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the lord of the rings








ホテルの客室に置いてある雑誌で見た
オーウェルの「動物農場」をモチーフにした指輪っ!

このピンク色のナポレオンが、ナポレオン豚が、欲しい...
まさに「皇帝」という感じがいいわあ。
今季の Preen の服に合わせたい。

Lydia Couteilles という宝石デザイナーのコレクションだそう。

牛も色合いが美味しそうでかなりよい。
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幻獣誕生




羽が生えたかのような思いでロイヤル・バレエへ行ったというのは昨日も言いましたな。


それはそうと、続きがある(やれやれ)。
今回、何組ものパ・ド・ドゥを見て前々から思っていたことを確信したので、好事家のお遊びとしてそれについて書きたい。


2人の優れたダンサーが組んで踊る時、そこにはもう独立したひとりひとりのダンサーは存在しなくなる、ということだ。

彼らは組んだ途端、例えば女性ダンサーと男性ダンサー「2人」ではなくなり、その場その瞬間ごとに生成する、「ひとつ」の新しい別の生き物(ハイブリッドなペガサスやサイレーン)になるのだ。

だからあのような複雑怪奇な動きを軽やかに流れるように、いとも簡単そうに行うことが可能なのだ。


もう少し説明してみる。

舞台に別々に歩み出た女性ダンサーと男性ダンサーはまだ別々のダンサー2人だ。その時点ではまだその美しさの元になっている個性、我、というものが前面に出ている。

しかし2つの身体がある一点で触れた時(あるいはこれから触れる、という機がダンサーの意識に現れると同時)に、動きを司っている主体としての女性ダンサーと男性ダンサーに変化が起こる。もうそこには別々の、二元的な主体はない。どちらがリードする、どちらがサポートする、という差すらも消え失せ、彼らはそのつどひとつの生き物として踊るのだ。

それは一種、自我への執着を捨てた状態、と言ってもいいのかもしれない。

これが優れたパ・ド・ドゥの秘密だ(たぶん)。
もしかしたらクラシックの合奏や武道、特にジャズの即興などもそうなのかもしれない。

で、ますますシロウトの想像でしかないのだが、身体が一点で触れ(あるいは触れる、という機が意識に現れると同時)、2つの別々の主体という区別が掻き消えて、新しいひとつの生き物として踊るべき時に、「私」の動き、「私」の軸、「私」の位置、「私」のパート、私、私、私...と主体を手放さずにいると、もちろん動きはぎくしゃくするし、最悪、怪我の確率が高くなるのではないか。
まあ音を合わし損ねたジャズ・セッションでぎくしゃくはあっても、怪我まではしませんな(笑)。


そんなことを考えられたのもよかった公演だった。

幻獣ペガサスになって飛んで行ける人間を心から讃えたいと思う。


(写真は昨日と同じく「スイート・バイオレット」、 The Gurdian から)
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sweet violets



羽が生えたかのような思いでロイヤル・バレエへ。

"Serenade" "Sweet Violets" "DGV: Danse a grande vitesse"(a はアクサングラーヴつき)の3つの異なった出し物から成る公演。ロイヤル・バレエのプリンシパルが何人も出るので、言葉は悪いが英国のトップダンサーをまとめて鑑賞できるお得なパッケージだ。

"Serenade" はもちろんバランシンの、"Sweet Violets" は「切り裂きジャック」を題材にしたリアム・スカーレットの、"DGV: Danse a grande vitesse" は、「不思議な国のアリス」や「冬物語」のナラティブであるクリストファー・ウィルドンの、より抽象的な作品だ。

どれもとても良かったが、「スイート・バイオレット」の筋書きにはとても興味があるので書き留めておきたい。


1907年、ひとりの売春婦がロンドンで惨殺された。メディアは早速これを「カムデン・タウン殺人事件」と呼び、「切り裂きジャック事件(1888年)」と結びつける。

事件現場の近所には、ウォルター・シッカートという英国人画家がスタジオを持っていた。シッカートのモデルは殺された売春婦を(当時、モデルはしばしば売春婦だった)知っているのではないか、また犯人のアイデンティティを知っているのではないか。シッカートも出入りしていたミュージック・ホールを介して、この売春婦を知っているのではないか...

シッカートは、鉄製のベッドに横臥する(まるで惨殺されたかのような)裸婦のモチーフを多く用い「カムデン・タウン殺人事件」連作を作成した。彼はおそらく「カムデン・タウン殺人事件」を匂わすタイトルを作品に巧みに利用し、自分の作品にストーリーを与えようとしたのだろう。言うなれば、彼は「切り裂きジャック」や「カムデン・タウン殺人事件」の、イノセントなコピーキャットなのだ。
まあ、彼自身が「カムデン・タウン殺人事件」の真犯人なのではないかというウワサすらもついて回っているのだが。


シッカートの死後、「切り裂きジャック」と「カムデン・タウン殺人事件」、そしてシッカートはしばしば結びつけられた。未解決の連続殺人事件、猟奇的な犯罪、謎が謎を呼ぶ。善男善女の異様な興味と探偵ごっこもエスカレートする。なぜわたしたち人間の多くはこういう話が大好きなんでしょう!

ここからが「スイート・バイオレット」の筋なのだが、例えばこういう解釈がある。
シッカートは、ビクトリア女王の孫にしてクラレンス公のアルバート・ビクター(切り裂きジャックの正体ではないかというウワサもある)が下層階級に交わる時、「芸術を教授するため」行動を共にしていた。そのうちアルバート・ビクターは下層階級の女性と秘密結婚し、子供が誕生。この醜聞を隠し通すため、ビクトリア女王の指示により、相手の女性は狂人として隔離され、事実を知る周囲の5人の女性が惨殺された...それが「切り裂きジャック」の正体である、と。


筋書きが難解とされているようなのだが、わたしはこの語り口の多少ぐだぐだしたところや、回りくどさ、すっきりしなさ、登場人物の多さが、余計にこの事件の謎や、芥川の「藪の中」的な部分を強調することになり、よりリアル感があると思った。

舞台装置のゆがんだ遠近法や独特の光の使い方はシッカートの絵そのものであり、またダンサーは誰も彼もすばらしい。
ここで練習風景が見られる。ダンサーの身体能力の素晴らしさは言うまでもないが、言語化された概念を同時に身体運動に読み替える能力、これはほんとうにすごいなあ! しかもこの女性ダンサー、リアン・コープの超絶的な愛らしさ美しさ! この笑顔に心臓を打ち抜かれましたよ...


近々シッカートの作品目的でテイトに行ってみよう。
パトリシア・コーンウェルの本も買うべきか。独自の調査からシッカートを「切り裂きジャック」と名指ししているらしい。

善女であるわたしはこういう謎解きに目がないのである。


(写真は The Gurdian から)
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バニラ




英国は今週末は連休、娘は一週間のハーフターム(休暇)なので、北欧にでも出かけようかと思ってた。

それなのに、うちにガリ勉くんは「ママ、このテスト(来月早々始まる学年末テストのこと)がどれだけ大切か分かってるの?」と言ったのだ。

わたしとしては、娘はホテルの部屋やライブラリーで思う存分勉強してもらい、気分転換にプールに泳ぎに行ったりすればいいのにと思っていた。大人は彼女をそっとしておくために外出する魂胆だったのだが...「移動の時間がもったいない」のだと。確かに飛行機に乗っているのは北欧まで1、2時間でも、2時間前に飛行場に着いていることなどを考慮したら、やっぱり半日仕事なのである。


金曜日の夜は学校のジャズ・コンサートも盛り上がり、怒濤の5月もそろそろ終わり。今日の日曜日は突然ヒマになったのでバニラ・アイスクリームなどを作ってみた。バニラは奮発しましたぜ!
バナナ・マフィンも焼いたし、今夜の鯖の立田揚げだって仕込み済み。犬も散歩に連れて行ったし...これからクロゼットの掃除でもするかな。

お天気のいい平凡な日曜日だ。
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2014年春夏版 ロンドン飲食店案内




今年はうれしいことにロンドンへ来てくれる親族友達が例年よりも多い。
夏も日本から大好きな友達が2組来英予定で、今からウキウキソワソワ。

もちろんまずは「どこに食べに行こう?」となる。
お客人に参考にしてもらうために、前回2012年夏版 ロンドン飲食店案内に続き、2014年春夏版を書きとめておくことにした。

このブログを読んで下さっているY様のご要望にも応えられるといいなという期待も込めて。


ブルージュと違い、飲食店の数は海辺の砂、宇宙の星ほどあるロンドン。
素晴らしい店もたくさんあれば、平凡な店、どんどん落ちて行く店、2度と行かないだろう店もたくさんある。
身体はひとつなので、どうしたって偏頗(へんぱ)になる。
シロウト目線でレストランガイドを書くことなど馬鹿げていると思うほどだ。
しかし馬鹿げたことをすべてやめてしまうなら、このブログなど一番最初に消滅させなくてはならないし、だいいち何百ポンドも支払ってレストランで食事をするのは馬鹿げていると思う人もいるだろう。だからこのブログは(くだらないことや無意味が多いので)片目をつむってどうぞお読み下さい(笑)。

2012年のリストの中には、料理の質が明らかに不安定になったりして全然行かなくなった店もあるが、わたしは新規開拓をするよりも気に入った店をリピートするタイプの客なので、相変わらず通っている店も多く、新しいリストには2012年時ほどの数はない。

案内を書くにあたっては、2012年と同じように以下を基準にした。
『「もえが好きなところだったら私も好きかも」とお使い頂いても、「もえの行くところなんか絶対趣味に合わないから除外」、とお使い頂いてもよろしい。何かの目安にはなるか知らん、と。なお、店はエリア別(東からなんとなく時計回りに)にまとめ、リピートした店のみを掲載した。』



Maryleborne

Conran Shop Cafe (Cafe)
コンランショップ内のカフェ。コンランショップは最近急にパリの「メルシ」っぽくなってきたと思う。このカフェ、かわいい。おしゃれ。使いやすく雰囲気もいい。長居も!


Camden Town / Primerose Hill

該当なし


Clerkenwell / Shoreditch / Hoxton

The Clove Club (British)
何もかもがとってもとってもショーディッチなレストラン。料理の素材や調理法、プレゼンテーションもおもしろく、何より美味しく、大好き。
旅行中の友達からロンドンぽいところに行きたいというリクエストがあったら、今ならわたしはここを選ぶかな。熱烈おすすめのひとつ。予約が少々取りにくいのが玉に傷。


Soho / Covent Garden

Joel Robuchon (French)
泣く子も黙るロブション。わたしのおすすめは断然プレ・シアター時。ランチと同じ構成同じ値段。シアター前に時間を気にしながら食べるレストランとしては場所柄大変便利でもある。でもデザートまで3コースで食べてたら間に合わなくなるかも...ゆっくりのときは2階で。
うちの娘のロンドンの一押し。特にキッチンの中の活気と緊張感がとてもかっこいいと思うのだそうだ。

Koya (Japanese, Udon Noodle)
おうどんやさん!
熱烈ラヴ、炭水化物。一品料理も少々あり。

Cafe Royal (Bar)
ピカデリーに新装再開店して以来、最もよく行くバア。夫のオフィスが近いので便利なのだ。
リージェント通り沿いのカフェは常に主に観光客で激混みだが、ちょっと建物の裏手に回ってバアに入ると異次元に開いた小さな空間のように静か。
バア・フードもかなりおいしいのでおすすめ。隣接するビストロもおすすめ。

Champagne et Fromage (Champagne and Cheese)
コヴェント・ガーデン近くの小さなシャンパンバア。
ここだけいきなりフランス? という感じの超おいしいチーズの数々! わたしは食べたことがないが、アフタヌーン・ティーもある。時間帯によっては予約した方が無難。ランチメニューにはサンドイッチ等もある。


South Kensington / Chelsea / Belgravia / Kightsbridge

Helene Darroze at the Connaught (French)
近頃一番よく行くのがここと上記のクローヴ・クラブ。
フレンチであり、パリにもエレーヌはあるので、旅行者に熱烈おすすめとは言わないが、レストラン要素のバランスが優れていてわたしの中では一番。エレーヌのトータルなセンスに溺れる。いつも絶対に注文するのは無二の牡蠣料理!
スタッフがほとんどフランス人で、彼らの話す英語を聞いていると「二都物語」の中に迷い込んだかのようで非常にロマンティック。
土日のサンデー・ブランチもおすすめ。わたしは普通のランチのほうが好きだが。


Yashin (Japanese, Sushi)
お鮨はロンドンでもそれこそあらゆるところに行きまくったが、ヤシンが一番好きだ。しょうゆではなく、そのネタに合わせた薬味(例えばハラピーニョのドレッシングからノリの佃煮と苺まで!)で食する。わたしがよく行く率で言えば、エレーヌ、クローブクラブ、ここ。

Scott's (Sea Food)
ここもある意味非常にロンドンらしく、映画の中にいるような気さえするレストラン。
夫一押しのレストランで、実際ビジネス会合でもよく使う。

Azumi (Japanese)
居酒屋。めっちゃ派手でめっちゃ高価な居酒屋。お鮨だけでなく、炉端や焼き鳥などもあるので、和食に慣れていない外国人からリクエストがあった時によい。雰囲気もおもしろいので楽しんでもらえる。


Mayfair / St. James

Tsukiji (Japanese, Sushi)
リージェント・ストリートをボンド・ストリートの方に入って行ったところ、ホテルの一部。
何と言っても昼から夜までずっと営業しているので、その点とにかく便利。1人の時も便利、というわけで結構よく行く。

Notting Hill / Bayswater

該当なし


Bankside

Bedales (Wine Bar)
バラ・マーケット内に常設のワインバア。いわゆるシャビーな感じ。マーケット内だからか、さすがにハム等のおつまみはおいしいものを置いている。
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