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運河が交差するところへ(ブルージュ観光)




秋に旅行を予定なさっている方からメッセージをいただいたので、今日からこちらでもおすすめをいくつかご紹介します。

まずは先週のブルージュ滞在中、人の少ない静かな、しかもブルージュらしいエリアを歩いたルートを。


わたしのおすすめは、まずマルクト広場からヴラーミング通り(Vlamingstraat)をとり、ブールス(Huis Ter Beurze)のある地点で右折、アカデミー通り(Academiestraat)つきあたりのヤン・ヴァン・エイク広場(Jan Van Eyck Plein)まで行く。この地点で観光客はだいぶ減る。

運河沿い両脇に伸びるスピノラ・レイ(Spinalrei)かスピーヘル・レイ(Spiegelrei)を200メートルほど歩くと、運河が左右に分かれる地点に出る。
この風景を楽しみ、左折し、さらに左折した点でホウデン・ハンド・レイ(Gouden-Handrei)沿い(上写真)をメムリンクの像の立つ、水曜日マーケット広場まで(Woensdagmarkt)歩く。

晩夏の午後、乳母車を押しながら携帯電話を見ている若い父親とすれ違った後は誰も歩いていなかった。
これでまたヤン・ヴァン・エイク広場(Jan Van Eyck Plein)に戻って来られる。

ホウデン・ハンド・レイ(Gouden-Handrei)は後回しにして左折してためらわず直進、ポッタリー・レイ(Potterierei)を辿ってOur Lady of the Pottery教会に行くのもいい。

ちなみに右折するとセント・アナ・レイ(Saint-Annarei)で、こちらを歩いてラング通り(Langestraat)に出、右折してブルグ広場に戻ってもいい。

右折も左折もせず直進するとブルージュ最古のカフェ(フラマンではカフェといえば酒の飲めるバアのこと)Vlissinghe(Blekersstraat2)がある。こちらはもちろん観光客が多いが。


いつかブルージュ・スタイル・ツアーができたらいいなあ。
ブルージュが欧州一繁栄した15世紀ごろへタイムスリップするような。
参加してくれる人いるかな?!

......


夏の終わりだからか、あるいは小観光都市ブルージュの常なのか。
愛の湖まで散歩しながら途中懐かしい店でワッフルを食べようと、うっかり聖母教会のあるカトレーヌ通り(Katelijnestraat)からベギン会(Begijnhof)にかけてのエリアに足を踏み入れたら大変な混雑にはまってしまった。

目指したワッフル店はもともと地元民が行くような店だったが、英国のガイドブックに載ってからは倍々で観光客が増え、今回は2組の団体ツアー客が入っているので席が用意できないと言われた。
よく知っている店のマダムは店先にはいなかった。

ブルージュでは毎年確実に観光客と観光客向けの店は増え続けている。
観光産業で成り立つ小都市としてはありがたいことなのだ。
が、例えばカトレーヌ通り(Katelijnestraat)からウォル広場(Walplein)へ抜ける小道は以前は混雑よけの抜け道だったのに、今では観光ルートになってしまったようで、文字通り立錐の余地もない。

産地も怪しげなチョコレート店もさらに増え、地元民は決して利用しないような軽薄な飲食店がわらわらと増えていて、あまりに度がすぎるとブルージュをブルージュたらしめている要素が消えてしまうのではないか危惧してしまう。

観光に来る人たちは世界中どこにでもある店や、リピート客を勘定に入れていないいいかげんな店で買い物をしたり食べたりしたいわけではなかろう。
地元民がゆったり食事をする馴染みの店、子供の頃から知っているチョコレート店を求めているのではないのか。

短期的な経済的成功を求めてのみ出店していては、その基盤としての都市が荒れてしまう。
特にグローバル企業は地元の永続的な福利的・文化的繁栄などハナから気にしていないので長期的にはさらに悪いことになる。

バランスを取るのは難しい。
何を目指すのか。
短期的な経済的成功を求めるのか、あるいは子どもら孫らの世代に責任を持ち、どんなバックグラウンドの人間でもよりよく生きられる成熟した世の中を目指すのか。
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