戦時中に作られら、靴下を再生する器具です。
題して、『強国靴下更生器』。
「一足が数足に使へる」「勝ち抜く為の資源愛護」「必ず備へよ一家に一組」など、いかにも戦時中らしい標語がおどっています。
定価 40銭。 実用新案。
使用法図解とボール紙で作った型紙がついています。
足型と丸型。足型は、大22.7㎝、小、16.7~20.6㎝可変です。
丸型は、6、 4、 2.7㎝の3種。それぞれ、一回り小さな丸紙で二重になっています。
二種類の更生法があるようです。
第一使用法は、足型を使う方法(底全部の付け替え)です。
(一)破損靴下の上部か別の布を裏返し、足型より少しい大きめに切る。足型をあて、細棒で足型の穴に布を差し込んで、足型に布を留める。
(二)底が破れた靴下の底部を切り取る。
(三)(二)の布を裏返し、(二)の足型布を穴に差し込む。最初に段縫いをして、足型を抜きとり、本縫いをする。
(四) 余りの布部を切り落とし、表に返す。
第二の使用法は、丸型を使う方法です(かかと、つま先の修繕)。
(一)適当なあて布を丸型より大きく切り、丸型の小さい部分へヘラでおしこむ。
(二)破れた靴下を裏返し、あて布を挟んだ丸型を穴から入れる。
(三)絞るように軽く押さえて、丸型の後ろで2枚の布を縫う。
(四)(五)丸型を抜きとり、余分な布部を切り、あて布の余りの部分をまつる。
もう一種類、あります。
『廃品再生 靴下更生器』です。
「一足が数足に使える」、「資源愛護」、「物資節約」、「廃物利用は家の富・国の富」のスローガンがおどっています。
内容物は、先の更生器とほぼ同じ。少し、簡易版です。定価 35銭。
取り扱い説明は、包み紙の裏に簡単に書いてあります。内容は、先の更生器と同じです。
さらに、もう一種類あります。
『各種靴下更生型紙』です。
おおげさなスローガンは書かれていません。
特許出願中とあります。
型紙が二種入っています。
袋の裏側に使用法が書いてあります。
頭がゴチャゴチャしてきて、よくわかりません。
拡大しておきますので、各自で読み取ってください(^_^;)
靴下は、特定の部分が擦れて破損します。戦後しばらくの間は、家庭で、破損部を繕って長くはき続けました。家庭の力が大きかったのです。
現在、地球規模で、省資源や省エネルギーが謳われていますが、なかなか思うようにすすみません。
こんな類の品が手近にあれば、案外、うまくいくかも知れません。
私は、これも見たことが無いですね!
今の若い人、特に若い女性に見せたら何と言うでしょうね、、、。
「ダサイ」とか「貧乏くさい」とか言って、見向きもしないんでしょうね。
物が豊かになりましたものね。
ただ、現代では、省資源や省エネルギーだけを強く叫んでも、消費も拡大しなければ経済は回らない面もありますから、なかなか難しいですね。
遅く生きている(遅れて生きざるを得ない?)遅生としては、消費を拡大しなくても回る経済システムを夢想したいです(^_^;)