遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

初期伊万里、それとも藍九谷? 漁村風景中皿

2019年11月10日 | 古陶磁ー全般

先日の酒田の人さんのブログで、初期伊万里から藍九谷へ移行する時期に作られたのではないか思われる珍しい皿が紹介されました。

私の所にも似た品がないか、探してみました。

それが、この皿です。

アマ手の大疵物です。

         径 21.2㎝、高 3.6㎝

生掛けの生地に、太い線で、漁村とおもわれる風景がダイナミックに描かれています。

こういった皿は、普通は、初期伊万里とされています。

しかし、太い線で力強く輪郭を描き、濃みをさす描き方は、あの有名な鶉の皿をはじめとして、初期伊万里から藍九谷へ移行する時期に見られるものです。

その点で、先の酒田の人さんの皿に共通するものがあると思うのです。

 

 

裏側は、小さな高台や陶工の指跡など、初期伊万里の特徴を示しています。

総合的に考えれば、少しだけ藍九谷的要素が入った後期初期伊万里とでも呼べばいいでしょうか(^^;)

 

それにしても、大きなニュウやジカンがこれでもかというくらい縦横に走っています。

ここまでくると、もはや抽象アート・・・・・・・・・またもや、自分の品には大アマの遅生でした(^.^;)


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6 コメント

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ほぼ初期伊万里 (酒田の人)
2019-11-10 18:56:42
ウチの品に比べると、特に裏面がしっかりと「初期伊万里」している(?)ように感じます
高台のサイズも小さめですし、生掛けのとろみのある磁肌はまさに「初期」だと思います。
表に目を移すと、青縁や網干文の描き方が古九谷様式の雰囲気で、過渡期的な特徴を備えているように思います
これくらい時代のある品であれば、甘手や傷は商売する人以外は気にならないです
完品でなくても十分に魅力のある品だと思います。
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初期伊万里 (ことじ)
2019-11-10 20:50:16
甘手なだけでそれ以外は問題なさそうですね。
やはり初期伊万里に近いと思いました。
料理を載せたりしなければ気にならないのでは。
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酒田の人さんへ (遅生)
2019-11-10 21:01:33
そうですね、過度期のものなんでしょうね。画題や描法が、最初期のものからだんだん日本的なものに変わっていく時の品だと思います。

満身創痍ですが、男の傷は紋章といったところでしょうか(^^;)
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ことじさんへ (遅生)
2019-11-10 21:05:38
こんなにアマ手の品でも、捨て去られなかったんですね。やはり、当時はかなりの高級品、特別な人しか手にできなかったし、多少の訳あり品でもぞんざいにできなかったのでしょう。ま、初期伊万里に関しては、今でもそうですが(^^;)
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遅生さんへ (Dr.K)
2019-11-11 10:11:58
ここまでくると、十分に初期伊万里ですね(笑)。
やはり、「少しだけ藍九谷的要素が入った後期初期伊万里」というところでしょうか。
このような物は、今では、もったいなくて、とても、日用食器としては使えませんね。
鑑賞用ですね。
縦横に走った大きなニューやジカンも含め、抽象アートとの意味も込めて、観て楽しむべきものですね。
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Dr.Kさんへ (遅生)
2019-11-11 12:08:42
これで伝世なんですよ。当時から、よほどの高級貴重品だったんでしょうね。
ところが、私の先輩、鶉皿、無疵を2枚もっていて、見せびらかすんです(><)。でも、出所は奥さんの実家の蔵(北陸)なんですよ(^^;)。350年以上前に、船で運ばれてきたんですね。北陸の資力、恐るべしです。
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