生涯学習の部屋

資格取得数238。6つの修士と18の学士と2つの短期大学士。MBAサラリーマンの生きがい発見生涯学習奮闘記。

またもやNVQ!

2013年01月16日 22時12分49秒 | ちょっと立ち止まって・・・
本日の日経新聞朝刊5面に、またもやNVQという言葉が踊っていた!

「NVQ」とは「NATIONAL VOCATIONAL QUALIFICATION」の略称である。「働けない若者の危機」という記事の中に「遅れる公的訓練」という項目があり、そこで、英国は1986年に始めた職業能力評価制度(NVQ)という制度があり延べ985万人が取得済、金融危機後には年間90万人以上が認証を取得したと書かれていた。

延べ985万人が取得済の資格。しかも、日本より人口が少ない英国でである。訳のわからぬネット資格を集めて、資格の数が多いだの少ないだのに一喜一憂する国もあれば、資格制度がしっかりしており、資格取得=修士や、学士と同等にみなす風潮のある国もある。

本当に、その「誰でも取得できる民間資格」が、あなたの人生に必要なのか?

無論、その「誰でも取得できる民間資格」を集めるのが、己にとって、この上のない「趣味」なら何もいう必要はないだろう。しかし、自分自身が「資格の数の魔力」に魂を売りかけたからこそ、「履歴書に書くことすら恥ずかしい」レベルの、意味のない資格に時間を投下するのは、一回しかない人生にとって最大のムダと言い切れる。

取るのなら履歴書に書ける資格。できれば国家資格か、有力な民間資格。それこそが生涯学習なのだから。常々言っているのだが、欧米の社会人の行う生涯学習は、仕事に直結し、かつ実利のあるものである。学位制度が確立しているので、一旦仕事をやめてMBAに行くのである。あるいは、仕事で昇格する条件(職務要件)に、カレッジ卒や大学卒、あるいは修士、あるいは博士とあるからこそ、時間を投下して学ぶのである。そして、それが生涯学習といわれている。

私のように、人生の正午を越えた世代ではなく、若い世代の方々は、くれぐれも数を追い求めることなかれ。大切な時間を、できれば中級以上、かつ、仕事に関連する資格に投下して欲しい。あるいは、キャリアチェンジのため、仕事とは直接関係ないが、興味のある学問の学位を取得しておいて欲しい。

特に学位は、すぐには取得できない。万一、自分にチャンスが回ってきた際、興味がある証拠として、コツコツ学習していた成果としての学位を披露できることが、どれだけ、相手にインパクトを与えるか。想像してもわかるだろう。自分から積極的に職探しをしているなら、あって当然の学位や資格。しかし、偶発的にめぐってきたチャンスに対して、さりげなく有資格者であることを示せることが、社会人としての素養であり教養だと思っている。

日本にもNVQのような尺度となる職能資格制度があればいいのだが、現状は、自分で最適と思われる資格や学位を目指すくらいしか代替案が浮かばない。
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さまよう「非正規博士」

2013年01月16日 21時50分41秒 | ちょっと立ち止まって・・・
このような表題を見るだけで、なんとなく、心が暗くなる・・・

そう、本日の日経新聞朝刊1面の記事。「働けない若者の危機」のコーナーに掲載された記事のタイトルである。サブタイトルが「氷河期世代」だから、もう、内容はお決まりの「高学歴ワーキングプア」というのが見え見えである。

「博士の職場が減っている」というタイトルのついたグラフでは、博士課程修了者が1.6万人程度いるのに対し、大学教員採用数は1.1万人程度であり、そもそも、毎年恒常的に何千人もの採用されない「ポスドク」が生まれ続ける構図が、2000年ごろから定着しているのだ。

需要に比べ供給が多いのだから、「働けない若者」が誕生しても不思議ではない。やはり、博士が多すぎる。あるいは、博士取得者が働こうとする職場が限定されすぎている。日本の銀行業界でも修士までは採用の事例は普通にあるのだが、博士は聞いたことがない。私の情報不足なら申し訳ない。

日経新聞で取り上げられた神戸女学院大の39歳の講師の方は東大で博士を取得した。それでも、約30回落ち続け、37歳で、やっと初の「正規」ポストをゲットしたそうだ。

「知識や技術を磨き博士となっても働き口を求めてさまよう姿は、現在の氷河期世代の構図を端的に表す」と記事には書かれている。東大の博士でもこの惨状。なら、やはり、社会人は色気を出さず、生涯学習のために学位を取得すべきであろう。それを仕事にあてがおうと思った瞬間から、最高学位ですら職にありつけない「現実の世界」に追いやられるのだから。私が苦しみながらも、楽しみの中に学位取得ができるのも、それが本職ではなく、仕事外の生きがいゆえなのだろうから。むしろ、今のような学び方こそが、自分には最適だと思っている。
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