先回、観世流の公式見台を紹介しました。
ところが、うっかりこれを削除してしまいました。何とか回復する方法はないものでしょうか。
やむをえません。暇をみつけて、アップし直します。
そういう訳で、がっくりしながら、今日の品です。
平凡な木の箱(15x35x6cm)です。
なにやら、木の部品がいろいろ入っています。
二つの木を組合すと・・
台ができました。
棒をこの穴に差し込むと、
ピッタリと納まりました。
上部に、黒く細長い木部があります。
下の穴にクサビ(無くなっていたので、割り箸で代用^^;)をギュッと押しこめば、固定完了。
さらに、意味ありげなパーツが。
もう一つ、平らな板。
板を広げると倍の大きさになります。裏側には、溝が切ってあります。
この溝に、先ほどの意味ありげなパーツを差し込めば、ピッタリと嵌まりました。
これを、台棒の穴に差し込めば・・・
譜面台が出来上がりました(^.^)
裏側の穴の位置によって、譜面台の角度を変えることができます。止め棒は、これまた割り箸で代用(^^;
譜面台は上下に動かすことができます。台棒の黒い細木をギュッとおさえれば、譜面台が固定されます。高さ調節ができるのですね。
こういう可動部は、金属でできた西洋式譜面台を手本にして、日本流にアレンジして作ったのでしょう。
職人の技に一本(^.^)
昭和の初めごろの品でしょうか。注文した人もセンス有り。
左下に金で瓢箪が、右上には銀で月が描かれています。これは、観世流見台のマークですね。瓢箪と月が左右逆ですが堅い事は言わず、瓢箪横の汚れもやり過ごせば、実用品です。
今日は、気分を新たにして、『砧』。聞かせどころの「砧の段」ですが、和洋折衷譜面台のおかげで顔をあげて謡うことができました。調子もまずまず(^.^)
1台ずつ手作り、その手際のよさ。素晴らしいですねぇ。
設計した人も、組み立てる人も、両方とも頭脳がものをいいますね。
そういえば、からくり人形。
子供心にゼンマイで動くおもちゃよりからくり人形に惹かれました。
私も「自称発明家」ですので、カラクリ人形やこのような技あり作品が大好きです。
身近にあるもので、新しいものを考案するのが面白くやり甲斐のある仕事なのです。
現役時代の半分以上が開発的なものばかりで、楽しい時代を過ごしました。
昔も今も、動くものは楽しめますね。
故玩館にある品は、無骨なガラクタがほとんどですが、動きのある物には皆さん興味をもたれます。思わず顔がほころびます🤗
しかし、能の場合の譜面台は、正式には水平のものを使用するのでしょうか?
このように角度のあるものは練習用にしか使わないのですか?
見づらいです。
正式とはいっても、使うのは練習の時だけです。
すべて暗記が前提ですから(^^;
でも、なぜか浄瑠璃だけは、舞台でも堂々と見台を使います。
浄瑠璃の見台については次回のブログで。