goo

おかしのがっこう





そういうわけで、隔離生活中にお菓子作りの技術向上すべく、メフィストフェレスに命を売り渡す決心をしたモエである。

悪魔はこのような本を遣わした。
フランスの高等専門学校、École Supérieure de Cuisine Française (ESCF) - Ferrandiが出してる本。

フランスのお菓子作りのプロを育成する学校が、道具選びからお菓子のパーツの基礎、プロが作った応用編までを丁寧に教えてくれる。
10センチはある。
分厚すぎてテーブルの上でしか開けない、まさにファウスト博士が開いていたような本。


夫がちらりと中を見て、キッチン・エイド社のスタンド・ミキサー(自立式の泡立て器。姿も可愛いですよね)を買ってくれるという。いや、命を売り渡すとは言ったが、そこまで本気じゃなかったんですて....


このCedric Groletレシピのアップルタルトを作るのが目標だ。

お菓子作りの道具を全部買い揃えたいなあ。
今まではブリコラージュ、ありものを使いまわしてきたのだ。

パリの道具屋筋に行きたい!
いや、行ける頃には製菓熱は冷めているかもしれない。
特にパリにはおいしいお菓子屋さんがたくさんあり、家で作る必要もなくなる...



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ショパンのじゃがいも





まずは昨日のブログ記事が「ベートーヴェンの芍薬」だったことをぜひ思い出してください。


昨日、買い物から帰ってきた夫が

「これは絶対に買わないとと思って」

と、うれしそうに言った。


なんと「ショパンじゃがいも」ではないか。
「軽くてふわふわ、マッシュにぴったり」と書いてある。

うむ、深読みしそうになる。
深読みするなら「わたしはショパンは古典派としてと考えるので、この能書きには反対!」と言いたい...


昨日の記事で、うちでは毎年いちごにショパンを聞かせて(胎教のようなもの)育てている(あ、ほとんど冗談です)、他にもベートーヴェンの芍薬とか、ブラームスのいちじくとか...と書いたばかりだ。

まさか英国の農家でじゃがいもにショパンを聞かせて育ているわけではないだろう(あたりまえだ・笑)。
じゃがいもには「エドワード王」とか「シャルロット」「ニコラ」などという可愛らしい名前が付いているのが普通。

ちなみに、「ショパン」とはフランスのファミリーネーム"chopine"で、液体の単位だったそうだ。


今夜は娘が練習中のBarcarolleを聴きながら、ショパンのじゃがいもを揚げよう...
ドーバーソール(ヒラメ)のレモンバター・ムニエルの付け合わせに。

しつこいが、うちのレモンはリストのレモンなのでなかなかいい組み合わせかも...
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ベートーヴェンの芍薬2020




イングランドの庭で、芍薬にはベートーヴェン、いちごにはショパンを聞かせて育てている(笑)のだが、今年はいちごがなく、トマト。

トマトには何が効果的なのか...どなたかご意見をお願いします。

ちなみにレモンはリストのレモン、いちじくはブラームスです(笑)。いぶし銀のようないちじくを収穫するつもりです。




芍薬劇場。

一喜一憂させられている。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

フランボワーズの誘惑





英国はベリーの季節だ。

普段のサイズよりひと回りもふた回りも大きい、宝石のようなフランボワーズがスーパーにも出回っている。

満を持して5日間冷蔵庫で寝かせた卵白でイスパハンに2度目の挑戦...


初回よりはましな仕上がりではあったが、まだ見直す点が多くある。

小さいサイズのマカロン・シェルは上手に焼けるのに、20センチの大型になると絞り出すのも焼き加減も難しい。
膨れ上がってしまうのは泡だてすぎなのか、焼く前に天板を台の上に落として空気を抜くべきなのか。
ピエール・エルメの本には「180度で20分から25分焼く」と書いてあるが、これは絶対にミスプリントだ...

隔離生活が明けるまで、いや、フランボワーズのサイズが大きいうちにマスターしたい。

技術習得と引き換えに体重増加をメフィストフェレスが要求してくるのが心配なのだが。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

いつかまた旅に出るための本





英国の隔離生活ももう10週目。 

最近では逆に社会復帰(「メイフェアに13時、その後コヴェント・ガーデンに19時」とかの逆算ができそうにない...)ができるのかが心配なくらい、半径1マイルのドメスティックな日常が身についてしまった。

さらに、もともと視野が狭いタイプなのに、ますます頭が悪くなっているのが体感できる。
ほんとうに心配だ。


旅好きとしては早くどこかに行きたい。


わたしも夫も旅好きだ。
例えば去年は


ベルギー 6回
イタリア 6回
フランス 3回

オーストリア
アメリカ
ドイツ

チェコ
日本
ドバイ

アブダビ
スペイン

(英国内は含まず)

夫はこれらプラス単独で出張にも出ている。


わたしは荷物は決して少ない方ではないが、用意は寸分で完成する。
クロゼット内に旅行用の棚と、どこに行くにも共通携行物のチェックリストを準備してあるからだ。

旅行用のものはジュエリーケースから携帯用ルームキャンドル、変圧器やチャージャーの類、使えそうな化粧品の試供品やジップロックまで、すべてその中に整理している。
チャージャーなどを旅行前になって探し回る必要がなくなったのは気持ちがいい。


いつか旅行用品だけを取り揃えたお店がしたい。
オリジナルの携帯用ルームキャンドルを作って、そのひとつひとつに世界中の街の名前をつける...

昔はどうぜ妄想で終わりそうと思っていたが、昨今ではバーチャルでいくらでも可能というのがいい。
それでもおそらく妄想のままだろうが(笑)。



多くの国で移動が可能になりつつある。
もう出かけた行動的な人も、具体的に計画を立てている人も、なんとなく空想している人もおられるだろう。

目下のわたしの空想旅行ネタ本は、パッラーディオほかのルネッサンス建築の写真集だ。
夫はカラヴァッジョの絵画を全制覇するのが夢なので、カラヴァッジョの豪華本を眺めている。

宿泊可能なパッラーディオ建築Villa Saracenoもあるので、もちろん行ってみたく、こういう建物の中にこういう部屋と時間があって、こういう服装をしたく、周りにはこういう人がいて、こういう歴史があって...と





果てしないロマン。


この秋はパルマでFornasettiの展覧会があるので、ついでに周辺のパッラーディオ建築をドライブ旅行で見て周ろうと思っていたのになあ...
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ