先日、古伊万里蒐集家Dr.Kさんのブログで、南方系の染付盃が紹介されていました。
例によって後出しジャンケン(^^;)、故玩館にも似たような雰囲気の品があったはず、と探し出したのが今回の品です。
径 6.8㎝、高台径 2.7㎝、高 3.5㎝。中国、明末ー清初。
中国明末と思われる染付の盃です。
器の外側には、暦手とよばれる幾何学的連続模様がビッシリと描かれています。
見込みにも模様が一つだけ。
この盃は、ガラクタ蒐集を始めて間もなく、陶磁器は何を買ったらよいかさっぱりわからないままに、時々、手が届く範囲の物を入手していた頃の品です。
その後、懇意になった骨董屋が、5個揃いならワシが買う、と言っていたところから、それほどハズれた品ではなかったかなと、胸をなでおろした次第です(^.^)
違いのわかる男が、夜半、一人で盃を重ねるにはピッタリの品ですね。もっとも、下戸の私には関係ありません。おまけに、違いのわからない男ですから(^^;
この盃、よくよく見ると、口縁に虫食い状の釉剥がれが、多くあります。
顕微拡大してみると、
火が入った跡があり、釉剥がれが焼成中に起こっていたことがわかります。
古染付といわれる中国明末ー清初にみられるこの虫喰いの原因については、いずれまとめて考えてみたいと思います。
でも、この盃は、もっと由緒正しく、中国は焼物の本場、景徳鎮の産とお見受けいたしました(^_^)
私の紹介しました盃の胎土は質が悪く、何処の土を使用したものなのか分かりません。そのように、訳の分からないものは、景徳鎮よりはかなり南、中国南方の産と、十把一絡げにされますものね(~_~;)
それに、この盃には虫喰いがありますから、制作年代も明末・清初と特定できますね(^-^*)
以前、私が骨董を始めた頃は、虫喰いのあるものは明末・清初はあるが、虫食いのないものは清朝に入ってかなり時間が経ってから作られたものだろう、清朝の中期くらいと思ったほうが無難だろうと言われました。
今でも、そのように言われているのかどうかは、不勉強で分かりませんが、そんな記憶がありますので、私が先日紹介した盃の制作年代も清朝中期としたわけです。
ということで、これは、由緒正しい古染付ですね(^_^)
高台内に描かれているものは、文様でしょうか、文字でしょうか? 珍しいですね(^-^*)
ありそうでない品のカテゴリーに入るかもしれません。
残念ながら、この品にアルコールをそそいで、かわいがってやることができないのが心残りです(^.^)
今でも初心者(世阿弥いうところの)です、その時々の初心。永久に先があるから、と言い聞かせています。
ということは、誰でも、いつでも初心者。ですから、どこ(どのジャンル)からでも、いつからでも入れます(^.^)