友ちゃんブログ

適当で、いい加減・・・それが理想

先輩ありがとうございました

2016年02月12日 01時15分55秒 | ブログ

昨夜は、私が建築業界へ入りたての頃、大変お世話になったS先輩のお通夜だった。

22~23才の頃だったろうか。

入社して1年が過ぎた頃から、私は先輩に付いて現場監督助手として仕事をしていた。

現場の年代は前後するが、記憶に残っていることを・・・。

 

公営団地松山団地B棟新築工事

この現場はお隣A棟を市内他社が請け負っていた。

隣同士なので、当然S先輩は「〇〇建設には負けない!」とライバル意識丸出しだった。

確か、1階のコンクリート打設が同じ日だった時だったと思う。

S先輩は秘策を打ち出した。

コンクリート打設を朝6時から開始。

打設終了後いったん帰宅。

「隣は早く引き上げたばい」と思わせておいて、夜10時に大工さんらと再び現場に集合し墨出しするのである。

そして、翌朝一番から型枠建て。

お隣が翌日出てきて墨出しをしている時に、すでにこちらは型枠を建てているのである。

当然隣りは驚いている。「いつ、墨出しをしたんだ?」ってね。

「ざまぁ~みろ!ってなもんだ。これで1日リードだ!」という訳だ。 

そしたら、次からお隣も同じ戦法に出た。

負けじと、S先輩はどうしたら工期短縮できるか、一生懸命考えてたなぁ。

 

市営古賀島団地A棟新築工事。

ここでは側溝で失敗した。

型枠を外した後、バックホーで埋戻し転圧したら、側溝の幅が1~2cm程狭まってしまった。

S先輩「あいたぁ~、埋め戻す前に桟木でツッパリをしとかんばやった~」

既に現場に搬入しているコンクリートの側溝蓋が入らないのである。

ロードカッター屋さんを呼んで、何十枚も蓋の幅を切った。

団地前の公園の遊戯施設の配置は私が考えた。今はどうなってるのか?

前は通るのに気にしなくなってしまったなぁ。

 

貞松病院医院長(当時)宅新築工事。

基礎のくい打ち当日、S先輩たちは1級建築士の試験だった。

アースオーガーである程度穴を掘り、ディーゼル(だったっけ?)ハンマーで杭を打つのだが、

1ヵ所予定強度が出る前に、基礎底盤より1m程簡単に入ったので、止めた。

途中で設計事務所から電話が入った時に、その一か所を「途中で止めた」と言ったら、

電話口で「何で勝手に止めるんだ。頭を掘り出して、もう一本を溶接して、強度が出るまで打て!」って怒鳴られた。

杭屋さんにお願いして剣スコで掘ってもらった。

 

また、ある日。

院長先生が現場でS先輩と話をしていたら、

病院から看護婦(今は看護師)さんがやってきて、

「先生、あそこが曲がっているので、治して欲しいという患者さんがみえているんですけど(笑)」と告げると、

「『それは、治せない』と言いなさい」と。

笑ったなぁ~。

 

当時はウォシュレットが珍しかった。

今みたいに着座センサーは無かったので、ボタンを押したら水が出た。

他の先輩とどんなもんか試してみた。

ボタンを押したらノズルから水がピューっと出て、二人の頭を超えて廊下を濡らしてしまった。

これも笑ったなぁ。

 

ニチレイフーズ 長崎工場

こちらでは時折、冷凍食品を頂くことがあった。

だた、あの工場内の独特なにおいにはなじめなかったなぁ。

 

ライオンズパチンコ新築工事。

今はボートの「前売り場外おおむら」(富建本店前)になっている。

ここは、工期が無いうえに、開店日が1日遅れる毎に500万円の違約金を払わないといけない契約だったらしい。

他社は逃げた(高い金額で入札した)と聞いていた。

S先輩が現場を任されることになって、私が下に付くことに。

S先輩「友〇君、工期が間に合わんやったら逃げるけんね」と半分真面目に言われた。

随分夜中までやった。おかげで予定通り開店し逃げずに済んだ。

 

ボートレース(賭け事)が好きで、時々現場を抜け出して、同好の業者さんとボート場へ行っていた。

そういえば、私の初めての掛けボートは先輩に連れられて行ったのだった。

「これでせんね」と3,000円くれたんだった。

今となっては楽しかった思い出ばかりである。

 

 

S先輩からは、いろんな事を教わった。

短気だったらしいが、特にガミガミ言う人では無かった。

いつも優しい口調だった。

お客(施主)さんや、官公庁の担当からの信頼も厚かった。

なかなか会う機会も無かったが、

最後にお会いしたのは2・3年前ぐらいだろうか。奥様とお孫さんと一緒だった。

 

すっかり痩せ細った顔を見て、涙が出た。

先輩、ありがとうございました。

合掌。

 

 

 

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コメント (4)
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