五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

星と祭を読む

2014年08月18日 | 第2章 五感と体感
井上靖の星と祭を読みました。

先妻との間に生まれた娘が琵琶湖の竹生島付近でボートが転覆して行方不明になることから、ヒマラヤで満月を観る行為と彼とは対照的な娘と共に行方不明になった大三浦の父を媒体に主人公の架山の自問自答を描いた小説です。

大三浦と架山は対照的な性格であり、大三浦が年月を掛けて琵琶湖の寺を巡り、十一面観音を拝み続けていることを事故から七年後の再会で知り、架山の心を動かしていきます。

純粋で正直な大三浦は、自分の心に素直なまま十一面観音と対話を続けてきました。
出口の無い生死観を持ち続けている架山にも二つのきっかけが重なり、「受容」という時が与えられていきます。

架山の自問自答は亡き娘との会話で成されます。

井上靖の登場人物に関しての感情移入的な表現は、あたかも自分が子を亡くしたかのような気持を与えられ、自分自身の経験が投影的に蘇り、真夏の有難い読書三昧の二日間を持つ事ができました。

ふりむけば近江の巡りの葉月なり♪

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