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into unknown lands








2018年の8月も今日で終わり。

英国の週末の天気は上々だが、光は秋のもの。
夏の終わりってなぜこんなに切ないんでしょうね!

9月から新学期が始まり、新しい仕事をはじめる人も、
別の土地で暮らし始める人も多いだろう。

月並みだが、人生は旅そのものである。
旅の目的は到着することではない。旅をすることそのものだ。

このように旅に関することわざや、アフォリズムにはいいのがたくさんあり

それが教えることはただひとつ「留まるな、変化せよ」。

地球の裏側で輝く月を見た後は、もうあなたは前と同じ人間ではない、と。
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イギリス料理はまずい(断言)




昔から英国の飯はまずい、と言われる。

ええ、その通りです。

弁護のしようもありません。

近頃では、特に世界都市ロンドンでは、観光客も移民も多く、各国の美味しい料理が食べられ、スタンダードは高いとかいう話もよく聞く。
が、英国在住8年目で外食の機会が多いわたしに言わせれば、「当社比」「なぐさめ」だと思う。

おいしいものが食べたいのなら迷わず海峡を渡って大陸に行くべき! 


ところで、ご覧ください、このポーターハウス。
熟成してあり、うっとりするほど美しいテクスチャーをしている。
牛脂の香りがすばらしいステーキだった。

英国でも、食材自体が悪いかと問われたらそういうわけでは決してない。ヴィクトリア期、産業革命の頃はそうだったみたいですけど...
特にうちの近所の多くの村では、有難いことに個人経営の肉屋がわりに残っていて、値は張るが、生産者の顔が見えるエクスクルーシブなオーガニックものなどレベルの高い食材が手に入る。

つまり英国料理がまずいのは、火を通しすぎ、調味料を使わなさすぎ、そして下処理のまずさ(肉や魚を水の中に放置して3日間、風味が抜けてから料理、みたいなのはなぜ?)、外食の習慣があまりなく、人々が料理方法に関して保守的であることなどが原因なのだろう。
日曜日に大きな塊肉を焼き(サンデー・ロースト)その肉を1週間で食べきる、今もその習慣を守る家庭は少なくともサリー地方の裕福な家庭には多い。

うちに来る行儀のいいお客さんは「和食が大好き」などと称賛してはくれるが、それがどこまで本当なのか。
つい最近、娘の友達が、実はにんにくやしょうがなどの刺激物、香辛料、香りの強い野菜、酢、甘辛いソースそれらがぜんぶダメだということを知ったばかり...
(それにくらべたら日本や香港の人はなんでも食べてくれるので楽!)

スーパーマーケットのチーズやハム、パンやマヨネーズに味がなく、塩にさえ味がないのはなぜだろう? コーヒーやワインが全く物足りないのはなぜだろう?
こういうものを食べ続けていると、比喩ではなくて、ほんとうに味覚がおかしくなってくる。脳みそが期待している味がしないのが続くと脳(味覚)はほんとうに狂ってくる。実感として怖いですよ、ほんとうに。


英国の食文化が貧しい理由としては、

英国が伝統的に核家族であること(子供に文化資本を伝えられない)
ロンドンは他の都市に比べてかなり早い時期(16世紀)あたりから都市化し、地方から人を吸引したこと
さらに産業革命が急激に進んだため、キッチンもない家屋に多くの人が住んだこと
ヘンリー8世が教会、修道院を破壊したこと(教会システムは知の伝導システムでもあった)

などを思いつく。

......


ポーターハウスの話に戻る。
絶対に焼き加減はレア。わが家では全員ブルーも好む。
肉は半日以上室温もどし、焼き上げる時は必ずステーキ用の温度計を使う。

翌日、牛脂と切れ端でガーリックライスが最高の公式ですね!


だから、もし英国に長期で滞在されることがあるなら、ぜひキッチン付きの物件を借りて、高級住宅街にあるマーケットで材料を調達し(それでも外食より安くつくと思う)、自分でシンプルな料理をするのがいいかと思う。

焼いたおいしい肉とサラダとパン、チーズとデザートに果物...
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ポーランドへのいざない







左上から時計回りに:旧市街の住宅街。左の家は有名な青い壁の家。地下鉄の入り口。地下鉄は利用しませんでしたが(なんせウバー・ラヴァーなので)綺麗で快適だそうです。バルバカン(要塞門)、ポーランドといえば...コペルニクス。


25年ぶりに訪れたポーランドがとってもよかったというモエの話はもう聞き飽きましたか?

人にポーランドの土産話をすると、今年行った他のどの旅先の話よりも一番「行ってみたいと思っているんです」という反応があり、へえポーランドはそういう国なのか! と、うれしく思っている。

きっとみなさん、イタリアやフランス、スイスやスカンジナビアには一通り行かれ、次は...と思っていらっしゃるのだろう。


繰り返しますがポーランド、おすすめです。

物価も英国の3分の一くらいの感覚、特に若い世代には英語がよく通じ、みなさんとても親切で、とてもとても感じがいい。

夜中2時近い繁華街でも友達は徒歩で帰宅した(それでもくれぐれも気をつけて...)くらい治安はよい。
鉄道や道路も整い、便利で旅行がしやすい。ウーバーの安くて手軽なこと! 

ショパンはいうまでもなくクラシック音楽が毎日聞け、ジャズのレベルが高く、緑が多く、美しい建築物を見上げながら散歩するだけでも楽しい。
アイスクリームが好きな方には口福!

こう言ったらいいだろうか。
西欧に比較したら良い意味でワンテンポ時代がずれている(遅れている)。全く良い意味で!!
何十年か前の懐かしき良き時代の西欧の面影が偲べる...とか。ホテルの建物や雰囲気などに顕著で、ホテル・ブリストル、ほんとうにおすすめです! 信じられない値段設定。しかもオットー・ワーグナーですよ?! 
向かい側にラッフルズホテルができ、8割方の完成で営業が始まっているが、わたしの好みではブリストルがいい。

しかし当然、西欧に追いつけと頑張っている最中なので、今後は変わるだろうと思う。だから今が行きどきポーランド。


わたしは次回は11月に訪問予定していて、その時はできたらウィーンから寝台列車で入りたいと思っている。
(この記事夜行列車が欧州で「絶滅」せず走り続ける理由


ショパンがあなたを呼んでいます...







左上から時計回りに:新市街の高層建築物。レーニンが見たら喜んだかも、ホテル・ブリストル外観、ワルシャワの市旗、ポーランドといえばキュリー夫人。その博物館。他にも映画監督キェシロフスキ作品は90年代によく観た。ポランスキーは、わたしは芸術家の作品と彼・彼女の人間性を一緒にしないほうがいいと考えている派だが、あいつだけは胸が悪くなる人物だ。優れたピアニストにはルビンスタインやツイマーマンなど枚挙にいとまがない。
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初秋のケーキ








先日の赤いベリーのタルトが夏の終わりのタルトなら、こちらは秋の初めのショートケーキ。

ものすごく大きいブルーベリーが手に入ったので(チェリーの直径より一回り小さいくらい)、
冷凍したり、ブルーベリー・パンケーキなんかにしてしまうにはもったいなく、主役にした。
スポンジにはさんだのは湯むきしたぶどうとブルーベリー。


夜中に撮って食べたので暗いが、ベリーの光がヴァニタス(寓意的な静物画)のようだ。
果物は加齢や衰退を意味する。
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8月の雨のコートールド・ギャラリー






左上から時計回りに:雨降るサマセット・ハウスの中庭を眺める、マネ「フォリー=ベルジェールのバー」部分、ギャラリー内の美しい螺旋階段、マネ前同部分。

ロンドンのサマセット・ハウス内にある、特に印象派のコレクションで有名なコートールド・ギャラリーでは89年以来の大改装が行われる。

9月2日をもって開館最終日、最低2年間閉鎖されるそうで、最後の最後に目に焼き付けるため行って来た。
昨日日曜日、大雨の中を。

コートールド・ギャラリー、館も展示物も趣味がよく鑑賞しやすく大好きなのだ。


すでにセザンヌの「カード遊びをする人」やモディリアーニはもうなかった...どこの美術館の特別展に貸し出されているのだろうか。


閉館2年の間にコレクションは日本を巡回する。9月以降、東京、愛知、神戸でも開催。必見です。

『注目は、マネが死の前年に描いた大作「フォリー=ベルジェールのバー」(1882年)。前を見据える女性バーテンダーとその鏡像が描かれている。ほかに、男2人がゲームに興じる、セザンヌの「カード遊びをする人たち」、南国の裸婦が寝転ぶゴーギャンの「ネバーモア」など油彩約50点と彫刻などが出品される』と、数ヶ月前には日本のニュースになっていた。

ロンドンでわたしが見た絵を、あなたが神戸や東京でご覧になる...
壮大な夢、ロマンのように思える。





ルーベンス、ヴァン・ダイク、ブリューゲルもゴヤも載せたいのだが、印象派の「あ、この絵はこの美術館にあったのね」というようなのを。
左上から時計回りにゴーギャン「ネバーモア」、ルノワール「桟敷席」、セザンヌ「「ジャ・ド・ブッファンの高い木々」、ドガ「「舞台上の2人の踊り子」とブロンズ作品。
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