しい男性が立ち並ぶ中でも最も際立って美しかった。

おそらく、ロメオの親友マキューシオ役のMarcelino Sambéが英国のクリティックの絶賛をさらっていくだろうと思う。わたしももちろん賛成!


(写真は本文とはほとんど関係ないが、数日前に訪れたルネサンスの香り残るイタリア北部のベルガモ。旧市街が丘の上にあり、過去に思いを馳せるのにぴったりの場所。街の中心広場にある傭兵隊長コッレオーニに捧げられたロンバルディア・ルネサンスの薔薇色の礼拝堂も、内部のティエポロのフレスコもこの上なく美しかった)

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