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贋バーナム博物館




先日、ある方が、このブログは「博物館のよう」だと評して下さった。

社交上のお褒めの言葉も、頂ける時に味わって(木に登って)おかねばならない。


博物館...

このブログは、友人が発行していたメルマガ仕様の媒体に一定の制約を受けて書いていたコラムのスピンオフで、遠くはなれた友人に「今こんなこと考えてるけどどう思う?」と知らせるため始めたのだった。

やっつけのソフトオープニング状態で出発し、「ブルージュ・スタイル」という恥ずかしいタイトルネーミングもとりあえずの産物だった。

しばらくして落ち着いた時、スティーブン・ミルハウザーの「バーナム博物館」からタイトルをもらおうと思いついた。

それでずっとそう変更しようしようしようしよう...と思いながら、図々しすぎやしないか?とのためらいもあり、今もそのままブルージュ・スタイルになっているのである。ブルージュ・スタイル。いっそブルージュ博物館にすればよかっただろうか?しかしそれだったら「バーナム博物館」とあまりにも遠過ぎて、誰にも気づいてもらえないかもしれない...

他の候補は、やはりミルハウザーの作品から「ペニー・アーケイド」。
断っておくがわたしは特に、いや全然ミルハウザーファンではない。
館主の趣味で集めたキッチュなものをゴタゴタと展示しているちょっと恥ずかしい、ある意味「珍○館」(笑)ような感じと、ゲーセンとか移動遊園地などに宿っている種類の、安っぽいが数ミリだけ日常から離れたようなズレたような感じとを合わせたブログにしたかったので、ついタイトルを借りようかと思ってしまうだけだ。
あるいは奇妙なママのいる「喫茶モエ」

猥雑で美しく浅はかで怪しく愚かで、信頼が置けず、「われわれ人間が世界にどう説明を付けるか、知りたい」というわたしの人生のテーマ(笑)をベースとしながらさまざまなものをコレクションしつつ、本家バーナム博物館とは格が全然違うが、薔薇で飾り付けた超芸術トマソン展示会のようなブログ...


いつもの道とは違う道をたどったらこんなところに迷い込んでしまったとか
何を探しているかははっきり分からなかったが、ここで探し物を見つけてしまったとか

そういうものを展示できたらうれしい。

(毎日、検索キーワードに「チムチムニー」「デモッソの年」「鬼のパンツを洗う女」などというのが上がってくるのは本当にうれしいことなのである・笑)



と、2011年最後の記事もモエのナンセンスで。


...



今年もご訪問頂き、ありがとう存じました。
わざわざメールを書くという手順を踏んで下さった多くの方に特にお礼申し上げます。


どうぞよいお年をお迎え下さい。

2012年もよろしくお願いいたします。
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season's greetings







with love

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manchester et liverpool




わたしは幼児の頃、歌って踊れるエンターティナーだった。


Manchester et Liverpool...

マリー・ラフォレが歌う物悲しいメロディーを聞き覚えたことが、マンチェスターとリバプールとの初めての出会いだ。

まんちぇすたーえりっっばぷーる...地名だとも知らず。今でもこの曲は全編贋仏語で歌える。他に得意なのは由紀さおりの「手紙」だった。そう、マリー・ラフォレや由紀さおり系が幼児だったわたしの美学だったのだ。

大人はとても喜んでわたしを宝塚に入れよ、と言った。関西では、おもしろい子は吉本へやれ、歌と踊りの好きな子は宝塚にやれ、とアドバイスするのがデフォなのである(笑)。
わたし自身は舞妓さんになりたかったのだが。


あれから数十年。昨夜、闇の中に沈もうとするリバプールへ到着した。

あの歌の通り、すすけた、物悲しい、愛を求める北の街なのだろうか。



今朝はまず、TATE Liverpool の「不思議の国のアリス展」から出動する。
テイトがあり、世界遺産に指定されたウォーターフロントがあり、レンブラントやルーベンスを所蔵するギャラリーもあるなんて、もしかしたらリバプールはみすぼらしい街ではないのかも(笑)。無知と思い込みは世界を小さくするのである。


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英国と言えば...ヘンリー君








英国のスター、ヘンリー君の登場だ。


わたしが一番最初にヘンリー君を見かけたのは、もう25年ほども前、英国のホテルの廊下でだった。
ヘンリー君は掃除中だった。

わたしは、メイドさん達のチームがふざけて掃除機に目鼻を書き込んだのだと思い込み、高級ホテルの備品にあんないたずらをしてボスから注意されたりしないんだろうか、と心配して差し上げたものだ。

その頃の日本社会は、プロの仕事道具、業務用掃除機に目鼻、を許容する雰囲気ではなかったのだ。いや、想像もできない雰囲気だったのだ。
客さまがあのかわいい顔を見て「このホテルは掃除が遊び半分」などとお思いになられたら...という恐れがあった。たぶん(笑)。



先日、新しい掃除機を手にしたとき、同じ売り場にヘンリーが並んでいないか探した。ヘンリーは大規模安売り家電屋にはいなかった。そこに彼がいたならば、わたしはダイソンではなく彼をつれて帰ったかもしれない。


(写真は卓上掃除機。かわいいヤツです。)

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英国と言えば...(誰が殺したクック)ロビン








誰が殺したクックロビンを

それはわたし とスズメが言った

わたしの弓と矢羽で

わたしが殺した クックロビンを



パタリロを思い出す方と
パタリロがパロディにした「ポーの一族」を思い出す方と
それらの本歌であるマザーグースを思う方と
いらっしゃるだろう...
日本でも最も有名なマザーグースではないだろうか。



ブルージュの庭で一番多かったのはクロウタドリで、ここではダントツでロビン(コマドリ)だ。ロビン(コマドリ)は、「政府などから正式に制定されてはいないが一般に国鳥とされている」(ウィキ)のだそうだ。
ベルギーでは胸が赤いことから Roodborst(胸赤さん)と呼ばれている。チィーチィーというさえずりが愛らしく美しい。


今朝は、頭部が赤で黄色とグリーンの羽根が目も覚めんばかりに鮮やかなウッドペッカー(キツツキ)が庭に舞い降り、妙に恐竜っぽい動作で走り回る(恐竜が走り回るのは見たことがないと告白しなければならないだろう)のに魅入ってしまった。

キッチンから見る庭は、鳥が舞う能舞台のようだ。
明日は忘れず双眼鏡を買って来ようと思う。
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