シモンのとっさに掘った穴により、二人は一命を取り留める。
しかしカミナはそんなシモンの行動を容認できなかった。
「シモン、なんで穴なんか掘った」
「怖かったんだよ…逃げたしたかった。もう嫌だよ・・・村に帰ろう?」
「シモン!!」カミナは天を指差す。
「オマエのドリルは天を衝くドリルだ!逃げる為じゃねぇ!」
そして決戦に備え休もうとするカミナ。
そのカミナをヨーコが待ち伏せる。
ヨーコはカミナに言う。「ラガンに乗せて」
だがカミナは同意しない。
「シモンはやるよ」
根拠のないセリフ。ヨーコには理解できない。
あの弱々しいシモンを、どうしてカミナはそこまで信頼できるのか?
「理屈じゃねんだよな。テメェを信じるからアイツを信じる。
同じなんだ、俺にとっちゃ。それがつまり相棒なんだよ」
-----朝。
決戦の時。
カミナはグレンの上でヴィラルを待つ。
シモンのラガンは再び起動不能に陥る。
そしてヴィラルが到着する。
激闘が再開される。
だが、やはりヴィラルの圧倒的な優勢に変わりはなく、
カミナは瞬く間に追い詰められる。
カミナが追い詰められてゆく姿を見ても、
シモンに戦う意思は生まれなかった。
「やっぱりダメだよ…無理だよ…みんな…もうヤメてよ!アニキ!」
弱気なシモンにヨーコが言う。
「見てなさい。彼は立ち上がるわよ。何度でも」
その言葉通りにカミナは立ち上がる。
ヨーコは続ける。
「カミナは言ったわよ。自分を信じるな。
オマエ信じるオレを信じろって…アンタはどうなのっ!?」
「オレは…」
「オレは…」
「オレはっ!!」
シモンのカミナを想う気持ちが力を生む。
その一方で、ヴィラルが今まさにカミナへのトドメの一撃を放とうとしていた。
だが寸前のところで、シモンが地中より突撃し、それを防ぐ。
「へっ!やっと来たな!シモン!」 相棒の登場に喜ぶカミナ。
「怖いよ…怖くてたまんないよ…
でも!アニキを見殺しにする方がもっとイヤだっ!!」
「よく言った兄弟!こうなったら最後の手段だ!アレやるぞ!」
「アレ?」
「合体だ!」
そう叫んだカミナは
ラガンをグレンの頭部にブチ込む。
合体どころか、ただグレン破壊したに過ぎないカミナの奇天烈な行動に、その場にいた誰もが呆れる。
、
そんなカミナに対してトドメの一撃を放つ。
だが!その時グレンとラガンに異変が起こる。
ラガンの目が発光したかと思うと、
強力なエネルギーフィールドを形成して、エンキの攻撃を無効化する。
そしてゲージが急速にスパイラルを描く。
ただのハッタリでしかなかった合体が、本当に合体してしまう。
手足が延び、顔が二つ、姿勢はエンキと同等のものとなる。
「男の魂、燃え上がる。度胸合体グレンラガン!!」
グレンとラガンが合体し、変貌した姿にカミナが命名する。
変貌を遂げたのは姿だけではなかった。
これまで全く歯が立たなかったヴィラルを圧倒する。
「バカな!何故これほどのパワーアップを!!
小型のガンメンとくっついただけで!」
あまりの突飛なグレンの変貌に畏怖を感じるヴィラル。
「オマエには一生わかんねぇよっ!!」
一気にケリをつけようとするカミナ。
だが一瞬のスキをついて、
ヴィラルは姿を消す。
追撃しようとするカミナをシモンが制止する。
「怖いけど、今はそうじゃない。明日勝つために!」
「オマエのそういう所が、オレを救ってくれる」
こうして強敵を退けたカミナとシモン。
彼らは敵の本拠地目指して旅立つ。
つづく(しんどい)