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ロンドンより愛をこめて




Happy Valentine's Day


こちらでは男性から女性に花を贈るのが一般的だ。

一方、医師の娘はこのところ患者さんからしょちゅうお花を頂いてくるので、「いつもありがとう」的な、義理チョコほどはドライではないが、やさしい気持ちを込めてチョコレートを贈る的な、そういう意味合いもあったりするのだろう。


花屋さんも売り場を拡大、スーパーマーケットやキオスクもヴァレンタイン花商戦に挑む。
広場や駅のコンコースなどにも臨時の売店が出て、赤い花を商う。

普段より5割以上、わたしの感覚では7、8割は値が上がっているかなあ。
まあ男性は普段、赤薔薇がいくら...とはご存知ないでしょうな。

男性が次々とやってきては、花を買っていく姿を見るのをわたしは毎年楽しみにしている。
ジェントルマンと花束の組み合わせほどすてきなものが他にあるだろうか。

こういう季節の情景を、お茶をしながら眺めて楽しんでいる人ってわたし以外にもいるだろうか...



ベラスケス『鏡のヴィーナス』17世紀
@ナショナル・ギャラリーただいま改装中で展示が少ない


聖ヴァレンタイン、そして愛と美と豊穣の女神ヴィーナスくらいかなあ、と思ったが、彼女は自分の恋愛に熱心で、人間には興味がないかも(笑)。
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家にツリーを飾ったら...旅に出る




クリスマス・イヴは1か月後...
家のなかに3本目のツリーを飾った。

一枚目の写真は途中経過。

これで心おきなく旅に出られる。




完成。

何が違うかって?

ろうそくの数が40本になったのと、壁の絵(笑)。




リースは年中飾っているものを除くと、こちらも季節のものを3本。

離れにも一つ、大きいのを飾ろうと思っている。
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ノッティング・ヒルのお化け




Getting in the spooky spirit...


あの世がこの世に染み出してくる...今夜の外出はお気をつけて
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レンガづくりの城




エルストモンス城 Herstmonceux Castleは、イングランド南部のイースト・サセックス州 East Sussexにある15世紀に建てられた「レンガ造りの」城である。

先日、この近辺を通りかかり、フランス風の名前にひきよせられて立ち寄ったのだった。

イギリスで現存する最古のレンガ造りの建物のひとつだという。
しかもフランダース(現ベルギー北部)の建築業者によって、地元の土から焼き上げたレンガを使用して建てられたと。
残念ながら修復中で、ウィキペディアで見ると美しいファサードにはカバーがかけられ、内部も見学できなかったが。


名前がフランス風なのは、もちろんこのあたりがノルマン・コンクエスト(1066年)の舞台だったからであろう。

これ以降、防衛目的や領地支配の象徴としての城がバンバン建てられ、イングランドには、廃墟となった城も含めて今現在で1500以上も残っているそうだ。
英国全体では4000と聞いたことがある。

完全な廃墟あり、観光地あり、王室所有の城(いっぱいある)、大貴族の有名な城、女優が子供時代を過ごした小さな城(<賃貸に出ていて本気で内覧に行ったことがある)、ホテルや美術館に改装されたもの、維持費が間に合わず、パーティー会場として露命をつなぐもの...

しかしレンガ造りの城というのはあまり見ない。
「城」というよりも、「邸宅」に見えてしまう...




そういえば、「城」と「大邸宅」とか「宮殿」の違いは何なのであろう?


城(Castle)、宮殿(Palace)、大邸宅(Mansion)の主な違いはその目的、機能、建築様式にある。

城は、防衛と統治を目的として、中世(9世紀から16世紀ごろ)に建てられた。
年がら年中戦争ばかりやっていた時代、領主や王族が外敵から領土を守るための拠点として建てたものである。
厚い石壁、堀、塔、見張り台などの防衛設備を持ち、軍事と権力の象徴である。

であるからして、現代的な視点で見ると快適そうだとはとてもいえない。まず極寒で、不潔で、暗かったであろう。どれだけ権力を誇った王に比較しても、現代のわたしのほうが比較にならないほどいい生活をしてる(とほくそ笑む)。


一方、宮殿(Palace)は17世紀以降に発展し、王族や貴族の豪奢な居住、公的な儀式の執り行われる場として建てられた。
政治、外交、文化の中心であり、防衛機能はなく、権威と富を誇示するための象徴的な建物であるといえる。
外部も内部もとにかくゴテゴテと芸術や装飾で満たされ、豪華絢爛。
バロックやルネサンス様式が多く見られる。


大邸宅(Mansion)になると、17世紀以降、富裕層や貴族が、快適かる誇示的に住まうための豪華な私邸。居住の快適さや美観に重点を置いているといえよう。
住み心地の良さや豪華な室内装飾を備え、権力よりも、富と社会的地位を反映している。
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馬上槍試合は騎士のたしなみ




「電波の届かない草原にいたのでお返事できなくて失礼しました
馬上槍試合を観戦していたの」

と、ラインメッセージを友達に送ったら、彼女からの返信は
「馬上槍試合って、馬術みたいに優雅なんですか?」



わたしの下手くそな写真では静止しているように見えるが、全速力とまではいかないものの、
結構な速さで馬を走らせている


馬上槍試合は、先刻のパリのオリンピックでヴェルサイユ宮殿を舞台にしたドレサージュのように優雅なものではない。

中世の騎士のコスチュームを身につけ、左右から美麗に着飾った馬をパカパカと走らせ、3メートルから4メートルある槍(ランス)で突き合う武術競技、トーナメントである。
Jousts(一騎討ち)という。
槍で突いて相手を馬から落とすか、相手の盾に当てて得点する。

雅さでいえば、日本の流鏑馬の方が神事だけあってずっと雅である。


わたしがまず思い出す馬上槍試合といえば、目に致命傷を負って死亡したフランス・バロワ朝のアンリ2世であり、それを予言したというノストラダムスの大予言...



女性騎士。カッコイイ


この日、なぜこのようなものを鑑賞することになったかというと、天気が非常によく、夫が「先日からよくポスターを見かける馬上槍試合、見に行く?」と午後2時ごろ言ってきた。ちょっとのぞいてみて期待外れなら、会場近くでお茶を飲んで帰ってくればいいのだし、と。

ベルギーのブルージュでもこの手の競技は見たことがある。

クラブに同好の士が集まって(時には中世のコスプレをして)、アーチェリーやフェンシングや...を楽しむのである。
オープン・デイなどの日に、外部にも開かれたデモンストレーションがあり、外出のついでに立ち寄って、15分くらい見た記憶がある。
夫もそういうつもりだった。



馬上槍試合トーナメントで3回優勝した方だそう


会場に到着すると、規模がかなり大きく、入場料に大人二人で58ポンド(1万円!)も取られたのには開いた口がふさがらなかった。
タダだと思ったから行ったのに(笑)。
ちょっとのぞいてみて期待外れなら帰る、という金額ではない。こりゃ覚悟を決めてモトを取らねば...

会場の森に入るとあちこちに騎士、町人、職人、姫、貴族、道化師、妖精...などのコスプレを楽しむ人が歩き回っている。

鷹匠が、大天使のように美しい鷹にシャワーを浴びさせ(「彼女はシャワーが大好きなんですよ」と)、ブラック・スミスは熱い鉄を打つのに余念がない。
この鷹匠一家は全員でコスプレをしていた。



鷹匠と、シャワーを浴びてご機嫌な鷹嬢


隣にはキャンプサイトもある。
中世・ルネサンス期のコスプレをしつつ、英国全土で夏に開かれるこういったイヴェントに参加して周る趣味の人がいるとのこと。


その先の芝生の競技場で、まず見たのは歩兵の戦いだった。



整列する歩兵。
戦闘中はわたしが口ポカーンの状態だったため、写真がない(笑)


これがわたしの想像を超える、なんでもありの野蛮な殴り合いだった(鎧を着ているのでどのくらい実害があるのかはよくわからない)
技の洗練やスマートさなどは皆無である。

鎧を着た男たちがフリースタイルで戦う。
殴る蹴る、槌や剣でなぐりかかる、飛びかかる、なんでもあり。
土がついたら「死亡」とみなされ、それ以降は競技に参加できなくなる。

鎧を着ているため、動くがノロく、おもしろおかしくもある。

最後まで残ったのは、「そりゃそうだろう」という感じの、縦にも横にも恵体の中年の男性だった。2メートルは身長があるにちがいない。
フリースタイルはやはり重量も縦の長さもある、筋肉の塊のような力士タイプが有利なのだ、というのは、こういった競技に全く興味のないわたしにでもわかる。




そして最後のメインイベント、馬上槍試合...

この日の試合はプロレス型であった。ショー形式で、最後は平和に引き分け。
ガチンコのトーナメントも見学してみたいなあ。

馬上槍試合は、騎士の勇敢さや技術を示すための重要なイベントで、貴族たちが観戦する人気のスポーツだったという。

それでも、突きどころが悪ければアンリ2世のように...


わたしも次回は巴御前のコスプレをして参加したいと思う。

おそらく大人気だろうと思う(笑)。
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