遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

玉虫の産卵に立ち会った

2021年08月13日 | ものぐさ有機農業

いつも通り、畑仕事を一服して、桜の老木の下で休みました。ここは、先月、大きなボールのような白キノコ、オニフスベを見つけた場所です。

 

アブラゼミの鳴声シャワーを浴びながら、ふと幹を見ると、何かキラキラ光るものが動いているではありませんか。

 

おお、これは玉虫です。

木の幹を、あっちこっち動き回っています。

 

と、動きが止まりました。

どうやら、卵を産み付けているようです。

尻の先から注射針のような卵管をニュッと出して、木の幹の隙間に差し込んでいます(写真におさめることはできませんでした。カメラと腕の両方が悪い(^^;)

移動して、何か所かに産み付けています。アクロバティックな姿勢もなんのその、必死で産卵しています。

実は、私は、これまでに、生きた玉虫を見たことがありません。そもそも玉虫は数が少ないのですが、私たちの地域では特に稀少なのかも知れません。というのも、私はいわゆる昆虫少年で、物心ついた頃から、毎日、虫を追いかけていました。しかし、玉虫には一度も会ったことが無いのです。ところが、誰もが認める昆虫マニアの同級生が、一度だけ、捕らえた玉虫を学校へ持ってきて、見せびらかしたことがありました。それ以来、私には、玉虫がトラウマになってしまったのです(^^;

それがどうしたことか、人生の黄昏時になって、初めて玉虫に遭遇。普通なら、すぐに捕えるところです。しかし、あと数年で枯れそうな老木にへばり付き必死に産卵している玉虫。それをじっと眺めている黄昏人間。とても玉虫を捕える気にはなりませんでした(^.^)

これは、30年程前、道端で拾った玉虫の死骸です。何十年経っても、美しいままです。墨床の上にのせて、故玩館に展示しています。墨床ならぬ玉虫床。言われているように、玉虫が幸運をもたらしてくれるでしょうか。(^.^)

玉虫が姿を消した後、木の幹をよく見てみると、またもや、これまで見たことがない虫がいました。平べったい体に幾何学模様。ブローチのようにも見えますが、玉虫のようにきらびやかではありません。ぞろぞろと動き回っています。カメムシかと思って図鑑を繰りましたが、どうも違うようです。インベーダー虫?(^^;

【追記】

その後、博学ブロガーのhighdyさんから、この虫は、「キマダラカメムシ」であると教えていただきました。

サイトを見ると、ブローチのような色模様になるのは老熟幼虫とあります。成虫は、地味な普通のカメムシ。

遅く生きていれば、いつかは老熟幼虫になれるかもしれませんね(^.^)

 


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
tkgmzt2902さんへ (遅生)
2021-08-14 08:20:07
玉虫の美しさは永遠ですね。
死してなお、美を残す。
今日の枠役、哀愁漂う遅生の場合は、逝っても残るガラクタの山(^^;
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Unknown (tkgmzt2902)
2021-08-14 06:47:43
30年前の玉虫を見て、玉虫厨子がやっとイメージできました。
今日の主役は玉虫と哀愁漂う老木ですね。
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highdyさんへ (遅生)
2021-08-14 06:11:55
教えていただいたサイトを見ました。たしかに、キマダラカメムシですね。しかも、こういうキレイな色模様をもつのは、老熟幼虫なのですね。成虫は地味で、別物のように見えます。私の安物図鑑には、成虫だけ載ってました(^^;
ブログにも追加記述させていただきます。
ありがとうございました。
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キマダラカメムシです! (highdy)
2021-08-13 22:11:13
玉虫ってきれいですよね。
最近見かけなくなりました。
最後の写真は、やはりカメムシですよ。
私の調べでは、「キマダラカメムシ」に間違いないと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A0%E3%82%B7
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くりまんじゅうさんへ (遅生)
2021-08-13 21:56:27
どうやら、玉虫は、真夏に飛び回り、産卵もするようです。甲虫ですから、カブトムシのように日中は体温が上がりすぎてしまって夜行性になるはずでしたが、全身がキンキラキン(腹側も足も)なので日光を反射でき、真夏の日中でも活動できるのですね。コガネムシと同じです。ならば、もっと出会ってよさそうなものですが、やはり数が少ないのですね。今回、幼虫の住処がわかったので、来夏は成虫をこまめに探します(^.^)
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遅生さまへ (くりまんじゅう)
2021-08-13 20:07:00
遅生さま 幼少期はファーブル少年でしたか。私も山の中で生まれ育ちましたが
玉虫の実物は見たことがないです。法隆寺の宝物殿の玉虫の厨子は教科書に
載っていましたね。おびただしい数の玉虫から厨子を作ったのでしょうね。

30年前の羽が今も色あせず きれいに残っているのですね。
クリンちゃんが言うようにブローチ虫ですね。

やがてこの木から玉虫の幼虫が生まれますね お忙しいでしょうが
これから新しい発見がありましたら また見せてくださいね。
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-08-13 20:06:07
そちらでは、玉虫がいるのですね。
こちらでは、ずっと絶滅危惧種です。実は近くに、日本の昆虫王と言われた名和靖の生家があって、昔はそこで昆虫の買い取りをしていました。小遣い稼ぎのため、男子は毎日、目の色を変えて昆虫採集をしました(^.^)いきおい、高く売れる虫については、棲家や生態が非常に詳しくなりました。例外が、玉虫です。どこにもいませんから、知りようがありませんでした。
こんな身近な木の幹に卵を産むとは、この地方では、お釈迦様と私しか知らないでしょう(^.^)
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マンマ (遅生)
2021-08-13 19:52:15
マンマさん
蛇の抜殻は、これまでいやというほど見つけ、財布に入れたこともありましたが、お金には縁遠いままでした(^^;
玉虫は幸運をもたらすそうですが、これで少しは幸福になれるでしょうか。

産卵を温かく見守ってあげたわけですから、浦島太郎の亀さんのように玉虫城へ連れて行ってくれて、美しい玉姫様に合わせてもらいたいものです(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2021-08-13 19:42:21
玉虫というと、法隆寺の玉虫厨子を思い出しますね。

昆虫少年が一度も捕らえることが出来なかったのですか!
その辺にはいないのでしょうかね。
こちらでは、しょっちゅう見ることが出来ましたよ。
ただ、最近では、あまり見かけなくはなりましたが、、、。
沢山いなければ、玉虫厨子など作れませんものね。
飛鳥時代には沢山いたのだと思います。

それにしても、30年経っても綺麗な光沢を保っているのですね。
それでは、厨子の装飾材料になりますね(^_^)

最後の画像の虫は、私も見たことがありません。
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クリンちゃんへ (遅生)
2021-08-13 19:26:17
こういうブローチってありますよね。
それにしても、形と配色がいかにも人工的な虫でした。保護色ですかね。目を凝らすと、玉虫と違って、幹のあちこちにいっぱいいました。糸で繋いで首に掛けたら、首狩り族(^^;

卵を産み付けたわけですから、来年は相当数の玉虫が。玉虫ブローチでも作ってネットで売り出しましょうか。それとも、玉虫厨子に挑戦?(^.^)
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おお!!玉虫 (マンマ♪)
2021-08-13 17:35:05
なんと、縁起の良いお話ですね。
遅生さま、玉虫のトラウマだったのですね。

クリンちゃんは朝飯前の知識でしょうが、
日本しできないマンマでも、玉虫厨子の玉虫色✨✨のことはよく覚えています。故玩館の玉虫もこれから何百年も光り輝きますね✨✨

さらに玉虫だけではなく、産卵の様子をしっかり見てしまった遅生さま、素晴らしい🎉🎉🎉
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Unknown (クリン)
2021-08-13 17:11:19
なんとなく・・ダニっぽい形ではありますけどね・・ブローチ虫✨(物知りはかせのみなさまがすぐに教えてくださいますね🍀🍀どなたか早く来ないかなあ⤴✨🐻楽しみです🎵)
玉虫がいるなんて・・すばらしい出会いでしたね✨✨めちゃうらやましいです・・そして30年の時をへてなお・かがやける玉虫・・そういえば「玉虫厨子」もまだ色がのこっていますものね!ちせいさまも今のうちに、こがんかんの貼り付けて・・いやいやそんなことしたらダメか!!
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