甲子園球場で開催中の「第97回全国高校野球選手権大会」は、大会10日目の15日は3回戦4試合が行われました。早稲田実業のスーパー1年生・清宮幸太郎選手、東海大相模・小笠原慎之介投手など、この夏のスターたちが続々と登場です。
第1試合:早稲田実業(西東京)8-3東海大甲府(山梨)
1回戦の今治西戦で1安打1打点、2回戦の広島新庄戦は2安打1打点と結果を残している清宮。今大会3試合目も自らのバットでチームを勝利に導けるか?
1回、早実は1番・山田淳平が内野安打のあと、1死2塁で清宮が登場しますが、腰の辺りに死球を受ける。このあと、2死1,2塁で5番・金子銀佑がレフト前タイムリーを放ち、早実が1点を先制。しかし、東海大甲府はその裏に2番・福武修がライトへ3塁打を打って同点のチャンスを作り、3番・角山颯の2塁ゴロで1-1の同点とします。
早実は3回、先頭の玉川遼がヒットで出塁し、次の打者・清宮が甲府先発・菊地大輝の4球目のチェンジアップをフルスイング!打球は右中間へ大きく舞い上がり、そのままスタンドイン!清宮の2ランで3-1と勝ち越した直後、4番・加藤雅樹も続きます。加藤は直球を鋭く強振し、弾丸ライナーでライトスタンド一直線!キャプテン加藤にもホームランが生まれ、4-1とリードを拡げます。早実は4回にも山田のセンター前タイムリーで5点目を奪いリードを拡げます。
4点を追いかける東海大甲府は、5回に2本のヒットで2死2,3塁とし、3番・角山が2塁ゴロで倒れたかと思いきや、早実2塁手・富田直希がエラー。ランナー2人が還り、5-3と2点差に詰め寄る。
6回、早実は8番・松本皓、9番・渡辺大地、1番・山田の3連続ヒットのあと、2死満塁で清宮が甲府2番手・松葉行人からライト線へのタイムリー2塁打!2ラン本塁打に続き、走者一掃の長打を打った清宮は、これで5打点。8回の第4打席にも2塁打を放ち、この試合3安打。試合も8-3で早実が快勝し、ベスト8一番乗りを果たしました。
第2試合:花咲徳栄(埼玉)1-0鶴岡東(山形)
初戦で三沢商業を相手に15得点を挙げた花咲徳栄と、16安打9得点を挙げた鶴岡東の一戦は、激しい打ち合いが予想されましたが、花咲徳栄・鎌倉知也と鶴岡東・松崎祥弥の両先発ピッチャーの投手戦という展開に。
1回、鶴岡東は2アウトからの連続ヒットで1,2塁のチャンスを作るも、5番・安食幹太がレフトフライに倒れて2者残塁。徳栄も2回に4番・大滝愛斗がヒットで出塁し、味方の犠打などで3塁まで進む。しかし、後続が次々と倒れて無得点に終わります。その後は両チームともに大きなチャンスもなく、6回まで0-0とスコアが動かず。
7回、鶴岡東は1死から9番・松崎がセンター前ヒットを放つと、1番・田辺和もレフト前ヒットで続き、1,2塁と得点圏に走者を置く。ここで徳栄は先発の鎌倉に代えて、2年生左腕・高橋昂也を2番手に送り込む。高橋は代打・阪本司をフォークで空振り三振に仕留めると、3番・柿崎航にはスライダーで見逃し三振を奪い、相手に得点を与えません。
7回裏、徳栄は4番・大滝、6番・楠本晃希のヒットで1死1,3塁と先制のチャンスを作り、7番・笹谷拓海が松崎の高めのスライダーを弾き返し、センター前へのタイムリーヒット。花咲徳栄が試合の均衡を破り1点を先取します。この1点のリードを高橋が守り切り、9回は3者凡退でゲームセット。花咲徳栄が接戦を制しました。
第3試合:東海大相模(神奈川)11-2遊学館(石川)
1回から東海大相模打線が遊学館先発・小孫竜二に襲い掛かり、無死1,2塁で3番・杉崎成輝がストレートを逆方向へ弾き返し、レフトオーバーのタイムリー3塁打で2点を先制。さらに5番・磯網栄登のセンター前タイムリーで1点を追加すると、相手の1塁牽制球が悪送球となり、2塁走者が生還して4点目。
東海大相模の先発・小笠原慎之介は、3回まで毎回ランナーを出しながらも、打たせて取るピッチングで遊学館打線を無失点に抑えます。
相模は4回に2死3塁から1番・千野啓二郎のライト前タイムリーヒットで1点を追加すると、続く2番・宮地恭平のレフト線へのタイムリー3塁打で6点目。5回には1死1,3塁から7番・竹内大貴のセンター前タイムリー、8番・川地星太朗の犠牲フライで2点を追加。6回は5番・磯網のタイムリーで1点を加え、9-0と大差をつけます。
相模のエース・小笠原から1点を取りたい遊学館は6回裏、1死から3番・広橋敬大が2塁打で出塁すると、4番・高本康平が直球を捉え、左中間への2塁打で1点を返す。なおも2死1,2塁で7番・藤原遼のレフト前ヒットでもう1点奪い、この回小笠原から2点を挙げた。
東海大相模は8回に1死2塁で竹内のタイムリーヒット、2死1塁で9番・小笠原のライト線への3塁打で2点を加え、11-2と突き放す。その後は小笠原が8回まで投げ切り、9回は2番手・北村朋也が締めて試合終了。18安打・11得点と打線が爆発した東海大相模、遊学館に大勝です。
第4試合:九州国際大学付属(九州)2-0作新学院(栃木)
2回戦の大阪偕星戦で2打席連続ホームランを放った九国大付の主砲・山本武白志。この試合でもホームランが出るか?
0-0で迎えた5回裏、九国大付は1死1塁で1番・吉井恒平がライトへの2塁打を放つ。1塁走者・富山凌雅は3塁を蹴って本塁を狙うが、作新学院2塁手・吉沢優真のストライク返球に阻まれタッチアウト。富山も本塁でヘッドスライディングを見せるも及ばなかった。
6回、九国大付先発・富山が2死1,2塁のピンチを切り抜けると、その裏に2死走者無しで4番・山本が作新先発・倉井勇輔の直球を捉え、レフトスタンドへの先制ソロ本塁打!山本はこれで2試合連続ホームラン。1点を先取した九国大付は、7回に2死2,3塁で3番・岩崎魁人がセンター前へのタイムリーヒットで2点目を挙げた。投げては先発・富山が作新打線を7安打に抑えて完封勝利を挙げました。
大会10日目は、早稲田実業、東海大相模、花咲徳栄、九州国際大付の4校が勝利。作新学院が勝てば、関東勢の全勝でした。早実の清宮選手、3試合目にして甲子園初ホームランが出ました。ど真ん中のチェンジアップを完璧に捉え、鮮やかな放物線を描いていきました。試合後のインタビューで「やっと1本。最高です。これからの人生において特別な物になる」と大喜び。この日は3安打5打点、3本とも長打でした。3試合で6安打7打点、打率も.500ちょうどの好成績。試合を重ねるたびに調子を上げており、準々決勝でも大暴れが期待できそうです。
第3試合に登板した小笠原投手、初戦はMAX151キロを記録しましたが、この日の最高は149キロ。それでも左腕にしては速い数字です。打っても8回にダメ押しのタイムリー3塁打を放っております。第4試合のヒーロー・山本選手は、今大会3本目のホームラン。清宮選手ばかり注目されがちですが、山本武白志選手もお父さんが千葉ロッテ元監督・山本功児さんという「2世プレーヤー」です。話題性では清宮選手に劣るけど、パンチ力では負けてません。
これで準々決勝の2試合が決まり、第1試合で早実VS九国大付、第2試合は東海大相模VS花咲徳栄の関東勢対決。清宮幸太郎VS山本武白志のサラブレッド対決が実現ですか。どちらのバットが火を噴くのか楽しみですね。夏の甲子園初のベスト8進出の花咲徳栄は、東海大相模の投手陣を攻略できるのか?
大会11日目の16日は、健大高崎(群馬)VS秋田商業(秋田)、関東第一(西東京)VS中京大中京(愛知)、仙台育英(宮城)VS花巻東(岩手)、興南(沖縄)VS鳥羽(京都)の4試合が予定されています。第2試合に登場する関東第一のリードオフマン・オコエ瑠偉選手の驚異の身体能力に注目すべし!単打を2塁打にしてしまうほど、とにかく足が速いですよ。