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ハンプシャー州の6月




「6月の花嫁」と言いますわな。

あれは、一年のうち、6月が最も美しい季節だからなのだが、今年は冴えない天気が続いている英国南部地方である。
最高気温20度以上にならない日々...ヨーロッパのカラッとした夏はいつになったら...

この週末は久しぶりに快晴だった。
晴れ女のわたしが、ハンプシャー州のフォーシーズンズ・ホテルへ行くと決めていたかもしれない。
娯楽は料理のクラス、エステ三昧、ハイキング、乗馬、魚釣り、運河のボート...

運河?!
そういえば前からパンフレットにそんな写真が載っていたのには気がついていた...





英国南部のハンプシャー州から、ほぼロンドンまで50キロ以上に渡り、18世紀に建築された運河が残っている。

18世紀当初は、ハンプシャー州の農業振興のために造られたそうだが、現在はさまざまな形のボートやカヤックに乗って川遊びをする人や、わたしたちのように川沿いをひたすらハイキングをする人たちで賑わう。
いや、賑わってはいないか。

とても静かでいいところだ。




運河は、英国の産業革命で重要な役割を果たした。

当時、輸送システムとしては、すでに「馬車鉄道」が存在した。
「馬が線路の上を走る車両を引く鉄道」ですよ、えええーっ、それ鉄道の上を? と思いませんか?
「荷台は馬が引く」、というパラダイムはなかなか拭えなかったのだ。車輪が引く、という発想の転換をするまで時間がかかったのだ。おもしろいなあ。

まあそれはおくとして、大量かつ迅速に運べる道路や手段は、運河利用が一番だった。
運河を航行する船は、陸路よりも早く安全に大量の荷物を運べたのだ。
思えば、世界中どこへ行っても重要な街は必ず川のそばに興った。

産業の中心地を結ぶ運河網が整備されると、資源や製品の輸送に大きな利益をもたらし、それはまた商品の価格の下落をももたらした。

19世紀初めには運河システムはさらに発展、技術的な進歩も著しかったものの、19世紀半ばからは急激に鉄道が優位となり、運河は衰退していった。
鉄道会社による、運河の戦略的な買収や統合が複合的に作用した結果だという。




次回、誰かが遊びに来てくれたら、このハンプシャーの運河遊びとフォーシーズンスをセットにして楽しんでもらいたいなあ、と思った。

ウンチクは言いませんから安心して来て頂戴。
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