遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

箱根無垢寄木細工市松紋ボウル

2022年02月05日 | 漆器・木製品

箱根寄木細工のボウル(菓子器?)です。

大:径 23.3㎝、高 5.0㎝。 小:径 11.3㎝、高 2.9㎝。現代。

同じタイプの木皿(ボウル)が、大1個、小10個あります。

市松模様を中心とした幾何学模様が全面に表れています。

この品は、箱根細工の一種、無垢寄木細工です。

よく知られているように、箱根で江戸時代から続く木工細工です。まず、色の異なる様々な木を組み合わせて接着し、複雑な模様のブロック(種木)を作ります。これを特殊な鉋で削れば、複雑な模様のシート(ズク)ができます。このズクを貼り付けた物が通常の箱根寄木細工です。

それに対して、今回の品は種木ブロック自体を轆轤で削って製品にしたものです。通常の寄木細工をスライスとするならば、これはホールですね(^^;

鉋で削ってシート状のズクにすれば、100枚位は取れますが、無垢で使えば、一個しか作れません。 今回の品のような器形では、全体の四分の三は削りカスに消えています。ゼイタク(^.^)

 

小さい方のボウルについても全く同じです。

大ボウルも小ボウルも、正方角の細木3種を接着してブロックにした種木を削り出してあります。見込みと裏底は断面方向、側面が長さ方向です。断面には市松模様が、削り出された側面には、複雑な模様が出ています。

ざっと勘定して見ると、大のボウルでは、5㎜四方角で長さ5㎝ほどの色違い細木を約2300本、小ボウルは、長さ3㎝ほどの四方角木を約570本、使用しています。これを一本一本接着していって種木を作るのですね。頭が下がります(^.^)

無垢の寄木細工は戦後生み出され、そのデザインが現代の感覚とマッチして、人気急上昇中のアイテムです。

ところで、こうやってずっと市松模様ボウルの写真を見ていると、同一の品を見ているような感覚にとらわれませんか?

実際は、こんなに大きさが違う二つのボウルです。

市松模様は、不思議な感覚をもたらすのですね(^.^)

 

 

 

 

 

コメント (8)
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