日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

第92回全国高校サッカー選手権決勝戦  富山第一が劇的逆転勝利!北陸対決を制して初優勝!

2014年01月14日 | soccer

第92回全国高校サッカー選手権大会は、成人の日の13日に東京・国立競技場で決勝戦が行われました。建て替え前最後の国立での決勝戦は、富山第一高校VS星稜高校(石川)の北陸対決。5試合で13得点の攻撃力を持つ富山第一は25回目、4試合連続無失点の星稜は24回目の出場で初めての決勝進出。どちらかが勝っても北陸勢初優勝となる一戦は、終盤に劇的なドラマが待っていました。



両チームのスタメン
富山第一
GK 1 高橋昂佑
DF 3 竹澤昂樹
DF 4 藤井徹
DF 22 城山典
MF 6 川縁大雅
MF 8 細木勇人
MF 10 大塚翔
MF 11 野沢祐弥
MF 25 西村拓真
FW 9 渡辺仁史朗

星稜
GK 1 近藤大河
DF 2 森下洋平
DF 3 寺田弓人
DF 6 藤田峻作
DF 16 原田亘
DF 21 上田大空
MF 8 鈴木大誠
MF 10 寺村介
MF 13 前川優太
FW 9 森山泰希
FW 11 仲谷将樹



試合の立ち上がりは富山第一がペースを握り、前半4分に右サイドのFKを細木が直接狙うが、星稜GK・近藤にキャッチされる。6分にはゴールほぼ右寄りのFKを竹沢が左足を振り抜いたが、グラウンダーのシュートは星稜GK・近藤のセーブに阻まれる。19分、大塚が敵陣でボールを奪ってからスルーパス→野沢が抜け出してGKと1対1の場面でシュートするが、これも近藤に防がれてノーゴール。再三決定機を作りながらも、先制点を奪う事ができません。
我慢の時間が続いた星稜は32分、ペナルティエリア内で原田が相手DFに下腹部を蹴られてダウン。主審はすかさずホイッスルを鳴らしてPK。ラッキーな形で先制のチャンスを迎えた星稜は、キャプテンの寺村がPKをゴール左隅に決め、星稜が1点を先制。前半アディショナルタイムには、右サイドのクロスに寺村がダイレクトボレーも不発。前半は星稜が1点リードで折り返します。
後半に入り、富山第一は後半14分に西村に代えてFWの高浪奨を投入。後半20分、左サイドで竹澤がヒールパス→野沢がグラウンダーで折り返し→川縁がDFをかわしてシュートを打つも、星稜DFにクリアされる。すると後半25分、星稜はカウンターを仕掛け、左サイドで仲谷がクロスを上げると、森山のヘディングシュートが決まる!星稜が追加点を挙げ、2-0と富一を突き放します。
このまま星稜が逃げ切るかと思われたが、後半41分に富山第一に反撃のチャンス。竹澤のロングパス→途中出場・村井和樹が左サイドをドリブル突破してからクロスを入れ、高浪が胸トラップから右足で押し込んでゴール。ようやく星稜ゴールをこじ開け1点差を返します。さらにアディショナルタイム、川縁の縦パス→PA内で竹澤が星稜DF・森下に倒されてPKを獲得。その瞬間、富一の選手たちがガッツポーズ、決まれば同点、外せば負けという大事なPKを、大塚が左隅に転がしてゴールイン。富山第一が土壇場で2-2の同点に追いつき、勝負は20分ハーフの延長戦へ。
延長前半7分、星稜は藤田が敵陣の遠い位置から左足のミドルシュート。ボールはクロスバーを直撃すると、跳ね返りをゴール前に詰めていた寺田が拾うも、富一DFに阻まれる。延長後半に入り、富一はPK戦に備えて控えGK・田子真太郎がウォーミングアップを開始。すると延長終了1分前の後半9分、右サイドの城山のロングスロー→高浪が足で落とすと、ゴール正面にいた村井が左足ダイレクトシュート。これが直接ゴールネットを突き刺し、3-2と逆転!富山第一が2点ビハインドをひっくり返し、悲願の初優勝を果たしました!



いやぁ~本当に痺れる試合でした!北陸決戦となった今年の高校サッカー決勝戦は、国立最蹴章のファイナルにふさわしい白熱した試合、劇的な幕切れとなりました。後半40分までは星稜が2-0とリードし、星稜の優勝で決まりかなと思ったら、残り5分を切ってからドラマが起こり始め、高浪選手の反撃ゴール、終了間際のPKで富山第一が追い付きました。そしてPK戦目前の延長後半9分に村井選手のビューティフルゴールが飛び出しました。敗色濃厚からの大逆転優勝は後世に語り継がれる事でしょう。
富山県勢初優勝を成し遂げた富山第一は、後半14分から入った高浪選手と後半32分から投入された村井選手の交代組2人が大活躍。後半41分の得点シーンでは、村井選手のクロス→高浪選手が押し込みました。村井選手はこの試合1ゴール1アシストで優勝に大きく貢献。優勝を決定付けるダイレクトボレーについては、「頭の中が真っ白になった」と振り返ってました。
後半終了間際に同点のPKを決めた大塚翔選手は、父・大塚一朗監督の次男。父の前でキャプテンの仕事を果たし、ベンチに戻る際は父と歓喜の抱擁。大塚選手、最高の親孝行ができましたね。父の一朗監督も、2日前の準決勝に続き、交代策がズバリと的中。2012年に現部長の長峰俊之氏からバトンを引き継いで監督に就任し、2年目でチームを日本一に導きました。

富山第一の優勝までの道のりを振り返ると、1回戦の長崎総科大附戦では、西村選手の2得点などで3-2で勝利。2回戦の熊本国府(熊本)戦を1-0、3回戦の市立浦和(埼玉)戦では、前半25分までに3点を奪いながらも、その後2点返されましたが、3-2と1点差で逃げ切りました。準々決勝では攻撃陣が爆発し、日章学園(宮崎)相手に4-0と圧勝。迎えた準決勝の四日市中央工との試合では、2度も先行しながらも追いつかれ、2-2のままPK戦に突入。そのPK戦では、後半終了間際に投入された控えGK・田子選手が監督の期待に応え、北陸勢初の決勝進出。そして決勝で奇跡の逆転勝ちを収めました。
6試合で合計16得点を挙げたこのチーム、渡辺選手が4ゴールを挙げ、神戸弘陵学園の長谷川覚之選手と共に大会得点王に輝きました。大塚選手と西村選手は共に3得点。この3人で10得点です。それにしても富一の攻撃力は半端なかった…。

星稜高校は寺村選手と森山選手に2試合連続ゴールが生まれたんですが、後半40分過ぎにキャプテン・寺村選手を下げた瞬間から歯車が狂い出し、直後に失点を許すと、DFの森下選手が相手を倒してPKを献上。そして延長戦で逆転されてしまいました。4試合で無失点を誇った星稜DF陣が、無失点優勝がかかった試合で崩壊。優勝確実が一転して悪夢の逆転負け…。それでも、星稜の選手たちも素晴らしい戦いぶりを見せてくれました。


高校サッカーの聖地・国立競技場は今年7月から改修工事に入るため、しばらくの間は開催できません。次回の第93回大会は、駒沢陸上競技場で開会式と開幕戦、準決勝と決勝戦は埼玉スタジアム2002で行われます。改修前最後の国立決戦で激闘を繰り広げた富山第一と星稜の選手たちに拍手を送りたいです。最後に一言だけ、高校サッカー最高!!





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