3連休中日の22日は、阪神競馬場では菊花賞トライアル・神戸新聞杯、中山競馬場では古馬重賞・産経賞オールカマーが行われました。神戸新聞杯には皐月賞とダービーで2着だったエピファネイアが登場。菊花賞に向け、ここは絶対に負けられないレースでしたが…。重賞勝ち経験馬が多数集結したオールカマーは、無印の伏兵馬が金星を挙げました。
阪神メイン・第61回神戸新聞杯(GⅡ・芝2400m)は、菊花賞を目指す3歳馬18頭が出走。GIで惜敗続きの⑩エピファネイアを始め、ディープインパクト産駒④サトノノブレス、シンガポールターフクラブ賞で古馬に勝った②ラストインパクト、夏の函館で2勝した⑫ヤマイチパートナー、2連勝中の⑮マジェスティハーツ、他にも⑦テイエムイナズマ、⑬タマモベストプレイ、⑱バッドボーイ、①カシノピカチュウ、⑪ヒルノドンカルロなどが参戦しました。
スタンド前でのスタートで、テイエムイナズマが少し出遅れる。先行争いでヒルノドンカルロが先手を取り、⑨ウインアルザスが2番手。エピファネイアとサトノノブレスは中団より前の位置、ラストインパクトは後方に控えてゴール板を通過。1コーナーを回ったところで、先頭のアルザスと2番手のドンカルロが果敢に飛ばし、3番手以降を大きく引き離す。離れた3番手に③ナリタパイレーツ、4番手にヤマイチパートナー。ノブレスとベストプレイが5,6番手で並走し、7番手にバッドボーイ。8番手カシノピカチュウの後ろにエピファが9番手。ちょうど中団の位置につけている。⑭アクションスターが10番手からエピファに並びかけ、⑤プランスペスカ・⑥ソロルの3枠2頭が11番手の位置で並ぶ。13番手にラストインパクト、外の14番手⑧ミヤジタイガ、後方はマジェスティハーツ、⑰カッパドキア、⑯トーセンハルカゼ、イナズマと続く。
外回り3コーナーに入り、ウインアルザスが単独で逃げ続け、ヒルノドンカルロが2番手。サトノノブレスは5番手の位置、エピファネイアは外に持ち出して7番手辺りまで浮上。4コーナー手前で先頭と後続との差が無くなり、エピファネイアが3,4番手まで上がって来た。最後の直線コースに差し掛かったところでエピファが先頭で抜け出すと、あとは独走態勢だ!2番手争いは内からラストインパクト、サトノノブレス、パイレーツ、アクション、ベストプレイと横一線。さらに大外からマジェスティハーツが追い込んで来た。そんな中、エピファネイアは悠々と先頭で駆け抜けてゴールイン。2着争いはマジェスティハーツが最後サトノノブレスをかわし、サトノノブレスが3着に入りました。
菊花賞前哨戦・神戸新聞杯は、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持されたエピファネイアが文句なしの勝利。3コーナー辺りから追い出し始め、残り600mで先頭集団まで進出し、直線で早々と先頭に立ち、そのまま影を踏ませず2着に2馬身半差をつけての快勝でした。直線手前で絶好の位置にいたところでエピファの勝利を確信しましたね。エピファネイアは昨年のラジオNIKKEI杯2歳ステークス以来の勝利で重賞2勝目。勝たねばならないレースでしっかりと勝利し、菊花賞へ弾みをつけたといってもよいでしょう。
これで菊花賞のトライアルレースが2つ終了し、セントライト記念からはユールシンギング、ダービーフィズ、アドマイヤスピカの3頭、神戸新聞杯からはエピファネイア、マジェスティハーツ、サトノノブレスの3頭が優先出走権を獲得しました。エピファネイアとユールシンギングは、両馬とも「父・シンボリクリスエス×母父スペシャルウィーク」つながり。菊花賞本番では「同血統」の1,2フィニッシュの可能性があるかもしれません。当日はエピファが恐らく1番人気になると思います。春の雪辱に燃えるエピファネイアが、最後の1冠を手にする事ができるのか?
中山メイン・第59回産経賞オールカマー(芝2200m 16頭立て)は、宝塚記念2着の⑨ダノンバラード、有馬記念2着⑬オーシャンブルー、2009年の春の天皇賞を制した10歳馬①マイネルキッツ、昨年のこのレースで2着だった⑮ダイワファルコン、紅一点③ハナズゴール、小倉記念を勝った④メイショウナルト、中日新聞杯覇者②サトノアポロ、札幌記念2着⑦アスカクリチャン、目黒記念を勝った⑤ムスカテールなど重賞勝ち経験馬が多数参戦しました。
揃ったスタートで始まったこのレース、⑥ネコパンチが先手を奪い、⑧コスモラピュタが2番手、⑯メイショウサミットが大外から進出して3番手、ダノンバラードとメイショウナルト、オーシャンブルーは4番手集団内で1コーナーを回ります。外回りコースに向かうところで、先頭のネコパンチがリードを拡げ、ラピュタが単独2番手、サミットが3番手。4番手バラード、その後ろの5番手の位置にファルコンとナルト、さらにアスクリが7番手につける。中団の8番手にオーシャンブルー、9番手サトノアポロ、ムスカテール10番手。後方は11番手ハナズゴール、12番手⑪カリバーン、13番手に⑭モンテクリスエス、14番手⑩イケトップガン、後方2番手に⑫ヴェルデグリーン、マイネルキッツしんがり追走。
縦長の展開で3コーナーを回り、依然としてネコパンチが逃げ、3番手メイショウナルトは早くも手が動く。3,4コーナー中間点で先頭と後続との差が詰まり、ダノンバラードが一気に先頭集団に接近。4コーナーから直線コースに入り、今度はダノンバラードが先頭に立ち、最内からハナズゴールが追い上げ、真ん中からメイショウナルト、アポロ、ダイワファルコン、大外からヴェルデが猛追。残り200m~100mでヴェルデグリーンが伸びて来て、ゴール前でナルト、バラードをかわして先頭ゴールイン!ヴェルデグリーンが差し切り勝ちで重賞初制覇!田辺裕信騎手もしてやったりのガッツポーズ。
秋の古馬戦線を占う伝統のオールカマーは、単勝9番人気のヴェルデグリーンが実績ある馬たちを蹴散らして優勝。道中は後方2番手でレースを進めると、4コーナーから最後の直線では大外からグイグイと追い込み、ゴール前でダノンバラードとメイショウナルトを捕らえました。鞍上の田辺裕信騎手は約2年ぶりの重賞勝利です。2着には2番人気のメイショウナルト、1番人気ダノンバラードは直線で一旦は先頭に出るも3着。3番人気・ムスカテールは9着に敗れています。
勝ったヴェルデグリーンは2度目重賞挑戦で初勝利。今年1月の4歳上500万円以下の条件戦から3月の常総ステークスまで3連勝を挙げましたが、新潟大賞典で10着敗戦。今回は4か月の休養明けで臨み、見事に1着を取りました。この馬の血統を辿ると、父がジャングルポケット、母の父はスペシャルウィーク、母の母は1999年のオークス馬・ウメノファイバー、そしてウメノファイバーの父は1986年の秋の天皇賞馬・サクラユタカオー。なんとダービー馬の父と祖父、オークス馬の祖母、天皇賞馬のひいおじいちゃんを持つ良血馬だったんですね。しかもみんな東京競馬場のGIを勝っています。もしかしたらヴェルデも秋の天皇賞かジャパンカップに出走したら、番狂わせを起こしそうな気がする…。
来週は秋のGI開幕戦・スプリンターズステークスが行われます。短距離界の絶対王者・ロードカナロア、セントウルステークスでカナロアを破ったハクサンムーン、CBC賞を勝ったマジンプロスパー、高松宮記念2着ドリームバレンチノ、フォーエバーマーク、パドトロワに加え、グランプリボスがスプリント戦線に殴り込み。「カナロアVSハクサン」はここまで1勝1敗。カナロアがスプリント王座を守り抜くか、それともハクサンが世代交代を起こすのか?決戦は9月29日15時40分スタート!