死んだ人の
部屋に住むのが
彼女の仕事。
この小説の最大の欠点は、短かすぎること。
クイクイ読めて、キーキーとおもしろいから、アッというまに読了。
小説に対して、わたしに書評があるとすれば、ほぼこれだけだ。
クイクイ読めて、キーキーとおもしろいか、否か。
主人公りさ子(32)の仕事は、部屋に住むこと。 それだけ。
ただその部屋が“事故物件”であること。
そう、誰かが死んだ部屋に住んで、ロンダリングするわけだ。
マネー・ロンダリングと一緒だ。
汚い金を、いったんスイス銀行かなんかに預けてキレイにするってやつ。
他の人間が1カ月住めば、その部屋は何事もなかったことになって、
不動産屋は、次の借り手に説明する義務がなくなるんだと。 恐いですねぇ
書評はプロに任せましょう。
『暮らす、ということは、その場所に根をおろすことだ。
寄る辺ない身のりさ子が、人とかかわりあうことを通して、
現実の世界に根をおろしていくありようは、
たくましさの回復というよりは、
やわらかい水の中に根をおろし、
まるで光を帯びた花を天空に咲かせる睡蓮(すいれん)のような、気高さを感じさせる。』
さすがプロ!の書評は、松井雪子(作家・漫画家)さんです。
わたしは1点だけ。
リさ子が同業のスガさんと電話で話すシーンで、グっと胸にきてしまい、
まさかこんなシーンで泣ける? 変じゃね? と自問する。
まいいから、もっと泣かせろ! とか思っていると、
あっけなくスルーされる。 う~ん、りさ子の気高さとはほど遠いなぁ^^
ちなみに、読んでるときに聴いていたのがバカラック。
音楽との相乗効果ってあるのさ。
で、それは悲しい話の時には悲しい曲を、 ってわけでもないのね。
仕事はつづけるみたいだから、りさ子の後日談が読みたいぞ、と。
でも決着はつけたから、残念ながら無理か。
ほらね、短かすぎるのが悪い。
「東京ロンダリング」 原田ひ香 集英社
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