100年程前の漆皿です。
祖父が、何かの記念にいただいた物です。
同じ皿が10枚。
径 17.6㎝、高 2.3㎝。大正12年。
底面は分厚く(1cm以上)、側面は急に薄くなっています。木轆轤処理の特徴です。また、裏は碁笥底です。
表面は、10枚全部、中心が膨らんでいます。これは歪みではなく、初めからこのような造りだったようです。
明らかに木製ですが、木目は非常にわかりずらいです。やはり、木を輪切りにした素材を轆轤で挽いてあるからでしょうか。
黒地に金漆で松を描き、丸い銀箔が貼ってあります。丸銀は月で、夜景を描いた皿だとばかり思っていました。けれど、箱書きには「松に日出」とあるので、これは太陽なのですね(^^;
この10枚の皿、非常によく似ています。
例によって、違い探し(^.^)
地面の形が違いますね。
じゃあ、次の2枚は?
左の皿:
右の皿:
うーん、こうなったら、松葉しかありません。
左の皿:
右の皿:
ふー、よかった。
違いがありました(^.^)
本漆は、手描きですから、同じ物でも、微妙に違いがあるわけですよね。
下の2枚には、松葉の描き方に違いがありますね(^-^*)
陶磁器よりも使用痕がつきやすいのですが、今回の品のように100年もそのままになっていると(多分、開けたのは私が初めて(^^;)、時代が付きません。
色も黒漆は強いです。他の色は紫外線や熱で、大なり小なり退色します。
細かい松葉の違いだけですから、相当に熟練した絵付師ですね。
いざ使おうと思うと、勿体ないな~、いう思いが先に立つように感じます。
大正12年ということですが、ウチの会社の会長さんが大正12年生まれで
つい数か月前まで毎日出社しておりました。
(最近は少し足腰が弱ったらしいですが)
会長さん、凄いです。長寿のみならず、現役ですから。私の知る範囲の男性では、ちょっと見当たりません。