夏競馬は8月に入り、新潟・札幌・小倉の3場が一斉に開幕。8月2日は新潟競馬場で、新潟名物・芝直線1000mの重賞競走「アイビスサマーダッシュ」、札幌競馬場では牝馬による重賞競走「クイーンステークス」が行われました。
今週から開幕した札幌のメイン・第63回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ・芝1800m 10頭立て)は、2013年の2歳女王②レッドリヴェール、牝馬重賞2勝①フーラブライド、函館の特別競走「かもめ島特別」に勝利した③ブランネージュ、五稜郭ステークスを勝った⑤フレイムコード、メンバー唯一の3歳馬④ノットフォーマルなどが出走しました。
スタンド前でのスタートは、10頭綺麗に飛び出した。先行争いでノットフォーマル、フレイムコード、⑥イリュミナンスの3頭が行き、レッドリヴェールは4番手、ブランネージュ5番手、フーラブライドは中団の位置で1コーナーを回る。1,2コーナーを通過し、ノットフォーマルが先頭、フレイムコードが2番手につけ、レッドリヴェールがイリュミナンスを抜いて3番手に浮上。5番手ブランネージュ、その後ろの6番手にフーラブライド。7番手⑧ショウナンバーキン、8番手⑨ソロデビュー、9番手に⑩メイショウスザンナ、最後方に⑦レイヌドネージュが追走する。
3コーナーを回り、先頭を行くフォーマルは前半1000mを59.9秒で通過。リヴェールはまだ3番手に控え、ブランネージュとフラブラが外側に持ち出す。4コーナーに差し掛かるところで、9頭が一団の状態となり、直線コースでフレイムヘイロー、ノットフォーマル、リッドリヴェールの3頭が並ぶ。ゴール残り100mでリヴェールがわずかに先頭に出るが、大外からメイショウスザンナが襲い掛かり、ゴール前でリヴェールを捕らえてゴールイン!メイショウスザンナが最後に差し切って重賞制覇!
「夏女決定戦」クイーンステークスは、単勝7番人気の伏兵・メイショウスザンナが優勝。道中は後方2番手を追走し、直線で馬群を割って伸び、ゴール前で大外から前の馬たちをまとめて差し切りました。単勝2.0倍と1番人気に支持されたレッドリヴェールは、一旦は先頭に立ったものの、スザンナの追撃を抑えられず2着。勝てば阪神ジュベナイルフィリーズ以来だったんですが、復活勝利とはなりませんでした。3着には4番人気のイリュミナンスが入り、3番人気ブランネージュは7着、2番人気フーラブライドは8着に終わりました。
勝ったメイショウスザンナは、昨年7月のテレビユー福島賞以来の勝利で通算5勝目。重賞はこれまで8度挑戦し、2012年のフラワーカップで2着、6歳となった今年4月の福島牝馬ステークスで3着。前走はマーメイドステークスで10着。9度目の挑戦となった今回、ようやく重賞初タイトル獲得です。鞍上の松田大作騎手は今年3月のファルコンステークスに次いで重賞2勝目。1997年にデビューしてから18年間もJRA重賞未勝利(※マカオの重賞で勝ったことある)だったけど、19年目の今年は既に重賞2勝。遅咲きのベテランが今、乗りに乗ってます。
新潟メイン・第15回アイビスサマーダッシュ(芝直線1000m・14頭立て)は、昨年の優勝馬⑭セイコーライコウ、函館スプリントステークス2着⑫アースソニック、同レース3着⑪レンイングランド、重賞2勝⑬ベルカント、新潟直千レース・韋駄天ステークスを勝った④フレイムヘイロー、昨年のサマースプリントシリーズのチャンピオン⑥リトルゲルダ、他にも③サフィロス、⑧ヘニーハウンド、⑩エーシントップなどが出走しました。
横一線のスタートで始まったこのレース、好スタートを切ったベルカントが外ラチ沿いを行き、真ん中からエーシントップとヘニーハウンド、レンイングランド・フレイムヘイロー・⑤サカジロロイヤルも好位置につける。リトルゲルダと⑨シンボリディスコは7,8番手あたり。9番手にサフィロス、10番手あたりにアースソニック、大外のセイコーライコウは11番手、後方は⑦オースミイージー、②マコトナワラタナ、①アンゲネームと続く。
ゴールまで残り400mのところで、ベルカントがわずかに先頭、2番手争いではヘニー、真ん中にディスコと外からゲルダも迫り、大外からライコウも来ている。残り200mでベルカントが抜け出すと、後続を引き離してゴールイン!2着争いはシンボリディスコとアースソニックが並んで入線、セイコーライコウは4番手まで。
夏の新潟の幕開けを告げる超スプリント決戦は、ベルカントが単勝1番人気の期待に応えて優勝。好スタートを決めてから外ラチ沿いを進み、残り400mで先頭に躍り出ると、ラスト200mで独走に入り、最後は2着に2馬身差をつけての快勝でした。勝ちタイム54秒1でした。接戦となった2着争いは、9番人気のシンボリディスコが2着、アースソニックがハナ差の3着。アースソニックは昨年に続いて3着。連覇を狙ったセイコーライコウは4着、昨年のシリーズ女王・リトルゲルダは5着、3番人気のレンイングランドは8着に終わりました。
勝ったベルカントは、昨年のフィリーズレビュー以来の勝ち星で通算4勝目。重賞も今回で3勝目を挙げました。初コンビのミルコ・デムーロ騎手は、アイビスサマーダッシュ初勝利。ミルコ騎手は今週新潟初参戦で、この2日間で4勝を挙げております(土曜1勝、日曜3勝)。
ベルカントは当初、CBC賞に出走予定でしたが、右肩部挫創で出走取消。それから中3週でこのレースに参戦し、取消の影響が懸念されたものの、着差以上の完勝を収めました。次はキーンランドカップorセントウルステークスで連勝を目指すことになるでしょう。
サマースプリントシリーズは3戦を終え、アイビスSDを勝ったベルカントが10ポイントを獲得し、ウリウリ・ティーハーフと並んで首位タイ。3着のアースソニックが4点を追加し、2戦合計9点で4位につけています。サマースプリントシリーズは残り3戦。夏のスプリント王に輝くのは果たして?
来週は小倉競馬場でサマー2000シリーズ第3戦「小倉記念」、新潟競馬場では3歳ダート重賞「レパードステークス」が行われます。「小倉記念」の方は、2年前の覇者・メイショウナルト、古馬初対戦の3歳馬・ベルーフ、七夕賞3着・マデイラ、鳴尾記念3着・アズマシャトル、ノボリディアーナ、マローブルー、パッションダンス、オーシャンブルーなどが登録。
「レパードステークス」は、「ユニコーンステークス」組からゴールデンバローズ、ノボバカラ、アルタイルの3頭。「ジャパンダートダービー組」からクロスクリーガー、ディアドムス、ライドオンウィンド、東京ダービー馬・ラッキープリンス(浦和)、他にもダート2戦2勝のセンチュリオン、2連勝中のタガノスマイルなどが登録しています。好メンバー揃いのレパードステークス、3歳ダート王者・ノンコノユメのライバルに名乗り出るのはどの馬か?