「2020年東京オリンピック開催決定」のお祝いモード一色の中、競馬界は今週末から秋競馬が開幕。8日は阪神競馬場でサマースプリントシリーズ最終戦・セントウルステークス、中山競馬場ではサマーマイルシリーズ最終戦・形成杯オータムハンデキャップが行われました。セントウルSには最強スプリンター・ロードカナロアが参戦し、形成杯AHではマイル界の新星が現れました。
阪神メイン・第27回セントウルステークス(GⅡ・1200m 13頭立て)は、高松宮記念と安田記念を制した⑨ロードカナロアが秋のGIに向けてここから始動。カナロアの他にもアイビスサマーダッシュを制した⑬ハクサンムーン、カナロアに勝った事がある④ドリームバレンチノ、⑤ローガンサファイア、③マイネルエテルネル、⑫ティーハーフの3歳勢も参戦しました。
ばらついたスタートで始まったこのレース、ハクサンムーンがやや出遅れるも、すぐに押し上げて先手を奪う。2番手に⑪ビウィッチアス、3番手にロードカナロア、最内の⑦マヤノリュウジンが4番手。バレンチノ5番手追走、その後ろの6番手グループにはエテルネル、⑧シュプリームギフト、⑩モグモグパクパクの3頭が並ぶ。後方9番手から①サドンストーム、ローガンサファイア10番手。後方集団は②クリーンエコロジー、⑥ウインドジャズ、⑫ティーハーフが固まっている。
先頭を行くハクサンは前半600mを33.8秒で通過。ビウィッチアスが2番手に迫り、カナロアは3番手と絶好の位置で4コーナーへ向かう。ドリームバレンチノはまだ5番手。内回り4コーナーから最後の直線に差し掛かり、外からロードカナロアが上がって来て、逃げるハクサンムーンに接近。残り200mでハクサンがまだ逃げ粘り、カナロアも必死に追い込むがなかなか捕らえられない。ラスト100mでハクサンムーンがやや突き放し、ロードカナロアを抑えて先頭でゴールイン!それと同時に酒井学騎手ガッツポーズ!カナロアは2着に敗れ、昨年から続いた連勝が5でストップ。
短距離界の絶対王者がスプリンターズステークスの前哨戦で敗戦!サマースプリントシリーズの最終戦・セントウルステークスは、ハクサンムーンが優勝。スタートで後手を踏みながらもすぐさまハナを奪い、直線ではロードカナロアの追撃を振り切り、クビ差で勝利。勝ったハクサンはアイビスサマーダッシュに続き重賞2連勝。そして、今回の勝利で12ポイントを獲得し、3戦合計27ポイントとなり、総合トップだったフォーエバーマーク(19点)を抜き、逆転でシリーズチャンピオンに輝きました!
今回のセントウルは、ハクサンムーンとロードカナロアの意気込みの違いが結果に繋がったんじゃないかと思います。カナロアは「3か月の休み明け」+「叩き台」の感覚で参戦したけど、ハクサンの場合は「カナロアに勝ってサマースプリント王者になる」という目標がありました。斤量差もあったけど、カナロアを抑えての快勝。ハクサンもこの勝利で自信がついた事でしょう。カナロアも今回負けてしまったけれど、スプリンターズSでは本気出してくると思います。一叩き&大一番の強さで同一GI連覇もあり得るかもしれません。
中山メイン・第58回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ・芝1600m)には、今後のステップアップを目指す14頭が出走。このレースは横山典弘騎手と和生騎手の「横山親子対決」が話題を呼び、父・典弘騎手は昨年の勝ち馬⑥レオアクティブに騎乗し、息子・和生騎手はここ5戦4勝の⑩ルナに跨り、人馬初の重賞初制覇に挑みました。中京記念覇者③フラガラッハ、安田記念3着⑧ダノンシャーク、NHKマイルカップ2着①インパルスヒーロー、共同通信杯2着⑨ゴッドフリート、さらには3連勝中の⑦エクセラントカーヴ、ベテラン⑭スマイルジャック、⑤ワイズリーなどが参戦。
スタートで②ミッキードリームが飛び出したのに対し、インパルスヒーローが遅れた。ミッキー、⑬テイエムオオタカ、ワイズリー、ゴットフリート、ルナの5頭による先行争いから、オオタカとルナが抜け出して後続を引き離す。離れた3番手にゴッドフリートと⑫ドリームバスケットが並び、ワイズリー5番手、6番手にエクセラントカーヴ、ミッキードリームは7番手。その後ろの8番手にダノンシャークが追走。9番手に④マルカボルト、レオアクティブ10番手。後方は11番手にスマイルジャック、12番手インパルス、13番手ウインクリアビュー、フラガラッハが最後方。
かなり縦長の展開で3コーナーに差し掛かり、今度はルナが単独先頭、テイエムオオタカが2番手に下げ、ゴッドフリートが3番手で追いかけ、エクセラントとシャークが外に持ち出す。4コーナーから最後の直線に入り、先頭のルナをオオタカ、エクセラントカーヴ、ゴットフリート、ダノンシャークが襲いかかる。残り200mでエクセラントが先頭に立つと、シャークが2番手に上がって来たが、エクセラントカーヴがそのまま先頭でゴールイン。4連勝で一気に重賞初制覇!混迷のマイル戦線にニューヒロイン誕生です。
京成杯AHは、単勝3番人気だったエクセラントカーヴが残り200mで抜け出し、2着に1馬身1/4差をつけて快勝。4連勝で重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。2着にはダノンシャーク、混戦の3着争いはゴットフリートが制しています。1番人気だったルナは、序盤から飛ばし過ぎたのが響き、直線でズルズル下がって10着。横山和生騎手、残念でしたねえ。一方、お父さんが乗っていたレオアクティブは8着でした。親子対決はお父さんが先着したけど、共に撃沈でした。
勝ったエクセラントカーヴは、父がダイワメジャー、母はインディアナカーヴという血統を持つ4歳牝馬。今年4月の1000万下の条件戦(@東京)で勝利を挙げると、6月の江の島特別(東京)、前走の新潟日報賞(@新潟)も勝利。過去5勝のうち左回りで4勝と「サウスポー」ぶりを発揮していましたが、昇給戦の京成杯AHで優勝して右回り克服。今後は府中牝馬ステークス→マイルチャンピオンシップというルートで進むのでしょうか?
来週の競馬は3日連続開催~!15日は阪神競馬場で秋華賞トライアルのローズステークスが行われ、オークス馬・メイショウマンボ、桜花賞2着・レッドオーヴァル、エバーブロッサム、デニムアンドルビー、ローブティサージュ、ノボリディアーナなどが登録。16日は中山競馬場でセントライト記念があり、ダービー3着のアポロソニック、ヒラボクディープ、ラジオNIKKEI賞を勝ったケイアイチョウサン、サイモンラムセスなどが登録しております。
そして、15日夜は凱旋門賞に参戦する日本馬2頭が、ロンシャンでの前哨戦に挑みます。ダービー馬・キズナは3歳重賞のニエル賞、昨年の雪辱に燃えるオルフェーヴルはフォワ賞に出走。ニエル賞にはパリ大賞典を勝ち、ここまで4戦3勝のフリントシャー、エプソムダービー馬・ルーラーオブザワールド、5戦4勝のフランス馬・ヴァンクーヴァライトが登録しており、フォワ賞にはGI4勝を誇るドイツの怪物・ノヴェリスト、エクリプスSなどGI3勝のアルカジーム、キャメロットが出走するとかしないとか?本番に弾みをつけるためにも、結果と内容が問われます。日本勢の健闘を祈ろう!