(続きすぎ・・・)
全ての希望を奪う、使徒ラミエルの一撃。
炎上する山。
なり響く警告音。
幸運にも直撃を免れ、再度反撃の準備を始めるNERV。
「エネルギーシステムは?」体勢を崩したまま確認するミサト。
「まだいけます。既に再充電を開始」
「陽電子砲は?」
「健在です。現在砲身を冷却中。ですが、あと一回撃てるかどうか・・」
「確認不要。やってみるだけよ」立ち上がるミサト。
まだ戦いは終わっていないのである。
ミサトは通信回線でシンジに問う。
「シンジ君、大丈夫?
急いで、初号機を狙撃ポイントに戻して。・・・シンジ君?」
シンジの返答が無い。
そしてモニターに映し出される初号機パイロット。
その姿は恐怖に脅え、震えていた。
「う・・・ううっ・・・」
その姿を見たNERVの総指令であり、シンジの父親でもある男----
碇ゲンドウが非情の判断を下す。
「現時刻を以て初号機パイロットを更迭。
狙撃手は零号機パイロットに担当させろ」
副指令が疑問を挟むが、ゲンドウの心は揺るがない。
「使えなければ切り捨てるしかない」
「待ってください!!」
ゲンドウの冷徹な判断に、作戦部長であるミサトが異議を立てる。
「彼は逃げずにエヴァに乗りました。
自らの意志で降りない限り、彼に託すべきです!!!」
目に涙を浮かべるシンジ。
「シンジ、頼むで」
「碇、頑張れよ」
シンジの頭の中に友の声が過ぎる。
その声に突き動かされるように、シンジは手を伸ばす。
「自分の子供を、信じてください。
・・・私も、初号機パイロットを信じます!!」
ミサトの言葉にゲンドウが折れる。
「任せる。好きにしたまえ」
「ありがとうございます!!」
地べたを這いずりながら必死に立ち上がろうとするシンジに、
ミサトは最後の言葉をかける。
「今一度、日本中のエネルギーと一緒に、私たちの願い、
人類の未来、生き残った全ての生物の命、
あなたに預けるわ。がんばって!!」
「はい!!!」
そう力強く返事をするシンジ。
先程までの弱々しさは消えていた。
反撃の準備が進む。
「銃身、固定位置!」
「初号機、G型装備を廃棄。射撃最終システムをマニュアルに切り替えます」
「敵先端部、本部直上0地点に到達!」
「第2射、急いで!」
「ヒューズ交換!!砲身冷却終了!!」
「射撃諸元、再入力完了! 以後の誤差修正は、
パイロットの手動操作に任せます!」
狙撃準備に入るシンジ。
しかしそれを黙って待つラミエルではなかった。
「目標に、再び高エネルギー反応!!」
ダメ押しとも言えるラミエルの一撃。
今度こそ絶体絶命かに見えた・・・
そのとき!
直撃を受けずにいるシンジが目を開ける。
シンジの目に映ったのは、
加粒子砲をシールドで防ぐ零号機の姿だった。
出撃前にレイは言ったのだ。
「あなたは死なないわ。私が守る」と。
「綾波っ!!!」
しかしいくらESVシールドとは言え、
ラミエルの強烈な加粒子砲の前では長くは持たない。
次第にESVシールドは破壊されてゆき、
零号機の損傷が大きくなってゆく。
このままでは綾波レイの生命まで危うくなる。
「はやく・・・はやくっ!!」
つづく
(おいおい)