夏休みも佳境に入った23日は、札幌競馬場では夏競馬唯一のGⅡレース・札幌記念、小倉競馬場はサマースプリントシリーズ第4戦・北九州記念が行われました。札幌記念はトーホウジャッカルとラキシスのGⅠ馬2頭が参戦し、北九州記念は無敗のスプリンター・ビッグアーサーが初めての重賞レースに挑戦です。
小倉のメイン・第50回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ・芝1200m 18頭立て)は、デビュー5戦5勝の⑤キングアーサー、アイビスサマーダッシュとの重賞連勝を狙う③ベルカント、CBC賞3着①サドンストーム、阪神牝馬ステークス2着⑬ベルルミエール、2012年②マイネルエテルネル、2015年⑱オーミアリスの「新旧小倉2歳チャンピオン組」、佐世保ステークス覇者⑦ミッキーラブソング、昨年の北九州記念で2着⑧メイショウイザヨイ、他にも⑩サトノデプロマット、⑮マヤノリュウジン、福島の短距離戦・バーデンバーデンカップを勝った⑪バーバラなどが参戦しました。
スタートでバーバラがやや遅れたのに対し、メイショウイザヨイとオーミアリスが好スタートを切る。先行争いで、内から⑥ニザエモン・⑧サカジロロイヤル・⑨レオパルディナ・メイショウイザヨイの4頭が行ったが、イザヨイとニザエモンが先手を取る。ベルカント・ベルルミエールが5,6番手で並び、7番手集団はサドンストーム・サトノデプロマット・マイネルエテルネル・ビッグアーサー・⑯ヘニーハウンドの5頭が固まっている。12番手ミッキーラブソング、13番手④バクシンテイオー、その後ろの14,15番手に⑫メイショウツガルとオーミアリス、バーバラ16番手。後方は17番手⑰ドレッドノート、マヤノリュウジンが最後方追走。
3,4コーナー中間点を過ぎ、メイショウイザヨイとニザエモンの2頭が果敢に飛ばし、ベルカントが3番手に浮上、サドンとアーサーは中団馬群、ラブソングは外に持ち出した。4コーナーから直線に差し掛かり、内でニザエモンが逃げ粘るが、ベルカントがあっさりと抜いて先頭に立って独走態勢に入る。ビッグアーサーが馬群を割って2番手に上がり、大外から追い込んできたベルルミが3番手に上がり、前のベルカントを追うが、ベルカントがそのまま押し切りゴールイン!ベルカント直線突き抜けて重賞2連勝!ビッグアーサーは追撃及ばず2着まで。
サマースプリントシリーズの第4戦・北九州記念は、単勝2番人気のベルカントが、直線早めに抜け出して2着に1馬身半差の快勝。前走・アイビスサマーダッシュに続いての連勝で重賞4勝目を飾りました。ベルカントの鞍上・武豊騎手は、北九州記念は通算5勝目ですが、スプリント戦になってからは初勝利となります。1番人気だったビッグアーサーは2着に終わり、デビューからの連勝がストップしました。重賞の壁は厚かった…。ちなみに、上位2頭は共にサクラバクシンオー産駒です。3着には4番人気のベルルミエールが入り、4歳勢が上位を独占しました。3番人気のサドンストームは11着大敗。
ミルコ・デムーロ騎手とのコンビで挑んだ前走のアイビスSDでは、外ラチ沿いから先行策を取りましたが、今回は積極的に行かず、控えての競馬を選択。直線で一瞬のうちにメイショウイザヨイとニザエモンをかわし、そのまま後続を引き離しました。待機策が奏功したのもあるし、武豊騎手の好騎乗が冴え渡りましたね。ベルカントは2戦合計で20ポイントを獲得し、サマースプリントシリーズチャンピオンに大きく前進。この後はスプリンターズステークスへと直行すると思われます。重賞連勝の勢いそのままにGⅠタイトル奪取となるか?
札幌のメイン・第51回札幌記念(GⅡ・芝2000m 15頭立て)は、菊花賞馬⑫トーホウジャッカル、エリザベス女王杯を勝った①ラキシスに加え、2年前の覇者⑬トウケイヘイロー、④ダービーフィズ・⑭ハギノハイブリッド・⑧ヤマカツエースの函館記念上位3頭、さらには春の天皇賞で4着の⑦ラストインパクト、⑪ディサイファ、⑤ヒットザターゲットなどが出走しました。
スタートは15頭横一線。ラキシスとダービーフィズ、トウケイヘイローが好スタートを切る中、トウケイヘイローが先手を奪う。ディサイファとトーホウジャッカル、ラキシスが2番手集団につけ、ラストインパクトとダービーフィズは中団に控えてスタンド前を通過していった。
1,2コーナーを回って向正面に出るところで、トウケイヘイローが単独先頭でレースを引っ張り、ラキシスが2番手につけ、ディサイファが3番手、その後ろにトーホウジャッカルが4番手追走。5番手⑨ステラウィンド、6番手にハギノハイブリッド、内側のヤマカツエースが7番手、外の⑮サクラアルディート8番手。9番手グループには、ラストインパクト・⑩ハナズリベンジ・ダービーフィズの3頭が固まってる。12番手にヒットザターゲット、13番手②フレージャパン、14番手⑥サイモントルナーレ、しんがりに③スワンボートという展開。
縦長の状態で3コーナーに差し掛かり、トウケイがまだ逃げていて、ディサイファが2番手に浮上。ラキシスとジャッカルがぴったりと並び、大外からラスインがジワジワとポジションを上げてきた。ダビフィズはまだ中団馬群の中にいる。4コーナーを回り、最後の直線コースに入り、ディサイファがトウケイヘイローを抜いて先頭に立つ。外からヤマカツエースが追い上げ、ラストインパクトも接近。さらに最内を突いてダービーフィズも上がってきた。トーホウジャッカルはちょっと後退し、ラキシスも前が塞がれている。そしてゴール前、逃げるディサイファに内からダビフィズ、外からヒッタゲが襲い掛かり、3頭ほぼ並んでゴールイン!最後は大混戦となりましたが、真ん中のディサイファが先着しました。
真夏のスーパーGⅡ・札幌記念は、単勝5番人気だったディサイファが、ゴール前の接戦を制しました。道中は3番手を追走し、直線で逃げるトウケイヘイローをかわすと、そのまま先頭をキープ。最後はダービーフィズとヒットザターゲットの追撃を抑えました。2着のヒットザターゲットは、大外から末脚を伸ばしてやってきたんですが、アタマ差及ばず。札幌は直線が短いからなあ…。3着のダービーフィズは、イン突き差しを狙ったけど届かず。2番人気のラキシスは、前が詰まって5着。3番人気のラストインパクトも詰まって6着。1番人気のトーホウジャッカルは、一旦は3番手まで上がったものの、直線で伸びず8着に終わりました。
勝ったディサイファは、昨年のエプソムカップ、今年3月の中日新聞杯に続いて重賞3勝目。GⅡ競走は初勝利となります。四位洋文騎手は同レース初勝利で、今年の重賞2勝目。小島太調教師は2003年のサクラプレジデント以来の勝利で、通算2勝目。このレースは2頭出しで臨み、ディサイファが1着、ダービーフィズが3着に入りました。秋のGⅠ戦線に向けて大きな1勝を挙げたディサイファ、秋の天皇賞の前に毎日王冠参戦もありそう。毎日王冠には、エイシンヒカリ、イスラボニータ、アンビシャス、モーリス、サトノクラウンなどが出走を予定していて、ディサイファが出るようなことになったら、面白い一頭になるかもしれません。
さて、来週・8月30日は、札幌競馬場で「キーンランドカップ」、新潟競馬場では「新潟2歳ステークス」が行われます。キーンランドには、函館スプリントステークスを勝ったティーハーフ、昨年の優勝馬・ローブティサージュ、京王杯スプリングカップ3着のオメガヴェンデッタ、エポワス・ルチャドルアスール・レッドオーヴァルのUHB賞組、トーホウアマポーラなどが出走予定。
新潟2歳ステークスは、前哨戦のダリア賞を勝ったペルソナリテ、新馬戦で4馬身差の圧勝を演じたウインミレーユ、新種牡馬・アンライバルド産駒のトウショウドラフタ、ヒプノティスト、ルグランフリソン、キャプテンペリー、カネノイロなどが登録しています。秋以降の2歳戦線~来年のクラシックに繋がるであろう一戦を制すのはどの馬か?