大学院生時代から、時折、桜新町駅を利用します。急行通過駅(準急停車駅)で、ここで各駅停車が急行の通過待ちをしますが、それとは関係がなく、桜新町を歩いていると楽しいからです。
日本の漫画の大傑作である「サザエさん」の舞台としても有名な桜新町は、以前からそのサザエさんの一家を商店街のキャラクターとして使っています。今日(2012年4月21日)、国学院大学での1限の講義を終えて帰宅する途中、桜新町駅で降り、地上に出てみたら、駅の入口のそばに銅像が立っていました。
これは、駅の北口のそばにある銅像です。すぐそばに信号付きの交差点があるためか、カツオちゃんとワカメちゃんが手を上げているポーズの像となっています。
足元にはこんなプレートが付けられていました。駅にはサザエさんのキャラクターが一切描かれていないのに対し、商店街にはサザエさん一家などがたくさん登場します。面白いことに、漫画版とアニメ版の両方が用いられており、両者の違いなどもよくわかります。
駅の西口のそばには、磯野家の4人がいます。波平さん、カツオちゃん、ワカメちゃん、そしてフネさんです。作者の長谷川町子氏は生涯を通じて独身でしたので、どのようにしてこの一家を描いていったのか、以前から気にはなっています。
足元にはこんなプレートが付けられています。これも交通安全に関係する言葉が添えられています。
ようやくサザエさんが登場しました。フグ田家ということになります。サザエさん、タラちゃん、そしてマスオさんです。勿論、サザエさんの旧姓は磯野です。
この漫画の登場人物は、基本的に海の物に由来します(アニメ版に登場する脇役は別です)。そのため、この一家の名前は「カツオ」を除けば同名の人が実社会にいないものと思われるでしょう。私もそう思っていました。
「カツオ」にしても、片仮名の名前ではなく、漢字の名前でしょう。既に亡くなられて久しいのですが、ヤクルトスワローズには大杉勝男という選手が在籍していました。大杉氏は、パ・リーグ、セ・リーグの両方で1000本安打を達成したという、珍しい記録を達成したことで知られています。他には、一定の世代には馴染みが深かった新栄電機産業の関東ローカルのCMに登場していた海野かつを氏が有名ですが、こちらは本名ではありません。
また、「マスオ」であれば、やはり故人ですが池田満寿夫氏が思い浮かびます。こちらは実社会でも割に多く見かける名前ですが、やはり片仮名の名前の人はほとんどいないでしょう。
「カツオ」と「マスオ」以外の名前は、実社会でほとんど見かけないでしょう。いるとしても、多くは芸名などではないでしょうか。とくに、実社会で一番見かけなさそうな名前は「サザエ」ではないかと思います。多くの方にとってもそうでしょう。
しかし、父から何度か聞いた話によれば、父の小学校か中学校の同級生に「サザエ」という名前の人がいたそうです。「嘘だろう?」と問うたら「本当だ!」と返されました。どのような字の名前なのかは、父も覚えていません。漢字で書くならどのような名前なのでしょうか。
今日、改めて知ったのですが、桜新町駅周辺は桜並木の美しいところです。道を歩く人々の多くが、デジタルカメラや携帯電話のカメラ機能を使って撮影していました。山桜が多いようですが、うちの近所では既に葉桜になっていますし、山桜は鮮やかですので、印象に残ります。田園都市線の沿線で、桜並木の美しい所と言えばたまプラーザ駅付近というイマージュがあり、今月、妻と一緒に歩いていますが、桜新町駅付近も加えなければなりません。もっとも、こちらのほうは妻と歩いたことがなく、今後もおそらくその機会は訪れないでしょう。