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シャトーの青い夜




6月最後の夜がふけゆく。

南仏、エクサン・プロヴァンスの北で過ごしている。

ル・ピュイ=サント=レパラードにあるワイナリー、シャトー・ラ・コストは、現代アートのコレクションでも有名だ。
メインの建物は安藤忠雄さん。フランク・ゲイリーの音楽堂やジャン・ヌーヴェルのセラーなども。

こちらの敷地内にホテル、ヴィラ・ラ・コストがオープンし(前回訪れた時は建築中を見学させてもらった)、ロンドンにも支店があるレストラン、エレーヌ・ダローズが入った。

夫が、あるお祝いの機会にサプライズとして「エレーヌ・ダローズへ行くから...」とロンドンに行くと見せかけ、実は南仏のこちらへ連れて行く...という計画を立ててくれたものの、新型コロナ禍で二回延期になり、今回実現したのだ。


明日から7月、昼間はかなり暑いが夜は寒い。葡萄好みの南仏の山の中。この山を越えたらルールマラン(カミュのお墓がある村)。










このあたり、とてもエレーヌ・ダローズらしい料理。
生の豆のソースと甘海老
下は手長海老のタンドーリ。







シックなデザート。
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summer exhibition





英国でのご活動で存じ上げるようになった中野晃一先生はご自身のYouTubeチャンネルProgressive! Channelでこうおっしゃっている。

「会話を楽しむ 友情を育む 芸術を愛でる 愛を語る」そういった人間にふさわしい生きかたを可能にし、共存を支える政治にこそ最高善がある、とアリストテレスは言った。

人間は集合体の中で暮らし、分業があり、お互いを支え合うからこそ善く生きることができるという考え方である。

人間の集合体には、複数で多様な利害や立場があることが前提で、これを単一の同じ色に染めるのではなく、多様な人々がそれぞれ自由でありつつ、相互の合意、調整、妥協によって集合体によって共に生きることを機能させるのが政治である。
政治は権力の支配と服従ではなく、相互が共存するための営みなのである。



過日、ロンドンのRoyal Academy of Arts(王立芸術院 )で毎年夏恒例のSummer Exhibitionが始まった。
1769年に始まった、誰でも応募できる公の展覧会。世界最古にして最大。

版画、絵画、写真、映像、建築、彫刻...招待された芸術家、王立芸術院員、新進の奇才らによるあらゆる形態の芸術を展示する。

展覧会のコーディネーター、アリソン・ワイルディングが選んだ2022年のテーマは「気候」。




しかも、何がわたしをこの夏の展覧会に毎年誘うかと言うに、ほとんどのものが予約販売可能なこと。
アーティストの目を通した別の世界を見るのは大きな喜び、それを買える、というのはまた別の喜び。

展示内容についての感想も書いてから、と思ったが、中野先生の話を強調するため、今日はこれで。

ではこれから中に入ります...
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英国産白アスパラガス




白アスパラガスの季節もそろそろ終わり...

3月下旬4月から6月にかけてのシーズン中、ベルギーでは普通のスーパーで白アスパラガスを見かけるようになるが、イングランドではそういう食材ではない。

昨日はデリカテッセンで見かけたので買ってみた。
ベルギーのものよりはかなり細め、それほど白くはないものの、英国国旗のラベルがかわいいし、そして肝心の味はよかった!

ちなみにベルギーの有名な白アスパラガスの産地はメヘレンで、シーズン中は、ベルギー人の間で一種の白アスパラガス・フィーバーが起こるのである。
フランダース風は、ゆで卵のみじん切りとバターのソースがかかっていて、みなさんこれが大好き。

わたしはオランデーズ・ソースを添えるのが一番好き。
というか、出来立てのオランデーズ・ソースが好き(白ごはんにかけてもおいしいのだ。バターと卵黄のソース、合わないはずはない?!)。

前菜に白アスパラガス、メインはステーキとフリッツ(ポテトフライ)、シンプルなドレッシングのサラダ、と、すごくベルギー的な夕食にしてみた。

...


昨日のBBCのニュースによると、英国のインフレーションは9.1パーセントに上昇。今後、11パーセントまで上がる見込み。
ブルームバーグの記事では、ウォール街の専門家の話として、「英国はブレグジット(EU離脱)が原因で、数年間は激しいインフレから抜け出せないであろう」と。

おりしもEIUの「世界で最も住みやすい街」として、英国では最高位のロンドンが顔を出すのがやっと40位以下、と発表された。
ちなみに日本では大阪が10位(維新はどうかと思うがそれでも10位)。1位はお馴染みウイーン。ウイーンは夫がリタイア後住みたい街ナンバーワンでもある。

夫の仕事のためにベルギーからイングランドへ移動して早11年、住んで良い面も多くあるとはいえ、今後はどうなるのか。
残念なことに、わたしは英国では永住権を持っているだけで参政権はない。

が、今日から第26回参議院議員通常選挙の在外公館投票が始まり、もちろん最大の関心を持って挑む。

英国がEU離脱という危険な賭けに出たのは、国力が誰の目にも顕著に衰え、「国が本来の純粋な形を取り戻しさえすればすべてよくなる」「昔はよかった」という魅力的にお手軽な思考停止に陥ったからである。
しかし歴史を振り返ると「浄化」や「粛清」「全部ゼロに戻してやり直し」などを選択した国は間違いなく荒廃し、衰退して滅びている。
だからまずそういった類(「〇〇を取り戻す」とか「〇〇グレート・アゲイン」とか)を目指している政党には投票しない。

また、わたしが望むのは、GDPが世界で上位だとか、軍事費が世界で何番目だとか、そういう国ではない。多様性や弱者が尊重され、基本的人権と市民的自由が守られる社会だ。
クロニズムがはびこり、権力者とそのお友達だけが好きなことをするのではない、誰もが楽しそうな社会。そういうところに住みたいから、という動機で投票する。
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ロンドン百貨店ウロウロ




ロンドンで美容室へ行き、買い物などを...LibertyとSelfridges。

セールも始まっているし!




ロンドンの百貨店をウロウロしていると、いつも絵本『せとうちたいこさん デパートいきタイ』を思い出す。

娘が小さい頃大好きで、何百回何千回も読まされた。
毎回神妙な顔つきで聞き入り、最後はケラケラ笑って「もう一回!」とせがんできた絵本。名作!




買い物リストのものはあれもこれも「来週パリで買えばちょっとお安めかなあ」と結局何も買わなかった。しかもどれもセール除外品だし...
Astier de Villatteの小皿と花器
Cire Trudonのルーム・キャンドル、デフューザーの詰め替え用
Frederic Malleのオイルとヘア・ミスト
Caravaneのクッションカバー
Marjolineの寝巻...
Celineのバッグ欲しいなあ! タイコさんが提げているような黒のクラシックなバッグ!




タイじゃないが、涼しげな人魚たちが泳ぐ百貨店リバティ。

娘が帰ってきたら、『デパートいきタイ』読み聞かせてやろう...
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アムステル川とオランダ国立オペラ&バレエ




アムステルダムの国立オペラ&バレエ劇場は、アムステルダム発祥のアムステル川を望むように建っている。

アムステル川は扇型に広がる運河と比べて幅も広く、川沿いの邸宅はさらに立派である。

エルミタージュ美術館別館や、アスムテル・ホテル、羽橋で有名なマヘレ橋...
17世紀には交易と交易手段を手中に収め、世界初の覇権国家(世界経済で最も影響力のある国)として君臨した国、オランダに思いを馳せられる。見飽きない。




水の都、いいですよね。
夫が嫌だというので乗らなかったが、今度はボートに乗って観光してみたい。




アムステルダムではオランダ国立バレエの公演も鑑賞した。
目的はボリショイ・バレエから移籍したばかりの美しきオルガ・スミルノワ。




今年3月、ロシアのウクライナ侵攻が始まった後、ボリショイ・バレエのプリンシパル、オルガ・スミルノワはロシアを公然と批判、オランダ国立バレエ団に移籍したのは記憶に新しい(わたしはBBCのニュースで知った)。

「私の魂のすべてで、この戦争に反対する」
「文明社会は平和的な交渉によってのみ政治問題を解決することを期待する」
などと表明。他のダンサーにも支持されたという。

芸術界の人が政治的発言をするのは、人として当たり前であり、わたしも強く支持する。




HANS VAN MANEN FESTIVAL、演目はMetaforen, Sarcasmen, Frank Bridge Variations, Grosse Fuge
ペアの愛憎と執着を描いたものが多かった。
人間というのはこういう感情抜きには語れないものなのかなあ、やはり。

国も人も。
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