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ai wei wei @royal academy of art




ロイヤル・アカデミーで開催中のアイ・ウェイウェイ展。

先日のジャコメッティとは方向性がまったく違う展覧会だ。

複雑なものごとをめちゃくちゃ単純にしてしまうのは気がひけるが、ジェコメッティの芸術が、芸術のための芸術なら、こちらは社会に対するカウンターとしての芸術か。

アイ・ウェイウェイは人類の記憶を巨大な虫ピンで留めようとしているのだろうか。


夏ごろニュースでも大きく取り上げられたすったもんだ、ウィキペディアのアイ・ウェイウェイの項によると

「英国王立芸術学院が、9月から12月にかけて、艾の作品の展覧会を催すため、艾はこの展覧会に参加するために、イギリスに6ヶ月の商用ビザを申請したが、イギリス当局は「犯罪歴を申告しなかった」として発給を認めず、20日間のビザしか認めなかった[37][38]。艾と、彼を支援している複数の人権団体は、「起訴されたことも、有罪判決を受けたこともない」と主張し、イギリスの対応を批判している[39]。この申請期間中の2015年10月に習近平国家主席がイギリスを訪問することから、イギリスがこれに配慮して人権問題よりも中国との貿易を優先させたとの見方もある[40]」

とある。

先週、公に「人権よりカネ」と優先順位をつけたキャメロン首相の言動と一致していて微苦笑ものだ。

今現在動いている社会の中で、最も活発で、最も注目されている芸術家の一人であり、「今」が次々に生起する作品のスピード感にクラクラさせられた。


また、何よりも収穫だったのは、普段から「現代アートはどれも苦手」と嫌がる娘が目を輝かせて「もう一回見に来たい!」と言ったことだ。

そうだ、わたしはジャコメッティ体験から、芸術に限っては自分が苦手だと思うもの、興味がないと感じるもの、そういうものをこそ見に行くべきではないのかと確信したのだった。

この世界には無数の世界があり、われわれは大部分のものから目を背け、ごくごくわずかなものしか見ていない(見えない)のだなあ、と。


(右上は、わたしと娘がめずらしく意見一致、一番感銘を受けた展示品「四川大地震」の死者名簿と、がれきを一本ずつまっすぐに鍛えなおした'Streight'
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U2@O2, innocence and experience tour




ご招待いただき、U2のInnocence + Experience Tour 2015へ。

U2に親しむの、何年ぶりだろう。一時は好きだった。
中東で生活していた頃、そりゃ学生の間で流行っていた。

湾岸戦争前夜のあの頃は、人類は未だ未熟だが、今後は経済的にも政治的にも世界はどんどん良くなるのだ! という雰囲気みたいなものがあった。
U2の怒りと悲しみの歌詞の裏側には、パンドラの箱のようにまだ希望が残っていたのだ。
だから若者に人気だったのだ。

そして2015年...

世界は良くなっているだろうか?
あるいは、「世界が良くなる」という状態は、「冷蔵庫が熱くなる」とか「モエの頭が良くなる」のような組み合わせの効かない言葉なのだろうか?


などと思いながら、相変わらず政治的メッセージの強いステージをほとんどかぶりつきで鑑賞。
大きく分けて3つあるステージのひとつ、上手スタンディングエリアの一番前に連れて行ってもらったものの、「ボノに水をかけられるかも」と忠告され、はたまた立ち話に熱中していたら押し出されて少しづつ一番後ろへ(と言っても人垣の3番目ぐらいの位置)。

アダムがベースを交換するたびに、テクの人にありがとう、とにっこりきっちり声をかけているのが聞こえ、そういうジェスチャーに一番弱いわたしは完全に参ってしまった。
U2のメンバーには10年ぐらい前にパーティーで会ったことがあり、ものすごく腰が低くて全然威張ってないくて、本当にいい人たちなんですわ。


前回の360° Tourのステージもすごかったが、今回のステージもすごかった。

アリーナをいっぱいいっぱいに使ったステージがアルファベットのIの字型になってるのだ。
つまり、Iの上と下の横線と真ん中の縦線もステージ。真ん中の縦線の上には20メートル以上はある両面式スクリーンがあって上下し、その中に入って移動したり、演奏もできる。

セクシーなダンサーや華々しい衣装早変わりなどは一つもないが、いつも通りレベルの高いショーだった。


ショーの中でステージ上に上げてもらった女の子が、キュートなベルギー人の女の子で、「お名前は? どこから来たの?」とボノに質問された。

娘に、「あなた、ああいうシチュエーションで『どこから来たの』と聞かれたらなんと答える?」と聞いたら
「うーん...ベルギー人ですが、12歳から英国に住んでます...あ、母親は日本人です...って、全部入れたいかな」と言っていた(笑)。


来週もう一回見に行きたい...
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giacometti, pure presence




ジャコメッティ!


いやいやいや...


実は浅学にして、ジャコメッティにはほとんど関心がなかったのだ。

ナショナル・ポートレイト・ギャラリーで開催中のGiacometti Pure Presence「純粋なる存在」展(ジャコメッティの肖像画展)を見るまでは...


しかし、今日のわたしは断言する。

ジャコメッティ、好き!


この展覧会、今年見たどんな展覧会よりも「ああっ、そうだったのかっ!」と膝を打つ回数の多い内容だった。
一枚見るごとに、一部屋を見終わるごとに、自分の部分がどんどん刷新されていくのを実感した。
作品一つごとに膝を打っていたので全部見終わるのに4時間近くかかったくらいだ。

今まで想像もしなかったような、世界や対象へのアプローチ方法を示されたり、「今ここでわたしと展覧内容の間に何かが起こっている!」という緊張と裏切りを強いる展覧会こそが、わたしにとってはよい展覧会なのである。



さてジャコメッティの作品、と聞いてどの作品群をイメージするだろう。

わたしにとってはあの針金のように細い彫刻の立像作品だ。
ある理由で、あの溶岩のような表面を持つ細長い人間像にはずっと馴染みがあった。にもかかわらず(あったから、かな?)全然興味がなかった。現代芸術の極端な表現方法のひとつか、程度に思っていた。そんな自分の無知が恥ずかしい。

あの針金人間は、「対象を『知っている』ようにではなく、『見たまま』表現する」ジャコメッティの苦肉の策だったのだ。

パリの大通りで、ジャコメッティとさよならし、彼が去っていくのを見送る女性が、だんだん遠ざかり、だんだん周囲の中に溶け込んでいく様子を、彼は「知っている」ようにではなく「見たまま」再現したのだ。

この説明を受けて、わたしは針金人間の前に立ったまま、かなり長い間動けなかった。
これは今年一番の衝撃だった!


以下、言葉足らずを承知でこの衝撃を説明する。

人間は普通、ものを『知っているように』捉える。
フッサールの「間主観」ではないが、われわれは例えば家の正面を見るだけで、それは「家」である、と認識する。もしかしたらその家は書き割りの板切れかもしれないのに。

目の前の家が実際どういう状態であるかよりも、他我(家の側面や裏側を見ている想像上の自分)を総動員し、「知っているもの」をイメージする方を選ぶのだ。

パリの大通りで遠ざかっていく女性を「知っているように」描けば、ものすごく美しい女性を(ラファエル前派とかみたいに)ものすごくドラマティックに表現することも可能だろう。黄昏のパリ、街路樹や花、空気感、遠ざかる美しい顔、透けるスカートの裾...

しかし、ジャコメッティは「知っているように」制作するのを拒否した。
見たものを見たままに、その瞬間瞬間新しく立ち上がるセンセーションを表現したい...彼の欲望は、彼に「どうしても見たままを表現できない」とたびたび作り直しを強いたという。

なんと、見たものをありのままに表現しようとすればするほど、「われわれが『知っている』見たものありのままの姿」とはかけ離れていくのだ...

これがわたしにとってはものすごい衝撃だった。


自分があまり興味のない芸術家の展覧会を見ることがこんな豊かな経験になるなんて!
とにかく必見の展覧会です。


ちなみに展覧会タイトルの「純粋なる存在」はサルトルによるジャコメッティ評'give sensible expression to pure presence' から来ている。
かっこいい。
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ham yard hotel








バアといえば、今年の夏からよく通っているのは
ピカデリー・サーカスのハムヤード・ホテルのバア。

場所が便利で、いつも賑やか
テラス席はもちろん、屋内も活気があってポップでおしゃれ

しかもおつまみ系が充実していて
(全品5ポンド。マカロニ・チーズのコロッケ最高!)
アテがないと呑めない呑み助にはたまりません。
おすすめします。


今夜はこの後Cafe Royalのバアにハシゴしたら
馴染みの男性店員さんに
「最近あんまり来てくれないんですね...」と言われた
(ちなみにここのおつまみ系は大変おいしい)。

うちの旦那はこういうセリフにとても弱いのである。
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mademoiselle prive by chanel








ああ かわいいなあ!

ほんとうにこんな帽子屋があればいいのに...


@Saatchi Gallery
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