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Brugge Style
laduree sucre
優美でかわいらしく夢一杯で、技術的には高度、しかもちょっと野暮ったい素敵なお菓子の本。
19世紀のロシアの小説に出てくる令嬢のようなイメージ。
普段、混ぜて焼くだけのシフォンケーキ、ロールケーキ、カップケーキをローテーションで作っているわたしにとっては見たこともないようなものを揃える必要があったり、前日から下ごしらえを始めたり、複雑な工程を頭に入れておかなければならないなどハードルの高いレシピが多い。
が、とにかく見た目、味わいともに複雑で繊細なお菓子に飢えているので、田園の憂鬱な午後を有効に過ごすため、ちょっと真面目なお菓子づくりに取り組んでみたい...
練習あるのみですな。
Laduree Savory からも何一つ作っていないのであまり大きな声で宣言はしたくないのだが(笑)。
薔薇の風味のお菓子のレシピがたくさんのっているのに心が躍る。
...
ところでこの本、アマゾンで19ポンド。
一昨日、百貨店セルフリッジの書籍売り場では定価で28か29ポンドだった。
もちろん消費者としては同じものが安く買えるのはうれしいのだが、今後アマゾン系統の店が一人勝ちするとしたら雇用の確保の面だけを見てもかなり不健康な市場だ。
クリスマスシーズンの英国のニュースでは、(2011年のシーズンは)ネット買い物客が飛躍的に増えたと報告していた。当然街や村の小売店の売り上げは反比例するように減り、それは価格の差だけでなく「街に出ても年末は特に駐車スペースが見つけられない」「駐車料金が高い」などという理由の反映でもあり、多くの小売店の将来は明るくはないのだろう。
セルフリッジのような世界の大都市で雰囲気も一緒に売る店はまだいいだろうが、街の小さな商店はひとつづつ消えて行くのか...それは雇用の問題だけではなく、英国の街並が今後さらに味気ないものになる問題でもある。
例えば自分の街の小さな商店で1ポンドのパンを買うために1ポンド払って駐車するという現行システムを、始めの一時間は無料にするなどの工夫をすることによって改善するとかそういう小さなことから取り組むしかないと思うのだが、たぶん当局はそういうちまちました改善はなかなかしない。根本的な解決にならない等の理由をつけて。うん、人間は乱暴な完全リセットが好きだ。大阪市とか。あるいは断捨離とか(笑)。
一度消えた小規模商店はなかなか戻っては来ない。
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mini ジョージ
旅行誌、見るの好き。
その手の雑誌は Conde Nast Traveller をとっていて、「読む」というより正に「見る」という感じでページを繰る。
「読む」のはホテルのクレジットとか、有名人(有名人といっても英国の中堅セレブばかりなのでわたしには知っている人がほとんどいない)への定型インタビューくらいだ。
この定型インタビューは他愛のないもので毎月質問内容はほぼ決まっている。
「前回の旅はどこへ?」
「旅先に必ず持って行くものは?」
「一番好きな行き先は?」
「旅先の失敗談は?」
「次に行きたいところは?」
などなど。
解答を読みながら自分だったらと考えたり、空想をふくらませるのも楽しい。たちまち英国の田舎のリビングがモンテカルロのホテルのリビングに変わる...わけないか。
何ヶ月か前。
バックナンバーを探すのが面倒臭いので覚えている範囲で書くが、女優だかが
「ホテルのミニバアには何が入ってるのを期待していますか?」
という質問に
「ミニ・ジョージ・クルーニー」
と答えていた。
おお、ミニ・ジョージ。ミニバアにはミニ・モエ&シャンドンとかミニミニ・ボンベイ・サファイアとか入ってますもんね。すばらしいセレクション。手の行き届いたサービス。
夜更け、自分の部屋に戻り、ハイヒールを脱ぎ捨て、ミニバアから冷えたスパークリングウォーターを取り出す。あるいは普段は食べもしないスニッカーズ。と、そこにミニ・ジョージだ。ホテルのミニバア付きだからしてタキシードくらいは着ておるだろう。あの目をぱちくりさせながらこっちを見、「やあ」とか言われたら女はイチコロですな。
プライスリストに目をやる。ミニ・モエ&シャンドン・インペリアル、40ドル...ハーフボトルのボルドー、25ドル...ミニ・ジョージ...プライスレス。
いや、いったいミニ・ジョージにはどのくらいの値段がついているだろうか。
金をだしてミニ・ジョージをミニバアから取り出すと決断した女は、断言してもいいがこのミニサイズのジョージをほほえましい方法でいじめるのである。絶対に(笑)。
ジョージはミニのままでもいいが、風呂に湯を張って1時間つけたら等身大になったらもっとうれしい。
ああでもこれじゃ直接的過ぎてユーモアに欠けますな(笑)。
旅行誌は楽しい。
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neuzen
ブルージュからの手紙にこんなにかわいい切手が!
蘭語で neuzen(「鼻」の複数形。仏語でキュベルドンと呼ぶ場合もある)という名のお菓子がモチーフになっている。
種類としては駄菓子。
食感は練り切りとゼリーの中間のような感じで、主にベリー系のフルーツの味と色が各種ある。元はアラブのお菓子だとか。
ブルージュでは街のお菓子屋さんやスーパー等、どこででも買える。
どこでも買えるのにほとんど食べたことがない...英国では手に入らないとなると急に食べたくなってきた。
この切手、ひょっとしたらお菓子シリーズなのかしらん。
ベルギーのお菓子シリーズ切手ならさぞかわいいだろうなあ。
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大人は判ってくれない
わたしにとっては一番解答するのが苦しい質問のひとつなのだ。
実際、このブログにも映画記事はほとんどない。
映画について書くのはすごくすごくすごーく難しい。
好きな本や好きな音楽やについてと同様、「これはよかった。めっちゃ好き。もう一回鑑賞してみたい」くらいしか言えない。わたしは。
それから若い頃見た映画の中には、その時代の雰囲気とともに味わったとしか思い出せないものや、その映画と言えば一緒に見たこの人、その映画は雨の日だった、などという組み合わせもあり、映画そのものがよかったのか映画にまつわるその他諸々が良かったのかよく分からなくなっているというのもある。そういう映画は今もう一度見ないといけないのだろう。でも思い出をぶちこわしたくもなかったりして。
また、特にブルージュに住むようになってからほとんど映画館へ行くことがなくなったというのも堂々と「好きな映画は!」と言えない気になっている理由のひとつだ。
若い頃はあれほど新聞会館や毎日ホールや扇町シアターに通っていたのにですよ。
たぶん、わたしは安定した恋愛中はあまり映画に行かないような気がする。映画よりも現実の方がずっとシュールだからだ(笑)。
先日、今年はフランソワ・トリュフォー生誕80年というのを見かけて、そろそろ娘にも「大人は判ってくれない」くらいは見せようと思い、わたしの数少ないDVDコレクションを見てみた。夫が何百本も所有しているのに比べ、わたしのは6本と2つのセット、あ、でもバレエのDVDめちゃくちゃ持ってます(笑)。
以下、わたしの手持ちのDVD(上写真)。
左から
大人は判ってくれない
みつばちのささやき
勝手にしやがれ
パリのアメリカ人
去年マリエンバードで
アブラハム渓谷
あと、小津安二郎とジョン・カサヴェテスの豪華セット。
教科書的な趣味だ。
DVDを持っていると言うことは、何回でも見たいということだと思う(いや、自分でもよく分からないけどそうだと思う)。これでわたしの好きな映画の傾向が判っていただけたら幸いである(>Hさん)。大人は判ってくれるであろう。
もう一回見たい映画と言うのは他にも山ほどあって(以下、アマゾンのウィッシュリストに入っているタイトル)
緑の光線
柔らかい肌
パリ・テキサス
雨月物語
浮き雲
山猫
ダウン・バイ・ロウ
ラスト・タンゴ・イン・パリ
毎日ホールのような劇場にまた出会いたい。
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薔薇の味
もともとなのか、あるいは日々減少してゆくホルモンを補おうと脳が指令を出しているのかは不明だが。
国花だからか英国には薔薇の味や香りやデザインや...が結構あると思う。
薔薇の柄のものや香水には(見た目、香り共に)粉っぽかったり艶がすぎたりコテコテだったり、なかなかストレート直球「薔薇」のいいのがないが、食品は比較的薔薇そのものの香りがするものが多い。ような気がする。
これはスーパーなどでもよく見かけるロココ社の薔薇のチョコレート(オーガニック薔薇のバージョンもあり。でも遭遇したことがない!)。
すばらしくストレートな薔薇の香りがチョコレートと絶妙なバランスを取っていて、チョコレートの国から来た Moet を黙らせたのである。
英国で「おいしい!」と思ったものの筆頭。
ロココのチョコレートはどれも箱がかわいい。
かわいい「箱」を見ていると自分でお店がしたくなる...
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