MY LIFE AS A FOOTBALL

ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ

スカーレット

2020年03月24日 | A DAY IN THE LIFE

朝ドラ「スカーレット」
戸田恵梨香演じるヒロインの息子が白血病で、余命数年と宣告される。

 


今日の山日新聞のひとこと欄から

甲府市宮原の比田井文ゑさんは89歳。
20年前に息子さんを悪性リンパ腫で亡くされている。
病名を告知した時、「母さん、そりゃあねえら」と言ったそうだ。
その時、息子さんは38歳。
それから1年2か月の闘病の末、この世を去ったそうだ。

以下、比田さんの独白:

だから、「スカーレット」を観るたびにひとり声をあげて泣いてしまう。
親はいまだに生きて、近所や施設に迷惑を掛けている。
世の中はなんと無常かと思う。
ぼんやりひとりでいると、息子の声が聞こえてくるような気がする。
お母さん、おまえのそばへ行った方がいいのかなあ、と思うこの頃である。



・・・私は言いたい。
比田さん、まだ早いよ。
死んじゃだめだよ、と。


私の母は94歳で、人並みに認知症にもなり今は施設で暮らしている。
面会に行っても、最近はずっと目を閉じたまま、言葉数もずいぶん減った。
この前なぜか、母にあらためて言ったことがある。
「かあさんが長生きでオレはうれしいよ。生きていてくれるだけでオレは幸せだ」と。

母は時間をかけて目を開けた。
いつも右目が開かないのだが、その時は両目をあけてオレを見た。
見えてるのか、オレが誰なのか、わかっているのか・・・それから言った。

「また来てちょうだいね」


恥ずかしいが、これを書いてるだけで泣けてくる。
母は、ちゃんと分かっていた。
すぐに忘れてしまうだろうが、あの時はちゃんと理解していたのだ。

折り悪く、コロナで面会禁止になったから、
また来てちょうだいねに、応えられないのが情けないが。

だから比田さん、
息子さんはきっと天国で、あなたが長生きしてくれることを願っているよ。
近所や施設には迷惑かけていいんです。
そんなことは気にせず、どうか長生きしてください。

息子はいくつになっても、どこにいても母が好きなのだ。