
予定通り、槍ヶ岳登頂を果たし、今日は西鎌尾根を鏡平山荘へ下りる。
Mr.Dashのような、山小屋泊りのへっぴり派とは違い、
じつはイエティだけは今回の山行では、幕営しているのだ。
昨夜は、槍ヶ岳の狭いテン場は満員で、イエティは一旦、殺生ヒュッテの
テン場に下りていた。

朝6時に再び登ってきたイエティと、T中さんを交えて全員で記念写真。
徳沢園を目指すT中さんに見送られながら、我々は西鎌尾根を行く。

千丈沢乗越までは、ぐんぐん下る。
千丈沢乗越から北西に向きを変える西鎌尾根は、まずザラザラの斜面を
鎖を頼りに下りていくが、悪場は長くは続かない。

やがて、平穏な尾根歩きが続くようになるが、右側の硫黄尾根の向こう、
硫黄沢が見えてくると、稜線にも硫黄の強い匂いが漂い始める。
見ると、硫黄沢沿いの小高い丘が真っ白に粉をふいたようになっている。
自然の驚異である。
樅沢岳は、100mほどを隔てて、二つの山頂表示があった。

まずは東側のピーク、上宝村(現在は高山市に統合)による標識がある。

続いて、西側のピークには、双六小屋による標識がある。
大勢には影響ないが不思議なものだ。

ルートは下り坂になり、前方に双六岳、その下に双六小屋と双六池が見える。
槍ヶ岳とは正反対の、女性的なやさしい風景である。
体力・気力が続けば、双六岳にもピストンしようかなと思っていたが、
Mr.Dashを含め、メンバーは皆、疲労の色が濃い。
一人元気なイエティは、今日は単身、新穂高温泉まで一気に下山したいので
14:00には鏡平に着いておきたいとのこと。よって、双六岳はパス。
双六小屋前で昼食タイム。槍岳山荘で手配しておいた弁当は名物の中華ちまき。
これを食べながら、双六小屋のラーメンにも興味がわいたが、胃袋には
限りがある。
鏡平へは、双六池沿いに、南に続く木製の桟道をたどる。
すぐに、尾根に登り返し、細かなアップダウンをこなさないといけないのが
しんどい。

前方に雪渓が見えてきた。ここを横断し、涼を楽しむ。
渡り終えたところが花見平だ。確かにお花畑が広がっており、うまく名づけた
ものだと思う。
もう、たいがい疲れていたので、弓折岳分岐からの下り坂は足の裏が痛む。
それでも、ここは時間が解決する。予定より早く、鏡平山荘に到着することができた。

小屋の前のロフトで、名物のかき氷を楽しむ。
我々は、ゆっくりここで宿泊するが、イエティとはここでお別れ。
健脚の彼がいてくれたおかげで、今回も安心してここまでの行程を歩けた。
鏡平山荘の南側にある鏡池からは、槍・穂高連峰が一望でき、池の水面に
それが映る。あまりにも有名なこのシーンではあるが、実際のところ、
山稜に雲や霧が出ていたり、風があって水面が波立てば映り込みも美しくなくなる。

この日も、夕方は稜線に雲が出てしまって、ほぼ諦めモードであった。
しかし、それがどうだ! 日暮れ間近、槍の穂先の雲が晴れたのだ。
この夜、Mr.Dashは胃腸の調子がよくなり、やっと食前のビールの
ほかに、食後の宴会でアルコールを楽しむことができた。
部屋も広く、ゆったりと寝ることができた。
8/14(水)
最終日の朝。元気に目覚める。

朝食を済ませ、下山前に、ふたたび鏡池で槍ヶ岳を撮影。
時間的に逆光になるが、雲一つない「逆さ槍」が撮れた。

小池新道をシシウドヶ原に下りる途中、朝露がきらめくナナカマドや、

キヌガサソウの群落もあった。

秩父沢を横断。上部に大きな雪渓が残っており、水は10秒と手をつけられない。
奥丸分岐からは広い林道となる。ワサビ平小屋を経て、ひたすら下っていけば
ゴールの新穂高温泉だ。

バスを待つ間、中崎温泉で久々の風呂に入る。髪は2回洗い、ようやくシャンプーが
泡立った。道中ずっと日焼け止めを塗りたくっていた顔も、ようやくキレイに。
歯もやっと本格的に磨け、「真人間」に戻れた。
温泉内の食堂で、高山ラーメンと生ビールで生き返る。
T中さん、イエティからの無事下山のメールを確認し、安心。
ロープウェイ駅から、高山バスセンターへの路線バスに乗る。
高山では、乗り継ぎに3時間待ちとなり、暑い中、市内観光して時間をつぶす。
意外にも、高山の市街をぶらぶらとゆっくり歩くのは初めてで、
結構よかった。
高山から京都駅までの高速バスは、途中の渋滞で到着が遅れ、
奈良の自宅にたどり着いたのは23時を回る頃だった。
ちょっとした海外旅行より時間がかかる、スローな夏の旅が終わった。
Mr.Dashのような、山小屋泊りのへっぴり派とは違い、
じつはイエティだけは今回の山行では、幕営しているのだ。
昨夜は、槍ヶ岳の狭いテン場は満員で、イエティは一旦、殺生ヒュッテの
テン場に下りていた。

朝6時に再び登ってきたイエティと、T中さんを交えて全員で記念写真。
徳沢園を目指すT中さんに見送られながら、我々は西鎌尾根を行く。

千丈沢乗越までは、ぐんぐん下る。
千丈沢乗越から北西に向きを変える西鎌尾根は、まずザラザラの斜面を
鎖を頼りに下りていくが、悪場は長くは続かない。

やがて、平穏な尾根歩きが続くようになるが、右側の硫黄尾根の向こう、
硫黄沢が見えてくると、稜線にも硫黄の強い匂いが漂い始める。
見ると、硫黄沢沿いの小高い丘が真っ白に粉をふいたようになっている。
自然の驚異である。
樅沢岳は、100mほどを隔てて、二つの山頂表示があった。

まずは東側のピーク、上宝村(現在は高山市に統合)による標識がある。

続いて、西側のピークには、双六小屋による標識がある。
大勢には影響ないが不思議なものだ。

ルートは下り坂になり、前方に双六岳、その下に双六小屋と双六池が見える。
槍ヶ岳とは正反対の、女性的なやさしい風景である。
体力・気力が続けば、双六岳にもピストンしようかなと思っていたが、
Mr.Dashを含め、メンバーは皆、疲労の色が濃い。
一人元気なイエティは、今日は単身、新穂高温泉まで一気に下山したいので
14:00には鏡平に着いておきたいとのこと。よって、双六岳はパス。
双六小屋前で昼食タイム。槍岳山荘で手配しておいた弁当は名物の中華ちまき。
これを食べながら、双六小屋のラーメンにも興味がわいたが、胃袋には
限りがある。
鏡平へは、双六池沿いに、南に続く木製の桟道をたどる。
すぐに、尾根に登り返し、細かなアップダウンをこなさないといけないのが
しんどい。

前方に雪渓が見えてきた。ここを横断し、涼を楽しむ。
渡り終えたところが花見平だ。確かにお花畑が広がっており、うまく名づけた
ものだと思う。
もう、たいがい疲れていたので、弓折岳分岐からの下り坂は足の裏が痛む。
それでも、ここは時間が解決する。予定より早く、鏡平山荘に到着することができた。

小屋の前のロフトで、名物のかき氷を楽しむ。
我々は、ゆっくりここで宿泊するが、イエティとはここでお別れ。
健脚の彼がいてくれたおかげで、今回も安心してここまでの行程を歩けた。
鏡平山荘の南側にある鏡池からは、槍・穂高連峰が一望でき、池の水面に
それが映る。あまりにも有名なこのシーンではあるが、実際のところ、
山稜に雲や霧が出ていたり、風があって水面が波立てば映り込みも美しくなくなる。

この日も、夕方は稜線に雲が出てしまって、ほぼ諦めモードであった。
しかし、それがどうだ! 日暮れ間近、槍の穂先の雲が晴れたのだ。
この夜、Mr.Dashは胃腸の調子がよくなり、やっと食前のビールの
ほかに、食後の宴会でアルコールを楽しむことができた。
部屋も広く、ゆったりと寝ることができた。
8/14(水)
最終日の朝。元気に目覚める。

朝食を済ませ、下山前に、ふたたび鏡池で槍ヶ岳を撮影。
時間的に逆光になるが、雲一つない「逆さ槍」が撮れた。

小池新道をシシウドヶ原に下りる途中、朝露がきらめくナナカマドや、

キヌガサソウの群落もあった。

秩父沢を横断。上部に大きな雪渓が残っており、水は10秒と手をつけられない。
奥丸分岐からは広い林道となる。ワサビ平小屋を経て、ひたすら下っていけば
ゴールの新穂高温泉だ。

バスを待つ間、中崎温泉で久々の風呂に入る。髪は2回洗い、ようやくシャンプーが
泡立った。道中ずっと日焼け止めを塗りたくっていた顔も、ようやくキレイに。
歯もやっと本格的に磨け、「真人間」に戻れた。
温泉内の食堂で、高山ラーメンと生ビールで生き返る。
T中さん、イエティからの無事下山のメールを確認し、安心。
ロープウェイ駅から、高山バスセンターへの路線バスに乗る。
高山では、乗り継ぎに3時間待ちとなり、暑い中、市内観光して時間をつぶす。
意外にも、高山の市街をぶらぶらとゆっくり歩くのは初めてで、
結構よかった。
高山から京都駅までの高速バスは、途中の渋滞で到着が遅れ、
奈良の自宅にたどり着いたのは23時を回る頃だった。
ちょっとした海外旅行より時間がかかる、スローな夏の旅が終わった。