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Brugge Style
○○中、つまり欲望のあり方
このブログには「○○中」というフレーズがしばしば出てくる。
最近では「制作中」「考え中」「開発中」「計画中」...。
わたしが有言不実行の人であるということバレバレだ。
それがわたしの「ええかげんでテキトーで中途半端」な性格に起因しているのだと言えばそうなのだが、これが欲望の正しいあり方であるとも言えるのである。
わたしたちが何かを欲望する時、その欲望が最高値に達するのは
欲望を欲望している時
なのだ。
旅行は計画する段階の方が楽しいし
恋愛は成就するまでの方が甘美だし
モノやコトは、手に入りそうかな、完成しそうかな、という段階で価値が最も高く感じられる。
わたしの人生には現在○○中、という形のモノやコトがあふれている。
欲望は、その根源がわたしの中にあってそこからむらむら湧いてくるものではなく、常にわたしの外側にあるから底なしだ。
突っ込まれそうなので予防しておくが、「欲望がない」と言う人も意外に多く存在する。しかし彼らは「欲望がない状態を欲望している」のだ。
とにかく...「やるやる」と公言しておきながらなかなか実行しない、以上わたしの言い訳劇場(笑)。
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鴨のハンバーグ
北新地のワインバアで出され、同席していた日本人、アメリカ人、ベルギー人全員の味覚を感嘆させた味のひとつ。
ベルギーに帰国してから、お料理教室で再現をお願いしたのだが、鴨の胸肉をひき肉にするなぞもったいないと取り上げてもらえなかった。だから自分で作ってみたのである。
鴨の胸肉をフードプロセッサーでひき肉にし、昔から「鴨ネギ」というからタマネギではなくポロネギを使ってみるだけ、他は普通のハンバーグと同じ作り方である。ロゼっぽく焼き加減は控えめにするのがコツ(偉そうやな~)。
焼いている間に鴨の脂が出て、表面がカリッカリになるのがたまらなく旨いのだ。
ベイビーリーフのサラダにごく少量のフレンチドレッシングを合えたものと、ソースとしてバルサミコクリームビネガーを添える。前々回の記事のタマネギコンフィを添えてもいい。
また、しょうゆベースの甘辛いソースに実山椒で仕上げたら和風。
アミューズとしては2センチくらいのハンバーグを作ってバゲットの上に載せ(一口で食べられる大きさにする)、ソースを少々。
これはかなりおすすめです。
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アラン・ロブ=グリエ 死す
今日、久しぶりに紙の新聞を手にして初めて知ったのである。彼の死を。
わたしが好きと感じる小説や映画や絵画や音楽には、抽出できる特徴群があるのかどうか...考えてみたこともないし、これから先も考えることはないと思う。知識も知力もないので評論をものにすることもないであろう。
「世界は意味もなければ不条理でもない、ただたんにそこに『ある』だけである」
ということで、まあいっか。そういう意味じゃないけど(笑)。
手元にあるのは映画「囚われの美女」「去年マリエンバードで」(ロブ=グリエは脚本のみ)、小説「覗く人」「迷路のなかで」「反復」。
「反復」、このタイトル、ロブ=グリエのスタイルそのままやん。
ロブ=グリエは、わたしにとっては、読み進めるのに体力が必要である。
20歳前後の時分は体力もあったし、常に共感を求めていたので、多少消耗しても読めた。
今。この執拗な繰り返しにはうんざりさせられる(であろう)。「いや、あなたのコンセプトは分かったからさ、早く次に行ってよ」という感じか。わ~、こんな言い草、仮にも芸術を語る資格なし(笑)。自分の芸術鑑賞法は、現在世の中で支配的な方法とは増々逆行してると自負していたのになあ。
わたしの人生の先も短くなってきたからだろうか。それとも世界を自明のものと見る習慣にどっぷり浸かってしまったからか。それとも、目の前の子どもの執拗さを思い出すからだろうか。
そりゃあもう一回読んでみないと分からないね(笑)。
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タマネギのコンフィ
あるところで「Moetさん家で重宝している食材はありますか?」と聞かれ、もともとない知恵と記憶力をたどってみた。
タマネギのコンフィ(ジャム)やな。
日本でもアオハタあたりが出しているかもしれないが、こちらではどこにでも売っている地味な食材である。
普段はフォアグラ料理や平凡なパテに合わせて消費する。さらにカレーやビーフシチューの仕上げに入れたり、ハンバーグに合わせても旨い。オーブン・スパック(スモーク仕上げのベーコンではなく、ハムのような脂の抜けたベーコン)や、チーズと組み合わせてサンドイッチにしてもいい。
それから超簡単料理として豚のスペアリブの煮込みに使う。
リブを適当な大きさに切り、焼き色をつけたら、タマネギコンフィを適当にぶち込む。
さらに水をコンフィの半量くらい加え、落としぶたをして延々煮込むだけ。
骨から肉がほろっととれるくらいになったら、しょうゆで味付けして煮汁をてりてりに煮詰めて出来上がり。
スペアリブをマーマレードで煮込むレシピがあったので、「タマネギの方がいいかも」とアレンジしただけであるが、意外によかった。ビールがすすむ味である。
ウチではラーメン等を食べないけれど、ラーメンにのせてもおいしそう。
おすすめするわ。
お料理自慢でなくてさみしい...(笑)
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bachelor style
もうかなり前のことだが、近所の書店でこの本を見かけた時、タイトルだけで「わたしの好きなスタイルに違いない」と思った。
生活臭がなく、好きなものを妥協なく集め、トコノミスト的ナルシシズムも含んだスタイル...というイメージだろうか。
ただの独身男ではない(笑)。
情報誌など、実は女性誌より男性誌の方が好きだ。
大昔は父の「プレジデント」、古き良き(昔の)「ポパイ」や「ブルータス」。「エスクワイヤ」もよろしいな。
bachelorの語源は古仏語の「見習い騎士」に由来しているそうである。おお、増々いい感じ。
宮殿の、しかしわざと簡素にしつらえた一室。彼は頭の冴えた涼しげな男で、音楽と古典と武道と友に親しみ、大事には華麗なる装束に身を包むのである(<妄想膨らむ...わたしの脳内イメージはイタリア・ルネサンス期の騎士)。
子どもも配偶者もありながら、しかも女性でありながら、全うしたいよ、bachelor style。
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