ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

理想の体制築けるか

2006年11月09日 | 地域周産期医療

どの分娩でも、突然、何の前触れもなく、予測不能の異常事態が発生する可能性がありますから、産科病棟では24時間体制で母体や胎児の異常事態に適切に対応できる体制を整えておく必要があります。

母体や胎児の状況によっては、一般病院では対応できず、高次病院に緊急母体搬送せざるを得ない場合も少なからずあります。今、日本各地で地域の周産期医療システムが崩壊の危機にあり、早急な地域の総力を挙げての対応が求められています。

地域の状況はそれぞれ全く違いますから、それぞれの地域の状況にマッチした対策は地域ごとに全く違って当然だと思います。

例えば、当医療圏の場合は、県の中でも辺境の地に位置し、県唯一の総合周産期母子医療センターまでの距離は百数十kmもあり、おまけに当医療圏内の周産期2次医療機関は1施設(当院)しかありません。近隣では他に母体搬送を受ける施設はなく、辺境の地の防波堤として、どんな荒波が押し寄せて来ようとも、とりあえず、すべて受けて立たねばなりません。多くの病院がある大都市圏とは置かれた状況が全く違います。

地域のみんなで知恵を絞って、各地域の実情に応じた有効な対策を検討していく必要があります。